(1) |
早期再就職促進のための支援策の強化
イ |
ミスマッチの解消に向けた失業者の早期再就職の促進への取組み
公共職業安定所において、ミスマッチの解消に向けた失業者の早期再就職の促進への取組を一層強力に推進することにより、公共職業安定所の求職者の就職率(公共職業安定所の紹介により就職した者の新規求職者に対する比率)を30%程度に引き上げることを目指す。
とりわけ、雇用保険受給者の早期再就職の促進に努め、受給資格者のうち早期に就職した者の比率(早期再就職支援金の支給対象者として早期に再就職した者の受給資格決定件数に対する比率)を12%程度に引き上げることを目指す。
(イ) |
公共職業安定所の職業相談・紹介業務等の強化
求職者の属性やニーズに応じ、労働市場の状況を踏まえつつ、きめ細かな職業相談・紹介の実施に努め、マッチングの促進に努める。 |
(ロ) |
労働市場の的確な分析及び情報の提供
それぞれの労働市場における職種、能力、経験等のミスマッチの状況を的確に分析し、円滑なマッチングにつなげるよう求人アシスタントを活用するなど地域の実情にあった効果的な情報提供を徹底する。 |
(ハ) |
効果的な求人開拓の実施
求職者のニーズに比べて相対的に不足している職種に重点を置いた求人開拓や個別の求職者の希望に応じた個別求人開拓を効果的・効率的に実施するとともに、開拓した求人のフォローアップを徹底する。 |
(ニ) |
早期再就職に向けた個別支援の強化
就職支援ナビゲーターを増置し、早期再就職の緊要度が高い求職者に対して、体系的かつ計画的なきめ細かな就職支援を行う再就職支援プログラムを実施する。このプログラムに関し、開始件数7万件、就職率7割程度を確保することを目指す。
また、再就職プランナーを配置し、就職意欲が高い求職者に対して、再就職に向けた求職活動計画(就職実現プラン)を作成し、個別総合的な相談援助を実施する。就職実現プランの作成件数について5万件以上を目指す。 |
(ホ) |
雇用保険受給者に対する就職支援セミナーの実施
公共職業安定所等において、雇用保険受給者に必要な知識を付与し、早期再就職を図るための就職支援セミナーを開催する。その受講者を110万人以上とすることを目指す。 |
|
ロ |
求人年齢制限緩和の推進
公共職業安定所における年齢不問求人の割合を平成17年度に全求人の30%に引き上げることを目標として、平成16年度には、年齢不問求人の割合が平成15年度を上回ることを目指す。 |
ハ |
未充足求人へのフォローアップの徹底等求人者サービスの充実を通じた就職促進
すべての受理後3週間を経過しても未充足求人となっている求人を出している事業主に対し、何らかの接触を行うとともに、さらに必要性に応じ、求職者情報の提供、求人条件の緩和指導、事業所見学会等の積極的関与を行う。 |
ニ |
雇用関係情報の積極的提供
官民連携した雇用情報システムである「しごと情報ネット」については、情報提供機能の拡充(障害者求職情報の提供、職業能力開発関係情報の提供機能の充実(リンクの設定))等により、利用者サービスの向上を図るとともに、民間の労働力需給調整機関や地方公共団体等に対し積極的に参加及び求人情報の提供の働きかけを行う。
また、引き続き、ハローワークインターネットサービスによる求人情報の提供を的確に実施していくこととする。 |
ホ |
改正職業安定法・労働者派遣法の円滑な施行
平成15年改正した職業安定法及び労働者派遣法の円滑な施行を図る。その際、物の製造業務への労働者派遣と製造請負の区分の明確化、労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間に係る意見聴取の適切かつ確実な実施、派遣労働者の雇用の安定等について周知を図るとともに、労働基準行政との連携を図りつつ的確かつ厳正な指導監督を実施する。 |
ヘ |
円滑な労働移動の効果的な支援
現下の厳しい雇用失業情勢により的確に対応していく観点から、雇用調整を予定している企業の動向の把握に努め、大量雇用変動届、再就職援助計画作成が適切に行われるよう指導する。その際、平成16年度から、労働移動支援助成金について、職業相談室の設置、職業相談員の配置等による早期再就職援助に取り組む企業への支援の拡充等を行うこととしたところであるので、これにより円滑な労働移動の効果的な支援が十分に行われるよう、積極的な周知・活用を図る。 |
|
(2) |
失業者の特性に応じたきめ細かな就職支援の実施
イ |
長期失業者対策の充実・強化
