安全衛生情報センター
A 労働安全衛生法の変異原性試験は、厚生労働大臣の定める基準に従って実施するのが原則ですが、こ の基準の制定当時から、OECDテストガイドラインに準拠して実施された試験結果報告書も届出書類とし て認められています。 厚生労働大臣の定める基準とOECDテストガイドラインでは細部において異なる点があります。特に、 試験に使用するプレートの数については次のような違いがありますが、労働安全衛生法の新規化学物質 の審査では、OECDテストガイドライン準拠の試験については、プレートを3枚(又は2枚)用いた2回の本試 験により再現性を確認しておりますので、用量設定試験のプレートが1枚であっても届出上は問題ありま せん。 ただし、OECDテストガイドライン準拠の試験の中には、まれに用量設定試験の後の本試験が1回のみの ものがあり、このような場合には、試験結果報告書に本試験を1回しか行わなかった理由を明記する必要 があります。 <厚生労働大臣の定める基準とOECDテストガイドラインの比較(プレート数等)> ○厚生労働大臣の定める基準では、用量設定試験、本試験とも、各用量についてプレートを2枚以上使 用することとなっています。 また、厚生労働大臣の定める基準では、試験の結果の再現性が要求されており、このため、通常の試 験では、用量設定試験で生育阻害を生じない用量が4用量以上ある場合には本試験が1回、用量設定試 験で生育阻害を生じない用量が3用量以下の場合には本試験が2回行われています。 ○OECDテストガイドラインでは、3枚のプレートを使用する(科学的に正当な理由がある場合には2枚)こ ととなっていますが、この3枚という基準は、必ずしも用量設定試験(予備試験)に適用するよう明記 されておらず、用量設定試験を1枚のプレートで行う場合が少なくありません。 また、OECDテストガイドラインでも試験の再現性を求めており、通常、OECDテストガイドライン準拠 の試験では、用量設定試験の結果に関わらず、本試験が2回行われています。