安全衛生情報センター
1 「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)は、 安全に関する基本的な事項についてとりまとめたものであること。 2 伐倒方法、造材方法には、ガイドラインで触れたもの以外に多様な方法があるが、作業者の技能、経 験等、伐木現場の状況等を踏まえ、最適な方法を選択すべきであること。 3 保護具として防護ズボンを推奨しているものであるが、チャップスについても防護ズボンと同等の性 能があると認められるものであること。なお、チャップスについては、留め具式の場合は全ての留め具 を確実に留めた上、適度に締め付けて使用すること。また、作業中の歩行などによりチャップスがめく れることのないよう、最下部の留め具が足首にできるだけ近いものを使用することが望ましいこと。 追って、防護ズボン及びチャップスについては、労働者の身体に合ったものを使用するべきことは当 然であること。 4 防護ズボンについてはJIS T8125-2「手持ちチェーンソー使用者のための防護服 第2部:脚部防護服 の試験方法及び要求性能」を引用しているが、チャップスについても同等の性能が要求されることは当 然であること。なお、ISO規格、EN規格、ASTM規格及びAS/NZS規格に定める防護性能については、JIS 規格とほぼ同等と考えられるため、これらの規格に定める防護性能を有する製品を使用する場合はガイ ドラインに適合するものと認められること。 5 履物としては安全靴を推奨しているものであること。なお、つま先、足の甲部、足首、及び下腿の前 半部分にソーチェーンによる損傷を防ぐ保護部材が入っており、JIS T8125-3「手持ちチェーンソー使 用者のための防護服 第3部:履物試験方法」と同等以上と認められる場合は、地下足袋型であってもガ イドラインに適合するものと認められること。 また、下肢の前半部分が履物によって防護されない場合、すね当てを使用することが望ましいこと。 6 伐倒方向は、通常、安全とされる方向を示したものであり、原則としてガイドラインのとおり伐倒す ることが望ましいが、あらゆる状況に一律に適合できるものではないこと。また、状況によっては上方 に伐倒することがあるが、これはガイドラインの枠を超える高度な技術であること。 7 伐倒作業において伐倒者以外は立入禁止とする範囲を樹高の2倍としたのは、諸外国の基準を踏まえ 設定したものであること。 8 受け口の深さは、胸高直径により伐根直径の1/4以上又は1/3以上としているが、その上限は樹種や生 育の状況等により様々であるので一律に示すことが困難であること。立木の安定性を損なうことのない よう、切りすぎず、かつ、ガイドラインに示した深さを下回らないようにすることが必要であること。 9 追いづる切りは、突っ込み切りを行う際にチェーンソーのバー先端上部が立木に触れてキックバック するおそれがあるので、チェーンソー作業の習熟の程度が十分でない者は行わないこと。