安全衛生情報センター
平成30年における労働災害発生状況をみると、林業の死亡災害については、立木等が起因物である災害 が約6割を占めており、また、同じく林業の休業4日以上の死傷災害については、立木等が起因物である災 害が約4割、チェーンソーが起因物である災害が約1割を占めているなど、チェーンソーを用いて行う伐木 又は造材の作業(以下「伐木等作業」という。)において、依然として労働災害が発生しています。 また、伐木等作業については、一般的に、作業現場が山間部等の広範な区域にわたっていること、労働 者が単独で作業を行う場合が多いこと等のため、事業者による安全管理を効果的に実施することが難しい 面があります。 このため、従来より、「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」(平成27年12月7 日付け基発1207第3号。以下「ガイドライン」という。)に基づき、伐木等作業の安全を推進しています。 厚生労働省では、先般、「伐木等作業における安全対策のあり方に関する検討会報告書」(平成30年3月 6日公表。以下「報告書」という。)を踏まえ、伐木、かかり木の処理及び造材の作業における労働災害並 びに車両系木材伐出機械を用いた作業による労働災害等を防止するため、事業者が講ずべき措置等につい て、労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成31年厚生労働省令第11号。以下「改正省令」という。) により労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)を改正したところです。 今般、この改正の内容を踏まえ、伐木等作業における安全水準の向上を推進するため、ガイドラインを 下記の方針に基づき別添のとおり改正しました。 ついては、関係事業者等にその普及・定着を図り、伐木等作業における労働災害防止対策の一層の推進 を図られますようよろしくお願いします。
1 改正省令による改正箇所に関係する記載について、安衛則に基づく安全対策であることをより明確に 示すこと。 2 「伐木等作業における安全対策のあり方に関する検討会報告書」中で示された伐木等作業における安 全対策の提言を踏まえ、当該作業における労働災害の防止のための作業計画の作成等の項目を追加する こと。 3 伐木等作業の実態等を踏まえ、当該作業における労働災害防止対策その他関連する記載をより適切な 表現に改めること。 4 「かかり木の処理の作業における労働災害防止のためのガイドライン」に係る記載をガイドラインに 明確に示すことにより、伐木等作業の安全を一体的に図ること。別添(PDF:786KB)