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別添1
     医療機関におけるグルタルアルデヒドによる労働者の健康障害防止対策

1 趣旨
  医療機関において内視鏡等の医療器具等の殺菌消毒剤として広く使用されているグルタルアルデヒドは、
 皮膚、気道等に対する刺激性等を有する物質であり、実際に医療機関でこれを取り扱う労働者に皮膚炎等
 の健康障害が発生する事例がみられる。
  このため、医療機関においてグルタルアルデヒドを使用して医療器具等の消毒作業を行う場合に講ずべ
 き措置を示すことにより、グルタルアルデヒドによる労働者の健康障害の防止を図るものとする。

2 事業者が講ずべき措置
  事業者は、グルタルアルデヒドによる労働者の健康障害を防止するため、グルタルアルデヒドを含有す
 る殺菌消毒剤の添付文書に記載された使用上の注意を遵守するほか、以下の措置を講ずるよう努めること。
 (1)作業環境管理及び作業管理
  ア 濃度の測定
    グルタルアルデヒドを使用して消毒作業が行われる屋内作業場においては、別紙に示すところによ
   り、空気中のグルタルアルデヒドの濃度を測定すること。
    なお、設備の新設・更新、作業方法の変更等があった場合には、必要に応じて濃度の測定を行うこ
   と。
  イ 測定結果に基づく措置
    アの測定の結果、空気中のグルタルアルデヒドの濃度が0.05ppmを超える場合には、有効な呼吸用
   保護具、保護眼鏡等を使用させることにより労働者のばく露防止を図るとともに、0.05ppmを超えな
   いようにするため、次に掲げるいずれかの措置のうち、当該作業場において有効な措置を講じること。
    また、措置を講じたときは、その効果を確認するため、再度測定し、その結果の評価を行うこと。
    なお、(ウ)又は(エ)により換気のための装置を設置する場合には、効果的に換気のできる位置に設
   置すること。
   (ア)グルタルアルデヒドと同等以上の効果があり、有害性の少ない他の殺菌消毒剤への変更
   (イ)密閉型の自動洗浄機の導入
   (ウ)局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の設置による換気
   (エ)全体換気装置(換気扇を含む。)の設置又は窓の開放による全体換気
   (オ)グルタルアルデヒドへの労働者のばく露を低減させる作業方法への変更
  ウ グルタルアルデヒドに直接接触するおそれの高い作業において留意すべき事項
    労働者をグルタルアルデヒドに直接接触するおそれの高い作業(自動洗浄機を用いずに行う消毒作
   業、自動洗浄機の消毒剤の交換作業等)に従事させるときは、アにより測定した空気中のグルタルア
   ルデヒドの濃度が0.05ppmを超えない場合であっても、有効な呼吸用保護具、保護眼鏡、不浸透性の
   保護衣、保護手袋等を使用させることにより労働者のばく露防止を図ること。
    また、自動洗浄機を用いずに行う消毒作業においては、ふた付き容器を用い、医療器具等を浸漬し
   ている間はふたをすること。
    さらに、自動洗浄機を用いずに行う消毒作業において消毒剤を洗い流すときに熱湯を使用したり、
   自動洗浄機を用いて行う消毒作業において消毒剤の加温時に内視鏡をセットしたりするなど高濃度の
   グルタルアルデヒドにばく露するおそれのある方法は採らないこと。
 (2)健康管理
  労働者をグルタルアルデヒドを取り扱う業務に従事させる場合には、労働安全衛生規則(昭和47年労働
 省令第32号)第43条に基づく雇入時の健康診断において、問診により皮膚疾患、呼吸器疾患、アレルギー
 症状等についての既往歴を調査するとともに、必要に応じてアレルギー反応に関する他覚的検査や臨床検
 査を行い、その結果を踏まえ、アレルギー症状を発症する可能性のある者や既に気管支喘息を発症してい
 る者に対しては、その作業方法等に十分配慮すること。異動等により労働者を新たにグルタルアルデヒド
 を取り扱う業務に従事させる場合も、上記の既往歴の調査等を行うこと。
  また、グルタルアルデヒドを取り扱う労働者に皮膚、呼吸器等への異常が見られた場合には、産業医等
 の意見に基づき、設備の改善、作業方法の改善、就業場所の変更等の必要な措置を講じること。
 (3)労働衛生教育
  グルタルアルデヒドを取り扱う業務に従事する労働者に対して行う労働安全衛生規則第35条に基づく雇
 入れ時等の教育は、次の事項について行うこと。
  ア グルタルアルデヒドの物理化学的性質
  イ グルタルアルデヒドの有害性並びにばく露することによって生じる症状及び障害
  ウ グルタルアルデヒドの取扱い上の注意及び応急措置
  エ 保護具の使用方法
  オ その他健康障害を防止するために必要な事項