安全衛生情報センター
石綿含有成形板等の除去作業における労働者の石綿ばく露防止については、石綿障害予防規則(平成17 年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)及び建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にば く露するおそれがある建築物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針(平成26 年3月31日技術上の指針公示第21号)に基づく措置の実施徹底を図っているところである。 今般、厚生労働省が環境省と合同で実施した東日本大震災被災地における建築物の解体現場での石綿気 中濃度調査において、石綿含有成形板の除去を行う作業場から比較的高濃度の石綿が検出されたところで ある。本事案は、建築物から取り外した石綿含有成形板(内装材、ケイ酸カルシウム板第1種)を手作業で 約30センチメートル角に破砕する作業を行っていたものであるが、湿潤化が十分でなく、破砕時に板の破 断面から石綿等の粉じんが発散したこと及び床面に堆積していた粉じんが再飛散したことが考えられる。 ついては、同種事例の再発を防止するため、下記の事項に留意の上、石綿則等に基づく措置の適切な実 施について指導されたい。 なお、別添1のとおり関係団体あて要請を行ったので了知されたい。 また、別添2のとおり、環境省から都道府県等の廃棄物担当部局及び大気環境担当部局あて関連の通知 がされているので申し添える。
1 石綿含有成形板の除去に当たっては、原則として手ばらしで、破砕又は切断等を伴わない方法で行う こととし、建物から取り外した廃材を原形のまま保管・運搬できるよう十分な大きさのフレキシブルコ ンテナバッグや車両を用意すること。 2 石綿含有成形板が大きい等によりやむを得ず破砕等が必要な場合は、石綿等の粉じんを発散させない よう十分な湿潤化を行うとともに、作業場所の外部に飛散させないための措置を講じること。なお、板 表面への事前の散水だけでは、破砕等に伴う破断面からの発じん対策として十分でないので、破断面へ の散水等の措置を講じながら作業を行うこと。 3 破砕等に伴い発生した石綿等の粉じんが床面に堆積し、再飛散するおそれがあるので、状況に応じて 飛散防止の措置を講じながら作業を行うこと。