長期失業者の安定した就職の実現を図るため、キャリア交流事業の長期失業者コースを円滑かつ着実に推進するとともに、大都市圏(北海道、東京、愛知、大阪及び福岡)において、緊急雇用創出特別基金を活用して就職支援から就職後の定着指導までを民間事業者に包括的に委託する。 |
ロ |
地域主導による雇用対策の推進
(イ) |
地域の自主性を活かした雇用対策の促進
地域が行う経済の活性化と地域雇用の創造に関する自主的な取組に対して、雇用対策の面から支援するため、新たに、地域雇用開発促進法に基づく雇用機会増大促進地域において、市町村及び地元経済界による雇用創出のための事業に対する支援を行う。
また、求職活動援助地域におけるミスマッチ解消事業(地域求職活動援助事業)について都道府県の企画・立案による実施方式に改める。 |
(ロ) |
公共職業安定所と地方公共団体との連携
地方公共団体の行う無料職業紹介事業について、地方公共団体の要請がある場合には、無料職業紹介事業を行う地方公共団体に対し、求人者が公開に同意している求人情報の提供等の連携、協力を行う。
また、公共職業安定所の設置状況等からみて、地域の労働力需給調整機能が高まると判断される場合には、地域住民に対する行政サービスを提供する地方公共団体の施設に公共職業安定所の職業紹介窓口を設置するなど、地方公共団体と公共職業安定所との連携を推進する。 |
(ハ) |
地域の労使による就職支援事業の推進
民間の労使が相協力して地域の雇用の改善のための事業を行う「地域労使就職支援機構」に、地域における失業者等の再就職の促進に資すると認められる事業などを委託する。 |
(ニ) |
地域再生雇用支援ネットワーク事業の推進
自ら主体的に地域再生に取り組む市町村等を雇用面から総合的に支援する「地域再生雇用支援ネットワーク事業」を、関係機関と連携して推進する。特に、地域再生に取り組む市町村等に対するワンストップ窓口の設置、市町村等と公共職業安定所による情報・意見交換を行う「地域再生雇用支援連絡会議」の開催及び当該会議における意見交換等を踏まえたニーズに対応した就職支援の実施などに積極的に取り組む。 |
(ホ) |
地域産業・雇用対策プログラムの推進
平成13年8月末に、経済産業省と共同で策定した雇用のミスマッチ解消や新たな雇用創出のための施策プログラムである「地域産業・雇用対策プログラム」について、引き続き、経済産業局、都道府県、経済団体等の関係機関と連携して取り組む。 |
(ヘ) |
緊急地域雇用創出特別交付金事業の推進に向けた連携協力
地域の創意工夫による雇用機会の創出を目的とする「緊急地域雇用創出特別交付金事業」について、交付金事業に係る求人へのあっせんや交付金事業に就労した者に対する再就職支援に関して都道府県、市町村と連携する。 |
(ト) |
地域に貢献する事業を行う法人に対する設立の支援
地域に貢献する事業を行う法人の設立を支援する地域雇用受皿事業特別奨励金について、都道府県や事業主団体等に対し、広報誌等への掲載や創業イベントにおける資料の配付等による周知・協力を依頼するとともに、連携体制の強化や創業イベントの共催等を行い、その活用を図ることにより、地域における雇用機会の創出を推進する。 |
|
ハ |
産業別・職業別の労働移動、人材確保対策の推進
(イ) |
建設労働者の円滑な労働移動に対する総合的支援(「建設雇用再生トータルプラン」)
過剰供給構造の是正に向けた建設業における再編等の動向に対応し、業界内外での円滑な労働移動の支援や新規・成長分野への進出の促進、労働移動等に関する相談窓口の設置等の施策を総合的に実施する「建設雇用再生トータルプラン」を独立行政法人雇用・能力開発機構、建設業界団体等と連携を図りつつ推進する。 |
(ロ) |
「農林業をやってみよう」プログラムの推進
農林業等就職相談コーナー等により、農林業等への多様な就業希望に応えるべく、農林水産省及び関係団体との連携のもとに求人情報の提供、職業相談・紹介、農林業等関連各種情報の提供等を行う。 |
(ハ) |
介護分野における雇用管理改善の推進
財団法人介護労働安定センターにおいて、介護労働者の雇用管理改善のための施策を推進するとともに、各労働局・公共職業安定所においては、事業主に対する周知や財団法人介護労働安定センター都道府県支部への相談の奨励、介護基盤人材確保助成金の支給等、必要な連携を図り、介護分野における雇用管理の改善、良好な雇用機会の創出を図る。 |
|
ニ |
失業者向け生活関連情報の公共職業安定所による一元的提供体制の整備
失業に直面した際に生ずる社会保険、税制、住宅、教育、育児、心の悩み等の生活関連情報について各分野の専門家による相談及び助言を一元的に行う生活関連情報相談コーナーを大都市圏の公共職業安定所に設置する。また、ハローワークインターネットサービスを活用し、全国の失業者に生活関連情報の提供を行う。 |
