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事例8 日本綜合地所株式会社 |
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1 事業場の概要 |
(1)業種:不動産業 |
事業の内容:自社分譲マンションの企画・販売、ビル事業、他社マンションの販売代理、ローン事務取扱 |
(2)所在地:東京都 |
(3)従業員数:279人(男性:206人 女性:73人) |
(4)従業員の平均年齢:31.8歳 |
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2 禁煙の概要 |
(1)喫煙対策の担当部署:総務部 |
(2)喫煙対策に取り組み始めた時期:平成12年 6月 〜 |
(3)禁煙を実施した時期:平成18年 7月 〜 |
(4)従業員の喫煙率:平成18年12月 0%(男性0% 女性0%)
平成18年7月 37.7%(男性46.1% 女性12.3%)(対策当初) |
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(5)昼休み等休憩時の喫煙:許可していない |
(6)禁煙の状況:全社(全販売センターは分煙) |
(7)建物の構造:事務所(10階建て)(写真8−1、2) |
(8)建物の所有者:自社ビル |
(9)禁煙の内容:建物内禁煙、屋外に喫煙スペースあり(来客者のみ喫煙可) |
・場所:エントランス横1階駐車場入り口、灰皿のみ設置(写真8−3) |
※平成18年12月11日に本社移転し、移転後は敷地内全面禁煙 |
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3 禁煙の詳細 |
(1)禁煙にする前の状況(写真8−4、5) |
分煙対策として、喫煙コーナーを設置(各フロアに分煙機と換気扇を設置し、分煙を実施(平成12年6月〜平成18年4月)、その後、分煙対策機器を13台から7台に減らし、2フロアを禁煙とした(平成17年4月) |
分煙対策設備撤去(屋外指定個所に灰皿設置 平成18年4月〜) |
(写真8−6) |
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(2)禁煙にした動機及び経緯 |
ア 社員の健康への配慮 |
平成12年6月から分煙対策として、喫煙室内に分煙機器(空気清浄機)を導入した。 |
イ 健康増進法の施行 |
平成15年に健康増進法の施行があり、事業場の衛生委員会等で喫煙者、非喫煙者の意見を聞きながら、禁煙キャンペーンを行った。 |
ウ 海外研修の成果 |
社員は、年に1週間の海外研修に行き、海外の喫煙状況を知り、徐々に喫煙者は減少してきた。海外研修は、海外の住宅事情や集合住宅の企画等を学ぶことを目的としたもので“禁煙”とは直接関係はないが、研修先の欧米諸国における近年事情の厳しい現実を目の当たりにし、“禁煙”が世界的な流れであることを実感するなど全社員の共通認識として、禁煙の現状および禁煙の必然性に対する理解が促されたと考えられる。 |
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(3)禁煙に取り組んだ内容 |
ア 分煙機器の費用負担 |
分煙機器(空気清浄機)は会社の費用で導入したが、フィルター交換等のメンテナンス料金は、喫煙者全員で年2回負担することにした。この制度は、喫煙者が減ると、喫煙している人は、負担すべきメンテナンス料金が増加するシステムになっているため、禁煙を行う充分な動機となった。 |
イ 禁煙のきっかけづくり |
喫煙者に対するメンテナンス料金の徴収など非喫煙者との区別を明確にし、無意識な喫煙をさせない環境づくりをはじめ、禁煙意思の有無を(年2回でも)定期的に確認することで禁煙のきっかけづくりを行った。 |
ウ ホームページの活用 |
ホームページのなかで禁煙の取組みについて掲載した。 |
エ 禁煙促進キャンペーン実施(禁煙宣言者に対し10万円支給)。 |
喫煙者を年2回把握し禁煙の働きかけを実施。禁煙を宣言した者には、全社員が参加して行う朝礼時に、社長から10万円祝金支給するとし、非喫煙者に対しては、喫煙者が全員禁煙宣言をした時点で、禁煙協力金として10万円支給すると発表した。 |
喫煙者には、禁煙を決意、宣言を促進する効果が加速度的に広がり、平成 18年7月の全社員参加朝礼時に喫煙者全員が禁煙宣言する結果となり、喫煙者、非喫煙者の社員全員に10万円が支給された。 |
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(4)社内で苦労した点 |
喫煙者の理解を得るため時間をかけ、段階的に取組を行った。 |
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(5)労働者の評価 |
ア 喫煙者の評価 |
禁煙実施当初は不満の声もあったが、今はその声もなく家族からも喜ばれている。喫煙者が連帯して禁煙をする環境になったこともあり、禁煙を決意するきっかけとなった。 |
イ 非喫煙者の評価 |
たばこの煙や臭い、吸殻の問題が解消され、職場環境が向上した。 |
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4 その他 |
(1)事業との関係 |
・社員やお客様には時間をかけて理解を得た。 |
・本社社屋においては、建物内禁煙の旨をお伝えして喫煙をお断りしているが揉め事となったことはない。 |
・今現在販売センターは分煙で、各販売センターに(お客様専用の)“喫煙ルーム”を設置しており、喫煙をご希望されるお客様には上記“喫煙ルーム”をご案内している(写真8−7)。 |
・販売センター、モデルルームではお客様に対して禁煙について、具体的な表示等は特に行っていない。 |
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(2)問題点、今後の課題、今後のサポートの予定 |
喫煙者は、全員朝礼で禁煙宣言をして祝い金を支給されたことにより、周りの眼があり吸いづらい環境にあることと、吸う場所がないため、現在も喫煙者はいない。 |
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写真8−1
受付前のロビー
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写真8−2
受付横 |
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写真8−3
エントランスの灰皿 |
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写真8−4
以前の喫煙室 |
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写真8−5
以前の喫煙室 |
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写真8−6
撤去された分煙機器 |
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写真8−7
販売センターの喫煙ルーム |
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※写真はすべて旧本社ビルのもの |
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