ボイラー構造規格
第一編 鋼製ボイラー
第一章 材料(第一条−第六条) |
ボイラー構造規格
目次
(主要材料)
第一条 鋼製ボイラー(以下この編において「ボイラー」という。)の主要材料は、鉄鋼材料又は非鉄金
属材料であって、最高使用圧力及び使用温度に応じ、当該材料に及ぼす化学的影響及び物理的影響に対
し、安全な化学的成分及び機械的性質を有するものでなければならない。
2 前項の使用温度は、内部の蒸気又は液体の最高温度とし、伝熱面における材料の使用温度は、内部の
蒸気若しくは液体の最高温度に三十度を加えた温度(放射過熱器にあっては、内部の蒸気の最高温度に
五十度以上を加えた温度)又は適切な方法によって求めた値を加えた温度とするものとする。
(材料の使用制限)
第二条 次の表の上欄に掲げる材料は、それぞれ同表の下欄に掲げるボイラー又はボイラーの圧力を受け
る部分に使用してはならない。(表)
(材料の許容引張応力)
第三条 材料(鋳造品を除く。)の許容引張応力は、次の各号に定めるところによる。
一 鉄鋼材料及び非鉄金属材料の許容引張応力は、次に掲げる値のうち最小のものとする。
イ 常温における引張強さの最小値の四分の一
ロ 材料の使用温度における引張強さの四分の一
ハ 常温における降伏点又は〇・二パーセント耐力の最小値の一・五分の一
ニ 材料の使用温度における降伏点又は〇・二パーセント耐力の一・五分の一(オーステナイト系ス
テンレス鋼鋼材であって、都道府県労働局長の認めた箇所に使用されるものについては、材料の使
用温度における〇・二パーセント耐力の九十パーセントとすることができる。)
二 前号の規定にかかわらず、熱処理等により強度を高めたボルトの許容引張応力は、前号から求めた
値及び次に掲げる値のうち最小のものとする。
イ 常温における引張強さの最小値の五分の一
ロ 常温における降伏点又は〇・二パーセント耐力の最小値の四分の一
2 前項の規定にかかわらず、材料の使用温度が当該材料のクリープ領域にある場合の許容引張応力は、
次の各号に掲げる値のうち最小のものとする。
一 当該温度において千時間に〇・〇一パーセントのクリープを生ずる応力の平均値
二 当該温度において十万時間でラプチャを生ずる応力の平均値の一・五分の一
三 当該温度において十万時間でラプチャを生ずる応力の最小値の一・二五分の一
第四条 鋳造品の許容引張応力は、次の各号に定めるところによる。
一 鋳鉄品の許容引張応力は、次のイ及びロに掲げる鋳鉄品の区分に応じ、それぞれイ及びロに掲げる
値とする。
イ 日本産業規格G五五〇二(球状黒鉛鋳鉄品)のFCD四〇〇及びFCD四五〇並びに日本産業規
格G五七〇五(可鍛鋳鉄品)に定める黒心可鍛鋳鉄品並びにこれらと同等以上の機械的性質を有す
るもの 材料の使用温度における引張強さの六・二五分の一
ロ その他の鋳鉄品 材料の使用温度における引張強さの十分の一
二 鋳鋼品の許容引張応力は、次のイ及びロに掲げる鋳鋼品の区分に応じ、それぞれイ及びロに掲げる
鋳造係数を前条第一項第一号又は第二項の規定から求めた値に乗じて得た値とする。
イ 日本産業規格G五一〇一(炭素鋼鋳鋼品)であって、次の表に掲げる化学成分の含有量が同表の
上欄に掲げる鋳鋼品の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下である鋳鋼品、日本産業規
格G五一〇二(溶接構造用鋳鋼品)、日本産業規格G五一二一(ステンレス鋼鋳鋼品)及び日本産
業規格G五一五一(高温高圧用鋳鋼品)並びにこれらと同等以上の機械的性質を有するもの 〇・八
(都道府県労働局長の定める検査に合格したものにあっては、当該検査の種類及び方法に応じ、
〇・九又は一・〇)(表)
ロ その他の鋳鋼品の鋳造係数 〇・六七
三 非鉄金属鋳造品の許容引張応力は、前条第一項第一号から求めた値に鋳造係数〇・八を乗じて得た
値とする。
(材料の許容圧縮応力)
第五条 材料の許容圧縮応力は、許容引張応力に等しい値とする。
(材料の許容せん断応力)
第六条 材料の許容せん断応力は、許容引張応力の八十パーセントの値とする。