|
(3) |
良好な雇用機会の創出・確保等
イ |
良好な雇用機会の創出を図るため、関係省庁、関係団体、都道府県、市町村、経済団体等と共同あるいは連携して、創業支援についての広報、相談、援助を行う。また、都道府県労働局が中心となって、関係団体との連携協力を図り、雇用関係助成金の一体的な周知、積極的な活用を図る。
(イ) |
中小企業における雇用機会の積極的な創出
創業・異業種進出を行う中小企業が経営基盤の強化に資する人材を雇い入れる場合の助成等を行う独立行政法人雇用・能力開発機構と連携するなど、雇用機会の創出の担い手である中小企業の人材確保・育成、魅力ある職場づくりを推進する。 |
(ロ) |
雇用保険受給資格者の創業に対する支援
雇用保険の受給資格者の創業に係る助成を行うことを通じ、その自立を促進する。 |
(ハ) |
地域雇用受皿事業特別奨励金(再掲)
地域に貢献する事業を行う法人の設立を支援する地域雇用受皿事業特別奨励金について、都道府県や事業主団体等に対し、広報誌等への掲載や創業イベントにおける資料の配付等による周知・協力を依頼するとともに、連携体制の強化や創業イベントの共同開催等を行い、その活用を図ることにより、地域における雇用機会の創出を推進する。 |
(ニ) |
高年齢者等の共同による創業に対する支援
高年齢者等共同就業機会創出助成金を活用し、45歳以上の高年齢者等が共同して事業を開始し、継続的な雇用就業機会を創出した場合、当該事業主を支援する。 |
(ホ) |
地域雇用開発促進助成金
同意雇用機会増大促進地域等において事業所を設置・整備し、求職者を雇い入れた事業主又は同意高度技能活用雇用安定地域において高度技能労働者を受け入れた事業主に対し、当該設置・整備、雇入れ等に係る費用の一部を助成する地域雇用開発促進助成金を支給することにより、これら地域の雇用構造の改善を図る。 |
|
ロ |
雇用の維持確保に対する支援
雇用調整助成金の活用を通じ、景気の変動等、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされ一時的に休業等又は出向を行うことにより雇用の維持確保を図る事業主を支援する。 |
|
(4) |
不良債権処理の加速に対応した対策
イ |
雇用再生集中支援事業の実施
不良債権処理の加速に伴う雇用面への影響について管内状況の的確な把握に努め、不良債権処理の影響により雇用調整を行う事業主に対して、雇用調整方針の作成・届出を積極的に働きかけるとともに、雇用調整方針対象者に対しては求職活動に対する個別のニーズを把握し、財団法人産業雇用安定センター等関係機関との連携の下、不良債権処理就業支援特別奨励金の活用、実践的教育訓練の実施、民間再就職支援事業による民間委託等により、体系的な再就職支援策の円滑かつ適切な実施を図る。 |
|
(5) |
雇用保険制度の安定的運営の確保等
イ |
適正な業務の運営
雇用のセーフティネットとしての雇用保険制度の安定的運営を確保しつつ、その十分な機能発揮を図るため、平成14年9月より実施している「失業認定の在り方の見直し」を踏まえ、求職活動実績に基づく失業の認定、給付制限の一層的確な運用を行う。 |
ロ |
確実な適用、不正受給の防止等
私立学校教員等及び国立大学法人の教職員に対する確実な適用を図るとともに、基本手当、教育訓練給付等の不正受給の防止・厳格な対処等を進める。 |
|
(6) |
若年者雇用対策の推進(「若者自立・挑戦プラン」の推進)
「若者自立・挑戦プラン」に掲げられた当面3年間で若年失業者等の増加傾向を転換するとの目標を踏まえるとともに、新規高卒者の内定率について平成15年度以上の水準を確保することを目指して、若年者雇用対策を推進する。
イ |
在学中からの職業体験機会の充実
(イ) |
高校生のジュニアインターンシップ等の推進
職業意識形成を支援するため、学校等と連携して「総合的な学習の時間」などを活用したジュニアインターンシップを推進する。
また、企業人等働く者を講師として学校に派遣し、職業や産業の実態、働くことの意義、職業生活等に関して生徒に理解させ自ら考えさせるキャリア探索プログラムを積極的に実施し、参加生徒数を25万人程度とすることを目指す。
さらに、公共職業安定所に高校生を受け入れ、就職活動の実態や公共職業安定所の利用の仕方等を体験させるハローワーク体験ツアーを実施する。 |
(ロ) |
大学生に対する職業意識啓発事業の実施
