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別添1
基発第440号
平成13年5月11日

建設業労働災害防止協会会長
社団法人日本建設業団体連合会会長
社団法人日本土木工業協会会長
社団法人全国建設業協会会長
社団法人建築業協会会長
社団法人全国中小建設業協会会長 殿
厚生労働省労働基準局長


建設業附属寄宿舎における火災による災害防止等に関する緊急点検の実施について(要請)

 労働基準行政の運営につきましては、平素から御理解、御協力を頂き厚くお礼申し上げます。
 さて、平成13年5月5日、千葉県四街道市所在の建設業者の寄宿舎において火災が発生し、11名が死亡するという重篤な災害が発生し(別紙参照)、現在、災害に係る調査を進めているところですが、これまでのところ、労働基準法に定められた届出が行われていないなどの問題が認められているところです。
 厚生労働省では、平成6年に建設業附属寄宿舎規程の改正を行うとともに、「望ましい建設業附属寄宿舎に関するガイドライン」を公表し、建設業附属寄宿舎における住環境の整備及び安全の確保の徹底を図ってきたところですが、その後も建設業附属寄宿舎の火災による死傷が繰り返し発生していることは、誠に遺憾に堪えないとこであります。
 このため、貴会におかれましては、同種災害の再発防止のため、会員事業場に対し下記により自主点検を実施し、問題のある事項については必要な対策を講じるよう徹底されたく要請致します。



1 自主点検の実施
(1) 会員事業場に対し、下記(2)の事項を重点とした自主点検を実施すること。
なお、今回の災害にかんがみると、特に小規模事業場における対策の徹底が重要と考えられることから、会員事業場の関係請負事業者等についても同様に自主点検の対象とすること。
(2) 自主点検の重点事項は、次の事項であること。
[1] 建設業附属寄宿舎について、設置・移転・変更に際し所轄労働基準監督署に事前に計画の届出を行うこと。(労働基準法第96条の2、建設業附属寄宿舎規程第5条の2)。
[2] 寄宿舎規則を作成し、所轄労働基準監督署に届出を行うこと(労働基準法第95条第1項、建設業附属寄宿舎規程第2条)。
[3] 常時15人未満の者が2階以上の寝室に居住する建物にあっては、1以上、常時15人以上の者が2階以上の寝室に居住する建物にあっては2以上の避難階段を設けること(建設業附属寄宿舎規程第8条第1項)。
[4] 避難設備又は避難器具は、各階に適切に設置され、かつ、容易に屋外の安全な場所に通じるものとすること(同第8条第3項)。
[5] 避難階段又は避難器具及びこれらに通じる通路については、避難用である旨の表示をするとともに、常時容易に避難することができるようにしておくこと(同第9条)。
[6] 避難を要する場合を考慮して適当に配置された2以上の出入口を原則として設けること(同第10条第1項)。
[7] 出入口の戸については、外開又は引き戸とし、いつでも容易に外部に避難することができるようにしておくこと(同第10条第2項)。
[8] 非常ベル、サイレン等の警報設備を設けること(同第11条第1項)。
[9] 消火器等の消火設備を設け、有功に消火できるようにしておくこと(同第12条)。
[10] 警報設備及び消火設備の設置場所及び使用方法を寄宿する労働者に周知すること(同第11条第3項及び第12条第2項)。
[11] 寄宿する労働者等に対し、6か月以内ごとに1回、避難及び消火の訓練を行うこと(同第12条の2)。
[12] 寝室の各室の居住人員は、それぞれ6人以下とすること(同第16条第1項)。
[13] 寝室の床面積は、それぞれ、押入れ又はこれに代わる設備の面積を除き、1人について3.2平方メートル以上とすること(同第16条第1項)。
[14] 寄宿舎管理者を指名し、建設業附属寄宿舎規程の事項について1か月以内ごとに1回寄宿舎を巡視させ、その結果、修繕、改善すべき箇所を認めたときは、速やかに使用者に連絡させること(同第3条及び3条の2)。

2 会員事業場に対する指導
自主点検結果について回収するとともに、その結果から、建設業附属寄宿舎に関して問題のある事項が認められた場合には、改善に向けた対策を講じること。

建設業附属寄宿舎点検チェックリスト