安全衛生情報センター
1.目的 改正特定化学物質障害予防規則第38条の21第7項に基づき、呼吸用保護具が適切に装着されている ことを厚生労働大臣の定める方法(大臣告示)により確認すること(以下、「フィットテスト」という。) が定められた。 フィットテストは、フィットファクタ(呼吸用保護具の面体と労働者の顔面との密着の程度を示す 係数)の精度等を確保するため、十分な知識及び経験を有する者が実施すべきとされており、フィッ トテストを実施する者(以下「フィットテスト実施者」という。)に対して十分な知識及び技能を付与 することが求められる。 このため、フィットテスト実施者に対する教育カリキュラム、具体的実施方法等を示すことにより、 十分な知識及び技能を有するフィットテスト実施者の養成を促進し、もってフィットテストの適切な 実施に資することとする。 2.教育の対象者 本教育(以下「基本教育」という。)の対象者は、次のとおりとする。 ・事業場内のフィットテスト実施者 ・事業者の委託を受けてフィットテストを実施する外部機関等のフィットテスト実施者 なお、教育内容を理解する上で、教育の対象者については特定化学物質作業主任者、保護具着用管 理責任者、作業環境測定士、産業保健スタッフ等の労働衛生に関する知識及び経験を有する者が望ま しい。 3.教育の実施者 基本教育の実施者は、上記2の対象者を使用する事業者、安全衛生団体等があること。 4.実施方法 基本教育の実施方法は、以下によること。 (1) 別表「フィットテスト実施者に対する基本教育カリキュラム」に掲げるそれぞれの科目に応じ、範 囲の欄に掲げる事項について、学科教育又は実技教育により、時間の欄に掲げる時間数以上を行うも のとすること。 なお、 ① 学科教育は、集合形式のほか、オンライン形式でも差し支えないこと。 ② 学科教育と実技教育を分割して行うこととしても差し支えないこと。この場合、以下のア及び イのいずれも満たすこと。 ア 実技教育は、学科教育の全ての科目を修了した者を対象とすること。 イ 学科教育を修了した者と実技教育を受講する者が同一者であることが確認できること。 (2) 講師は、フィットテストの指導経験がある者等、フィットテストに関し、別表のカリキュラムの科 目について十分な知識と経験を有する者を、科目ごとに1名ないし複数名充てること。 (3) 教材は、日本産業規格T8150(呼吸用保護具の選択、使用及び保守管理方法)を含む等、フィットテ ストに関し、別表のカリキュラムの科目について内容を十分満足したものを使用すること。 5.実施結果の保存等 (1) 事業者が基本教育を実施した場合は、受講者、科目等の記録を作成し、保存すること。 (2) 安全衛生団体等が基本教育を実施した場合は、全ての科目を修了した者に対して修了を証する書面 を交付する等の方法により、当該教育を修了したことを証明するとともに、基本教育の修了者名簿を 作成し、保存すること。 6.実践的な教育・訓練等の実施 フィットテストに用いる呼吸用保護具等や機器等に習熟する観点及び円滑なフィットテスト実施運営 の観点から、基本教育を修了した者は、呼吸用保護具メーカーや測定機器メーカーが実施する研修や、 これらメーカーの協力を得て行う教育・訓練等、実践的な教育・訓練等を受けることが望ましいこと。 なお、実践的な教育・訓練等には、フィットテストに用いる呼吸用保護具や機器等の調達方法、フィ ットテスト対象者の把握方法等も含まれること。