適職選択のための自己理解等を促進するため、大学等と連携し、学生に対する各種セミナーや適職相談を実施するとともに、インターンシップ受入企業開拓事業を経済団体に委託して実施する。 |
|
ロ |
新規学卒者に対する就職支援策の推進
(イ) |
新規高卒者に対する就職支援策の実施
就職機会の拡大を図るため、求人開拓、就職面接会及び応募前の職場見学を推進するとともに、若年者ジョブサポーターにより、在学中の早い段階から就職後の職場定着までの各段階を通じてマンツーマンによる一貫した就職支援を実施する。若年者ジョブサポーターによる延べ相談件数を17万件程度とすることを目指す。
また、就職希望者に対し、就職活動に必要な知識や基本的な実務能力を付与するための就職ガイダンスを民間教育訓練機関に委託して実施する。
さらに、高校の進路指導担当者を対象に公共職業安定所での実地研修を行うほか、地域の状況を踏まえた円滑な職業紹介を推進するため、就職慣行の見直し等を都道府県高等学校就職問題検討会議において引き続き検討する。 |
(ロ) |
新規大卒者に対する就職支援策の実施
大学等新卒者に対して、学生職業センター等において職業指導及び職業相談を実施するとともに、就職面接会を開催する。 |
(ハ) |
未就職卒業者に対する就職支援策の実施
未就職卒業者の就職促進を図るため、職業講習及び職業訓練を実施するとともに、若年者試行雇用の活用を図る。 |
|
ハ |
若年失業者対策の強化
(イ) |
若年者試行雇用の推進
学卒未就職卒業者等の若年失業者に実践的な能力を取得させて常用雇用を推進するため、短期間の試行雇用事業を実施する。試行雇用の開始者数を5万1千人、常用雇用移行率を少なくとも8割程度確保することを目指す。 |
(ロ) |
ヤングワークプラザにおける就職支援の実施
若年失業者の就職を支援するため、東京、神奈川、愛知、大阪及び兵庫に設置しているヤングワークプラザにおいて、専門的な相談、職業紹介等の就職支援を実施する。 |
|
ニ |
地域との連携及び協力による若年者就職支援対策の展開
若年者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブ・カフェ)や地域の経済団体等に対し、企業説明会や職場見学会等の事業を委託するとともに、都道府県の要請に応じワンストップサービスセンターに公共職業安定所を併設し、地域との連携及び協力による効果的な若年者の就職支援対策を推進する。 |
|
(7) |
高齢者雇用対策の推進
イ |
高年齢者雇用安定法の改正
少子高齢化の急速な進展等を踏まえ、少なくとも65歳までは働き続けることができるようにするため、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による65歳までの雇用機会の確保、高年齢者等の再就職援助の強化等所要の措置を講ずること等を内容とする高年齢者雇用安定法の改正を含め必要な対応を行うこととしており、その円滑かつ適切な施行を図る。
なお、施行に当たっては、十分な周知・啓発を行う。 |
ロ |
知識・経験を活用した65歳までの雇用の確保
(イ) |
高年齢者雇用アドバイザーとの連携による事業主に対する指導・援助の推進
高年齢者雇用状況報告に基づき、事業主に対するきめ細かな指導・援助等を引き続き行い、高年齢者雇用確保措置の円滑な実施を図る。
また、都道府県高年齢者雇用開発協会と連携して、高年齢者雇用アドバイザーによるフォローアップを重点とした相談・助言及び継続雇用定着促進助成金等の活用を通じて、定年の引上げ、継続雇用制度導入等を行う事業主を支援する。 |
(ロ) |
65歳継続雇用達成事業の確実な推進
地域の経済団体との連携の下、選定された事業主団体において策定された65歳継続雇用達成方針に基づき、そのすべての傘下企業を対象として集団的に指導、助言を行い、65歳までの継続雇用制度の導入比率の上昇を図る。
また、傘下企業の制度導入の支援を図るため、高年齢者雇用アドバイザーとの連携を図る。 |
|
ハ |
中高年齢者の再就職の援助・促進
(イ) |
中高年齢者試行雇用事業の推進
世帯主など特に再就職の緊急性が高い中高年齢求職者について、試行雇用を通じて常用雇用への移行を図ることにより、再就職を促進する。 |
(ロ) |
再就職援助計画制度の普及、活用の促進及び再就職支援コンサルタントとの連携
事業主に対し、定年、解雇等により離職する高年齢離職予定者に再就職援助措置を講じるよう努力する義務があることについて周知・啓発を行う。
