クレーン構造規格
第三章 附属部分(第三十九条−第四十九条) |
クレーン構造規格
目次
第一節 緩衝装置等
(緩衝装置等)
第三十九条 天井クレーン、ジブクレーンのうちつち形クレーン若しくは壁クレーン、橋形クレーン又は
アンローダは、当該クレーンのトロリの横行方向の両端部に緩衝装置若しくは緩衝材を、又は当該クレ
ーンの横行レールの両端部若しくはこれに準ずる箇所に、緩衝装置、緩衝材若しくは当該クレーンのト
ロリの車輪の直径の四分の一以上の高さの車輪止めを備えるものでなければならない。
2 走行クレーンは、クレーンの走行方向の両端部に緩衝装置若しくは緩衝材を、又は当該走行クレーン
の走行レールの両端部若しくはこれに準ずる箇所に、緩衝装置、緩衝材若しくは当該走行クレーンの走
行車輪の直径の二分の一以上の高さの車輪止めを備えるものでなければならない。
(並置クレーンの緩衝装置等)
第四十条 同一のランウェイに並置されている走行クレーン(床上で運転し、かつ、当該運転をする者が
クレーンの走行とともに移動する方式のクレーン及び人力で走行するクレーンを除く。)は、それぞれ
のクレーンの相対する側に、緩衝装置又は緩衝材を備えるものでなければならない。
第二節 逸走防止装置等
(逸走防止装置)
第四十一条 屋外に設置される走行クレーンの逸走防止装置は、次の式により計算して得た値の風荷重に
耐える性能を有するものでなければならない。
この式において、W、h、C及びAは、それぞれ次の値を表すものとする。
W 風荷重(単位 ニュートン)
h クレーンの風を受ける面の地上からの高さ(単位 メートル)(高さが十六メートル未満の場合
には、十六)
C 第九条第三項に規定する風力係数
A 第九条第四項に規定する受圧面積(単位 平方メートル)
2 前項の風荷重は、走行クレーンの逸走に関し最も不利となる状態で計算するものとする。
(走行用原動機)
第四十二条 屋外に設置される走行クレーンは、逸走を防止するための措置を講ずることができる箇所ま
で、毎秒十六メートルの風が吹いた場合においても走行させることができる出力を有する原動機を備え
るものでなければならない。
第三節 歩道等
(歩道)
第四十三条 天井クレーン、橋形クレーン又はアンローダであって、つり上げ荷重が三トン以上のものの
クレーンガーダ及びつり上げ荷重が三トン以上のジブクレーンの水平ジブは、幅が四十センチメートル
以上の歩道を全長にわたって備えるものでなければならない。ただし、点検台その他当該クレーンを点
検するための設備が設けられている場合には、この限りでない。
2 前項の歩道は、次に定めるところによるものでなければならない。
一 クレーンガーダ若しくは水平ジブの上に設けられたトロリその他の装置の横行又は水平ジブの旋回
に支障となる部分以外の歩道の部分に、歩道面からの高さが九十センチメートル以上の丈夫な手すり
で中さん付きのもの及び歩道面からの高さが三センチメートル以上のつま先板を備えること。
二 歩道面は、つまずき、滑り、踏抜き等の危険がないものであること。
(はしご道)
第四十四条 つり上げ荷重が三トン以上のジブクレーンのジブ(水平ジブを除く。)は、はしご道を備え
るものでなければならない。ただし、点検台その他当該ジブクレーンを点検するための設備が設けられ
ている場合又は当該ジブクレーンを地上で容易に点検することができる場合には、この限りでない。
(はしご道)
第四十五条 前条のはしご道その他のクレーンに備えられるはしご道は、次に定めるところによるもので
なければならない。
一 踏さんは、二十五センチメートル以上三十五センチメートル以下の間隔で、かつ、等間隔に設けら
れていること。
二 踏さんとジブその他の直近の物との間の水平距離は、十五センチメートル以上であること。
三 側木を有しない部分にあっては、踏さんは、足が横に滑り出ないようになっていること。
四 上方の歩道、点検台等の箇所に通ずる部分には、当該箇所の床面からの高さが七十五センチメート
ル以上であり、かつ、先端が当該床面の側に曲がっている側木を備えること。
五 長さが十五メートルを超えるものにあっては、十メートル以内ごとに踏棚を備えること。
(階段)
第四十六条 クレーンに設けられる階段は、次に定めるところによるものでなければならない。
一 こう配は、水平面に対して七十五度以下であること。
二 けあげの寸法は、三十センチメートル以下で、かつ、各踏面の間において同一であること。
三 踏面の寸法は、十センチメートル以上で、かつ、各踏面において同一であること。
四 高さが十メートルを超えるものにあっては、七・五メートル以内ごとに踊場を設けること。
五 手すりを設けること。
第四節 運転室及び運転台
(運転室及び運転台)
第四十七条 次に掲げるクレーンは、運転室を備えるものでなければならない。ただし,第三号に掲げる
クレーンのうち都道府県労働局長が運転室を備えることが困難であると認めたクレーンについては、この
限りでない。
一 粉じんを著しく発散する場所に設けられるクレーン
二 著しく低温となるおそれがある場所に設けられるクレーン
三 屋外に設けられるクレーン(前二号に掲げるクレーンを除く。)
2 前項の規定により運転室を備えることとされたクレーン以外のクレーンは、運転台を備えるものでな
ければならない。
3 前二項の規定は、床上で運転する方式のクレーンについては、適用しない。
(運転室及び運転台)
第四十八条 クレーンに備えられる運転室又は運転台は、次に定めるところによるものでなければならな
い。ただし、第一号の規定は、運転者と玉掛けをする者との間の連絡を確実に保持するための装置が備
えられているクレーンについては、適用しない。
一 運転者が安全な運転を行うことができる視野を確保することができる構造とすること。
二 運転者が容易に操作することができる位置に開閉器、コントローラー、ブレーキ、警報装置等の操
作部分を備えていること。
三 運転者が接触することにより感電の危険を生ずるおそれがある充電部分に、感電を防止するための
囲い又は絶縁覆いを備えていること。
四 前条第一項第一号に掲げるクレーンの運転室にあっては、粉じんの浸入を防止することができる構
造とすること。
五 物体の落下等により運転者に危険を生ずるおそれがある場所に設けられるクレーンの運転台にあっ
ては、防網その他物体の落下等による運転者の危険を防止するための設備を備えていること。
(運転室等の巻上げ用ワイヤロープ等)
第四十九条 運転室又は運転台が、巻上げ用ワイヤロープ又はつりチェーンによりつられており、かつ、
荷の昇降とともに昇降する方式のクレーンは、当該運転室又は運転台を二以上の巻上げ用ワイヤロープ
又はつりチェーンでつる構造のものとしなければならない。
2 前項のクレーンは、運転室又は運転台をつっている巻上げ用ワイヤロープ又はつりチェーンが切れた
場合に、当該運転室又は運転台の降下を自動的に制動する装置を備えるものでなければならない。ただ
し、運転室又は運転台の揚程が二・五メートル以下のクレーンにあっては、この限りでない。