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クレーン構造規格
  第五章   ワイヤロープ等(第五十四条−第五十五条)

クレーン構造規格 目次

(ワイヤロープ)
第五十四条  ワイヤロープ(ジャッキ式つり上げ装置に用いられるワイヤロープを除く。以下この条にお
 いて同じ。)は、次に定めるところによるものでなければならない。
  一  安全率は、次の表の上欄に掲げるワイヤロープの種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる値以
    上であること。(表)
  二  次のイからニまでに該当すること。
    イ  一よりの間において、素線(フィラ線を除く。以下この号において同じ。)の数の十パーセント
      以上の素線が切断していないこと。
    ロ  直径の減少が、公称径の七パーセント以下であること。
    ハ  キンクしていないこと。
    ニ  著しく形崩れ又は腐食がないこと。
  三  巻上げ用ワイヤロープにあっては、つり具の位置が最も低くなる場合において、つり上げ装置のド
    ラムに二巻き以上残る長さであること。
  四  ジブの起伏用のワイヤロープにあっては、ジブの位置が最も低くなる場合において、起伏装置のド
    ラムに二巻き以上残る長さであること。
  五  著しく高熱となる場所において使用されるクレーンのワイヤロープ(つり具に遮熱板を取り付ける
    等の方法により、温度が百五十度以下に保持されるワイヤロープを除く。)にあっては、ワイヤロー
    プ心入りであること。
2  前項第一号の安全率は、ワイヤロープの切断荷重の値を当該ワイヤロープにかかる荷重の最大の値で
  除して得た値とする。この場合において、巻上げ用ワイヤロープ及びジブの起伏用ワイヤロープについ
  ては、これらのワイヤロープ(揚程が五十メートル以下であるクレーンに使用されるワイヤロープを除
  く。)の質量及びこれらのワイヤロープが通るシーブの効率を含めて計算するものとする。

(つりチェーン)
第五十五条  つりチェーンは、次に定めるところによるものでなければならない。
  一  安全率は、五以上であること。ただし、第四十九条のつりチェーンにあっては、十以上であること。
  二  リンクチェーンにあっては、次のイからハまでに該当すること。
    イ  伸びが、当該リンクチェーンが製造された時の長さの五パーセント以下であること。
    ロ  リンクの断面の直径の減少が、当該リンクチェーンが製造された時の当該リンクの断面の直径の
      十パーセント以下であること。
    ハ  き裂がないこと。
  三  ローラチェーンにあっては、次のイからハまでに該当すること。
    イ  伸びが、当該ローラチェーンが製造された時の長さの二パーセント以下であること。
    ロ  リンクプレートの断面積の減少が、当該ローラチェーンが製造された時の当該リンクプレートの
      断面積の十パーセント以下であること。
    ハ  き裂がないこと。
2  前項第一号の安全率は、つりチェーンの切断荷重の値を当該つりチェーンにかかる荷重の最大の値で
  除して得た値とする。

(ジャッキ式つり上げ装置に用いられるワイヤロープ等)
第五十五条の二 ジャッキ式つり上げ装置に用いられるワイヤロープ等の安全率は、次の各号に掲げるワ
 イヤロープ等の種類に応じて、それぞれ当該各号に定める値以上でなければならない。ただし、厚生労働
 省労働基準局長が認めた場合には、この限りでない。
 一 ワイヤロープ 三・五五
 二 つり鋼帯及びつり鋼棒 二・五
 三 PC鋼より線 二・五
2 前項の安全率は、ワイヤロープ等の切断荷重の値を当該ワイヤロープ等にかかる荷重の最大の値で除し
 て得た値とする。この場合において、ワイヤロープ等については、これらのワイヤロープ等(揚程が五十
 メートル以下であるクレーンに使用されるワイヤロープ等を除く。)の質量を含めて計算するものとする。