また、必要に応じて、事業主に対して再就職援助計画の作成を要請するとともに、都道府県高年齢者雇用開発協会に設置されている再就職支援コンサルタントと連携を図り、再就職援助計画等の作成方法や離職予定者の再就職援助に向けた援助措置の内容等について相談・援助を実施する。
さらに、中高年齢労働者の職業生活設計及びキャリアの棚卸しに関する支援を行うため、高齢期雇用就業支援コーナーとの連携を図る。 |
|
ニ |
年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた取組
年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた基盤づくり事業の実施に当たる高年齢者雇用アドバイザーとの連携を図りつつ、募集・採用時の年齢制限是正等に係る相談・援助等の支援を行う。 |
ホ |
高齢者の多様な就業・社会参加の促進
(イ) |
シルバー人材センター事業の推進
市区町村等との連携の下に高齢者のニーズに対応した就業機会を確保・提供し、地域に密着した事業運営体制を確立することにより、子育て支援事業を拡充するなどシルバー人材センター事業を引き続き推進する。
また、シルバー人材センター連合が実施する技能講習と合同面接会等を一体的に行うシニアワークプログラム事業に連携・協力する。 |
(ロ) |
高年齢者等の共同による創業に対する支援(再掲)
高年齢者等共同就業機会創出助成金を活用し、45歳以上の高年齢者等が共同して事業を開始し、継続的な雇用就業機会を創出した場合、当該事業主を支援する。 |
|
|
(8) |
障害者雇用対策の推進
イ |
障害者をめぐる厳しい雇用情勢に対応するための雇用対策の強化
「障害者基本計画」、「重点施策実施5か年計画」及び「障害者雇用対策基本方針」に基づき、障害者雇用に関する施策を推進する。
重点施策実施5か年計画において明記されている平成19年度までに公共職業安定所の年間障害者就職件数を3万人、平成20年度の障害者雇用実態調査において雇用障害者数60万人との目標を踏まえ、平成16年度においては、15年度を上回る就職件数を確保することを目指す。
(イ) |
法定雇用率達成指導の徹底
平成16年4月1日より、一般の民間企業に設定されている除外率をすべての業種において一律10%ポイント引き下げるとともに、国及び地方公共団体における除外職員制度を原則廃止し、除外率を設定しており、この周知と適正な実施を図る。
身体障害者及び知的障害者の実雇用率が低いことや法定雇用率未達成企業の割合が高いことを踏まえ、民間企業に対する法定雇用率達成指導において、障害者雇入れ計画作成命令、厚生労働大臣の勧告に従わない企業に対する企業名の公表を前提とした特別指導を指導基準に基づき厳正に実施する。また、市町村に対して適切な法定雇用率達成指導を実施する。
なお、本省においては、各労働局の指導結果に基づき、6月に企業名の公表を実施する。 |
(ロ) |
障害者個々人に応じた就職支援の推進
「緊急障害者就職支援プロジェクト」を継続して実施する。特に障害の種類及び程度等障害者個々人の状況に応じたきめ細かな職業相談・職業紹介の実施、求人開拓の強力な推進、集団面接会の積極的な実施を図ること等により、障害者雇用対策を強化する。 |
|
ロ |
障害者の雇用機会の拡大
(イ) |
障害者試行雇用事業(トライアル雇用事業)の拡充
障害者を短期の試行雇用の形で受け入れ、常用雇用への移行を促進する障害者雇用試行事業を拡充して実施する。試行雇用の開始者数を4,200人、常用雇用移行率を少なくとも8割程度確保することを目指す。 |
(ロ) |
職場適応援助者(ジョブコーチ)による事業の推進
社会福祉法人等の協力機関とも連携しながら、地域障害者職業センターが中心になり、職場への適応が困難な障害者の働く職場にジョブコーチを派遣し、職業的自立に向け、実際の職場の状況に応じた支援を行う。その際、公共職業安定所は、支援ニーズの把握や個別の事業所開拓等を実施する。 |
(ハ) |
障害者求職者情報のインターネットによる提供の実施
公共職業安定所の障害者求職情報をハローワークインターネットサービスにおいて公開し、企業が求職者情報を入手することを可能とし、企業の採用活動を支援する。 |
|
ハ |
雇用と福祉の連携による障害者の自立支援
(イ) |
職場適応援助者(ジョブコーチ)による事業の推進(再掲)
社会福祉法人等の協力機関とも連携しながら、地域障害者職業センターが中心になり職場適応援助者事業を推進する。公共職業安定所においては、支援ニーズの把握や個別の事業所開拓等を実施する。 |
(ロ) |
障害者就業・生活支援センター事業の拡充
