安全衛生情報センター
大気環境行政の推進については、日頃より御尽力いただいているところである。 さて、建築物等の内外装仕上げに用いられる建築用仕上塗材(以下「仕上塗材」という。)には、石綿を 含有するものがあり、これらの石綿含有仕上塗材は建築物等への使用時には石綿の飛散の可能性は小さい。 一方、建築物等の解体・改造・補修工事において石綿含有仕上塗材を除去・補修(以下「除去等」という。) する際には、破断せずに除去等を行うことが困難であるため、除去等の工法によっては、石綿が飛散する 可能性が指摘されている。このため、除去等の工法に応じた適切な飛散防止措置を講ずる必要がある。 ついては、下記事項に留意の上、除去等の工法に応じた適切な石綿飛散防止措置が講じられるよう、事 業者等への周知及び指導を図られたい。 なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言である ことを申し添える。
1 石綿含有仕上塗材について、吹付け工法により施工されたことが明らかな場合には、大気汚染防止法 施行令第3条の3第1号の「吹付け石綿」に該当するものとして取扱う。このため、これら石綿含有仕上 塗材に係る建築物等の解体・改造・補修に際しては、特定粉じん排出等作業の実施の届出、作業基準の 遵守等が必要となる。 また、吹付け工法により施工されたかどうかが明らかでない場合も、石綿含有仕上塗材を「吹付け石 綿」とみなして、特定粉じん排出等作業の実施の届出及び作業基準の遵守が行われることが望ましい。 特に、鉄骨造・鉄筋コンクリート造等の規模の大きい建築物等で、除去作業を行う場合には、周辺環境 への石綿飛散のおそれが比較的高いと考えられることから、届出及び作業基準の遵守について適切に指 導されたい。 なお、吹付け以外の工法(ローラー塗り等)で施工されたことが明らかな場合は、特定粉じん排出等作 業の実施の届出は不要であるが、適切な飛散防止措置が講じられることが望ましい。 2 「吹付け石綿」とされた石綿含有仕上塗材の除去等に際しては、大気汚染防止法施行規則別表第七第 一の項下欄イ〜チの事項を遵守し除去等を行うか、同項下欄柱書の「同等以上の効果を有する措置」を 講じる必要がある。「同等以上の効果を有する措置」については、別紙を参考にされたい。 なお、厚生労働省の「『建築物等の解体等の作業及び労働者が石綿等にばく露するおそれがある建築 物等における業務での労働者の石綿ばく露防止に関する技術上の指針』に基づく石綿飛散漏洩防止対策 徹底マニュアル[2.10版]」(平成29年3月)においては、「吹付け工法により施工された仕上塗材は、石 綿則第6条に示す「吹き付けられた石綿」に該当するため、計画届又は作業届が必要となる。一方、そ れ以外の工法(ローラー塗等)により施工した仕上塗材は、届出の義務はない。しかし、いずれにしても、 除去時のばく露防止対策については、施工時の工法に関わらず適切に対応することが求められる」とさ れているところである。 このため、石綿含有仕上塗材の除去等に係る事業者等の指導に当たっては、労働基準監督署と十分連 携を図ることとされたい。別紙(PDF:149KB)