安全衛生情報センター
圧力容器構造規格の一部を改正する件(平成28年厚生労働省告示第291号)については、平成28年7月21日 に告示され、同年10月1日から適用されることになった。 今回の改正は、圧力容器の保全管理技術の向上、材料の信頼性の向上等を踏まえ、圧力容器の圧力を受 ける板の最小厚さから腐れ代(供用期間中に予想される腐食及び摩耗に対する板厚の余裕)を除くとともに、 最新の日本工業規格と整合性を図るため、圧力容器構造規格(平成15年厚生労働省告示第196号。以下「構 造規格」という。)について所要の改正を行ったものである。 ついては、本改正に伴い、平成15年4月30日付け基発第043004号「ボイラー構造規格及び圧力容器構造 規格の全部改正について」を別添新旧対照表のとおり改正するので、今回の改正の趣旨を十分に理解し、 関係者への周知徹底を図るとともに、下記事項に留意の上、その運用に遺漏のないようにされたい。
1 改正の趣旨及び概要 (1) 「腐れ代」の削除 ア 構造規格第11条の規定を削除するとともに、第10条第2号に定められている高合金鋼鋼板及び非 鉄金属板の厚さを、1.5ミリメートル以上に統一したこと。 イ 構造規格第12条、第13条、第22条及び第26条に定められている圧力容器の円筒胴等の板の最小 厚さから、腐れ代を削除したこと。 なお、構造規格は最低基準であることから、実際の設計においては、経年劣化があった場合でも 製品の設計寿命期間中に板の厚さが改正後の最小厚さを下回ることがないように、設計者は、材料 の耐腐食性等を踏まえ、必要に応じ、最小厚さに設計上の余裕の厚さを加えるべきものであること。 (2) 最新のJIS規格に整合するための改正 ア 圧力容器ののぞき窓の規格を定める第32条第2項で引用している「JIS R3206(強化ガラス)」を 新たに制定された専用規格である「JIS B8286(圧力容器用のぞき窓)」に改めることに伴い、JIS B8286の規定と重複している第3項のガラス板の最小厚さの算式を削除したこと。 イ 圧力容器のフランジの規格を定める第36条において、「JIS B2241(アルミニウム合金製管フラ ンジ)」を新たに引用したこと。 ウ 引用しているJIS 規格を最新の名称に変更する等所要の改正を行ったこと。 2 経過措置 (1) 本告示の適用日において、現に製造している圧力容器又は現に存する圧力容器の規格については、 なお従前の例によること。 (2) (1)の措置は、(1)に規定する圧力容器又はその部分が改正後の構造規格に適合するに至った後に おける当該圧力容器又はその部分については、適用しないこと。別添(PDF:610KB)