障害者の身近な地域において雇用、保健福祉、教育等の関係機関が連携し、就業及びそれに伴う日常生活の相談・支援を一体的に行う障害者就業・生活支援センター事業の拡充を図る。都道府県労働局及び公共職業安定所においては、同センターの業務の円滑かつ効果的な運営のための協力を行う。 |
|
ニ |
精神障害者の雇用・就業施策の推進
(イ) |
就職に必要な基本的な労働習慣等を体得する障害者準備支援事業の実施
地域障害者職業センターにおいて、就職に必要な基本的な労働習慣等を体得するため、障害者個々人に応じたカリキュラムにより体系的な訓練を実施する。その際、公共職業安定所においては、支援対象者の把握や訓練修了者のうち一般雇用が可能な者について職業相談、職業紹介等を実施する。 |
(ロ) |
医療機関等と連携した精神障害者のジョブガイダンス事業の実施
医療機関等の利用者で、就職意欲は高いものの就職するための準備が十分に整っていない精神障害者を就職に結びつけるため、公共職業安定所から医療機関等に積極的に出向き、就職活動に関する知識や方法を実践的なガイダンスにより示す。
また、公共職業安定所は医療機関等との連携を深め、医療支援から就職支援まで含めた支援活動を展開できる環境整備に努める。 |
(ハ) |
精神障害者の職場復帰支援事業の創設
休職中の在職精神障害者の円滑な職場復帰に向け、地域障害者職業センターにおいて、在職精神障害者及び雇用事業所への支援を行う「精神障害者職場復帰支援事業」(リワーク支援事業)を創設する。公共職業安定所においては、事業の周知等について地域障害者職業センターとの連携を図る。 |
|
|
(9) |
外国人雇用対策の推進
イ |
外国人労働者の就労環境の一層の整備
(イ) |
外国人求職者の職業紹介機能の強化
現下の厳しい雇用失業情勢の下、増加する外国人来所者に適切に対応するため、「外国人雇用サービスコーナー」の体制の強化により外国人求職者等に対する職業相談・紹介の充実を図るほか、本省においても、求職者向けパンフレットを英語・中国語・ポルトガル語等で作成・配布する。 |
(ロ) |
日系人の適正な就労の推進のための情報提供の拡充
「外国人雇用サービスコーナー」や「日系人雇用サービスセンター」を拠点として、職業相談・紹介を行う。
日系人が集住している地域に設置している「日系人職業生活相談室」において、職業選択、求職活動、労働条件等に関する日系人等に対する相談・情報提供を行うとともに、職業紹介あるいは事業主指導等の窓口との連携により、日系人の雇用の安定と適正な雇用管理の確保を図る。
また、日系人が多く集住している地域においては、日系人失業者等に対する職業ガイダンスや地元日系人コミュニティへの訪問相談等を実施する。 さらに、「日伯雇用サービスセンター(ブラジル国サンパウロ市)」を拠点として現地日系人団体とも連携して、来日を希望する日系人に対して適切な情報を提供し、日系人の適正な就労を図る。 |
|
ロ |
専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れ・定着の促進
専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れを積極的に推進することとする政府の基本方針に沿って、「外国人雇用サービスセンター」が主体となって、各都道府県労働局・公共職業安定所の実情に応じて連携を図りつつ、専門的、技術的分野の外国人に対する職業相談・紹介を行うほか、卒業後の就職を希望する留学生に対しては、大学等教育機関や経済団体等の関係機関と連携して就職支援を行う。 |
ハ |
事業主等に対する指導・援助等の推進
外国人雇用状況報告によって外国人労働者の雇用状況を把握するとともに、「外国人労働者の雇用・労働条件に関する指針」に基づく事業主への指導・援助、外国人雇用管理アドバイザーによる援助及び外国人雇用管理セミナーの開催により、外国人労働者の雇用管理の改善を図る。
また、「外国人労働者問題啓発月間」を中心として、外国人労働者の適正な雇用及び労働条件の確保等に関する周知啓発に努める。 |
ニ |
適正就労の推進等
警察庁、法務省等関係行政機関との連携を図りつつ、事業主等への啓発・指導による不法就労の防止並びに事業主への是正指導及び必要に応じた関係行政機関への情報提供による不法就労の解消に努める。 |
|
(10) |
安心して働ける雇用環境の整備
イ |
ホームレスの雇用対策の推進
(イ) |
自立支援事業職業相談員の配置
関係地方公共団体が行うホームレス自立支援事業との連携の下で、公共職業安定所の職業相談員によるきめ細かな職業相談等を行うことにより、就業機会の確保を図る。 |
