安全衛生情報センター
日頃から安全衛生行政の推進に格段の御理解、御協力を賜り厚くお礼申し上げます。 平成28年に、化成品等の製造事業場で、複数の労働者等に膀胱がんの病歴又は所見があることが明らか になり、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の協力も得て作業実態や発生原因につ いて調査を行ったところ、これらの労働者等のうち多くは3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタ ン(MOCA)を取り扱う作業に従事していたことが判明したところです。 今般、上記事業場以外の事業場においても、MOCAを取り扱ったことのある労働者等に膀胱がん有病歴者 がいることが把握されたことと併せ、MOCAに係る作業環境測定について、より正確な濃度の見積もりが可 能となる方法が確認されたことから、厚生労働省において関係事業者団体等に対して、別添のとおり要請 を行っているところです。このため、貴協会におかれましては下記に示す当面の作業環境測定の方法につ いて、傘下の会員に周知いただきますようお願いします。 なお、各登録作業環境測定機関に対しても同旨の要請を実施していることを申し添えます。 また、厚生労働省において作業環境測定方法の見直しについて検討を進めております。
MOCAの製造・取扱事業場に実施が義務付けられている作業環境測定について、より正確に濃度を見積も ることが可能となる方法が確認されたことから、当分の間、作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46 号)に基づく従来のろ過捕集方法に加え、別途示す米国労働安全衛生庁(OSHA)が示す方法を参考とした測 定も併用することが望ましいこと。