安全衛生情報センター
土砂崩壊による労働災害は、溝掘削時の溝崩壊、斜面の切り取り工事中の斜面崩壊によるものがほとん どを占めている状況にあります。溝掘削時の溝崩壊については、「土止め先行工法に関するガイドライン の策定について」(平成15年12月27日付け基発第1217001号)により「土止め先行工法」が普及することに より労働災害の防止に一定の効果が現れており、今後は斜面崩壊による労働災害防止対策の強化を図るこ とが必要です。 独立行政法人労働安全衛生総合研究所は、平成21年度に「斜面崩壊による労働災害の防止対策に関する 調査研究会」を設置し、地山の点検については発注者、設計者及び施工者が同じ点検表を用いて斜面に関 する情報を共有し、対策を講ずることが労働災害の防止上効果的である旨の報告を取りまとめました。 この報告を受け、建設業労働災害防止協会は、平成22年度から23年度にかけて実態調査を実施し、斜面 掘削工事での土砂崩壊による労働災害を防止するために発注者、設計者及び施工者の三者が行う点検、協 力、共有すべき情報等に係る具体的方法を検討しました。 厚生労働省では、これらの検討結果等を受け、今般、労働安全衛生規則第355条の調査及び第358条の点 検のより適切な実施方法、施工者が発注者及び設計者と協力して斜面崩壊の危険性に関する情報を共有す るために実施することが望ましい方法及びそれらの留意事項を「斜面崩壊による労働災害の防止対策に関 するガイドライン」として別添のとおりとりまとめたので、会員にその普及・定着を図り、建設業におけ る斜面崩壊による労働災害防止対策の一層の推進を図られるようお願いします。