(ロ) |
ホームレス就業開拓推進員の配置
ホームレス就業開拓推進員を配置し、ホームレスの就業ニーズに応じた求人開拓や地方公共団体等と連携を図りながら求人情報等の収集・提供を行うほか、事業主に対する啓発活動を行うことにより、就業機会の確保を図る。 |
(ハ) |
技能講習事業の促進
自立支援センターに入所しているホームレス等に対して、職場で必要とされる資格・免許の取得等を目的とした技能講習を実施することにより、就業機会の確保を図る。 |
(ニ) |
試行雇用事業の促進
自立支援センターに入所しているホームレス等に対して、一定期間の試行雇用により、円滑に新たな職場への適応を進め、常用雇用への移行を図る。 |
|
ロ |
母子家庭の母等の雇用対策の推進
児童等を扶養する母子家庭の母等について、公共職業安定所に職業相談員(寡婦担当)を配置し、家庭環境等に配慮した職業相談・紹介の実施、特定求職者雇用開発助成金や訓練手当、試行雇用事業の活用等により、その早期就職の促進を図る。 |
ハ |
駐留軍関係離職者対策の推進
駐留軍関係離職者については、駐留軍関係離職者等臨時措置法等に基づき、公共職業安定所において職業相談・紹介、職業訓練の推進と職業転換給付金の活用等により、離職を余儀なくされた者の生活の安定と早期再就職の促進を図る。 |
ニ |
漁業離職者対策の推進
国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づき、国際環境の変化に伴い発生する漁業離職者について、漁業離職者求職手帳の発給、必要な就職指導の実施、職業転換給付金の支給等により、その求職者の生活の安定、再就職の促進を図る。 |
ホ |
多様な状況に応じた各種雇用対策の推進
(イ) |
沖縄県における雇用対策の推進
沖縄県の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあり、沖縄県の雇用失業情勢の改善を図る観点から、「沖縄振興特別措置法」に基づく政府全体の沖縄振興策等と連携しつつ、沖縄県内の特別の対策を実施する。 |
(ロ) |
炭鉱離職者対策の推進
引き続き機動的な職業訓練の実施、きめ細かな職業指導及び職業転換給付金の活用等により、池島炭鉱及び大平洋炭礦の炭鉱離職者の早期の再就職の促進を図る。 |
(ハ) |
日雇労働者対策の推進
求人の開拓を積極的に行うことにより、日雇労働者の就業機会の確保を図る。
さらに、東京、神奈川、愛知、大阪などの日雇労働者が集中する特別地区の日雇労働者に対して、技能講習を実施し日雇労働者の就業機会の確保を図るとともに、試行雇用事業の実施を通じ、常用雇用への移行を図る。 |
(ニ) |
失業対策諸事業の適正な運営
特定地域開発就労事業については、平成15年7月の「特定地域開発就労事業のあり方に関する調査研究報告」を踏まえ、適正な運営を図る。 |
(ホ) |
アイヌ地区住民の雇用対策の推進
アイヌ地区住民については、各種就職援護措置の活用を図るとともに、職業相談員経験交流会議を開催し、この成果を職業相談に役立て、きめ細やかな職業指導、職業相談を実施するとともに、事業主説明会を開催し、地域住民の雇用の安定を図る。 |
(ヘ) |
中国残留邦人等永住帰国者の雇用対策の推進
中国残留邦人等永住帰国者について、公共職業安定所において、職業相談・紹介の実施及び職業転換給付金制度の活用等により、雇用の促進を図る。
また、職業相談等の一部の業務については、財団法人中国残留孤児援護基金に委託し、中国帰国者定着促進センター等において実施する。 |
(ト) |
インドシナ難民等の雇用対策の推進
国際救援センター入所のインドシナ難民及び条約難民については、職業相談・紹介、職場適応訓練その他就職を促進するための各種援護措置の実施に係る業務を財団法人アジア福祉教育財団に委託して実施し、その雇用の促進を図る。
また、公共職業安定所においては、難民に係る求人の取り次ぎ、求人開拓、職場定着指導等の業務について、同財団と綿密な連携をとりながら協力する。 |
(チ) |
在日韓国・朝鮮人の就職の機会均等の確保対策の推進
在日韓国・朝鮮人については、就職の機会均等が確保されるよう、事業主等啓発説明会、ポスター等の広報活動、不適正事象への指導等により、事業主等に対し積極的な指導・啓発を行う。 |
(リ) |
北朝鮮帰国被害者等に対する雇用対策の推進
帰国した被害者及び帰国し、又は入国した被害者の配偶者等の雇用の機会の確保を図るため、職業訓練の実施、就職のあっ旋等により、その早期就職の促進を図る。 |
(ヌ) |
本州四国連絡橋建設に伴う雇用対策の推進
本州四国連絡橋の供用に伴って、事業規模が縮小されること等により離職を余儀なくされる労働者に対して、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法等に基づき、公共職業安定所における求職手帳の発給、職業相談・就職指導の実施、職業訓練の推進と職業転換給付金の支給等により、その早期再就職の促進を図る。 |
(ル) |
公正な採用選考の推進
公正な採用選考システムの確立に係る指導、啓発については、「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画や「人権教育・啓発に関する基本計画」においても指摘されているところである。これらを踏まえつつ、就職の機会均等を保障することが同和問題などの人権問題の中心的課題であるとの認識に立って、公正採用選考人権啓発推進員未設置事業所に対する設置勧奨及び同推進員制度が効果的に機能するような制度・運営面での充実や、企業トップクラスに対する研修会の充実に努めるとともに、小規模事業所に対する啓発・指導を実施する。
また、全国高等学校統一応募用紙等の適正な応募書類の周知徹底と公正な採用選考についての各種啓発資料の作成・配付等により、雇用主に対する啓発・指導を実施する。 |
|
へ |
就職困難者に対する雇用対策の推進 就職が特に困難な者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して支給される特定求職者雇用開発助成金等を活用し、これら就職困難者の雇用の促進を図る。
ト 多様な雇用管理改善対策の推進
(イ) |
建設労働対策の推進
建設労働者の雇用の改善等に関する法律及び平成13年度から平成17年度までを対象とする第6次建設雇用改善計画に基づき、雇用の近代化のさらなる促進等建設労働者の雇用の改善等のための施策を推進する。 |
(ロ) |
港湾労働対策の推進
(1) |
改正港湾労働法の施行状況を踏まえた制度検討の結果に基づく改正後の制度の円滑な施行等
改正港湾労働法の施行状況を踏まえた制度検討の結果に基づく改正後の制度について、制度改正の趣旨及び内容の周知徹底等により円滑な施行を図る。 |
(2) |
新たな港湾雇用安定等計画に基づく施策の推進
平成16年度から平成20年度までを対象とする新たな港湾雇用安定等計画に基づき、港湾労働者派遣制度の有効活用の促進等による雇用秩序維持対策の一層の推進等港湾労働者の雇用の安定及び福祉の増進のための施策を推進する。 |
|
(ハ) |
季節労働者対策の推進
季節労働者の雇用の安定を図るため、通年雇用安定給付金制度の活用により通年雇用の促進に努める。
なお、本給付金制度については(1)通年雇用化の促進、(2)雇用対策としての位置付けの明確化、(3)特に、冬期技能講習を効率的かつ実効性の高いものとするとの観点からの見直しを行うとともに、冬期雇用安定奨励金及び冬期技能講習助成給付金については暫定措置として平成16年度から3年を限り実施する。 |
(ニ) |
林業労働者対策の推進
我が国林業を取り巻く環境の変化に対応するため、林業労働力の確保の促進に関する法律に基づき、林野庁等との連携の下、雇用管理の改善を実施するとともに、林業労働者の高齢化の進行等に伴い必要となる新たな労働力の確保のために、林業雇用改善推進事業を活用して求職者と求人とのマッチングの促進及び雇用管理改善の促進を図る。また、林業振動障害軽快者の再就職促進対策を実施する。 |
(ホ) |
出稼労働者対策の推進
やむを得ず出稼ぎに出る人々に対して、主な送出地及び受入地に相談員を配置し就職相談及び指導、安全就労推進集会等を実施するとともに、主な送出地を管轄する都道府県労働局が出稼労働者援護事業を行う道県と連携し、安定就労対策を実施する。 |
|
|
(11) |
職業安定行政の効果的な展開のための対応
イ |
民間需給調整関係業務の都道府県労働局への集中化による指導・監督体制の整備
民間需給調整関係業務については、許可・届出及び指導監督等を原則として労働局に集中化させる。また、公共職業安定所においては、引き続き派遣労働者や求職者等からの苦情、相談への適切な対応等に努める。 |
ロ |
行政情報化等への対応
総合的雇用情報システムの更改(全国移行)に伴い、更改安定所等の導入に伴う事前工事、新機器導入及び新システムの機能拡充等を順次行う。
また、職業安定行政システムの運用を引き続き行うとともに、端末の増設等を行い、電子申請への効率的な対応及び一般事務の電子化の推進を図る。 |
|