(令和2年4月6日 基安化発0406第5号により廃止)

Q3  新規化学物質が常温常圧で様々な試験溶媒と容易に反応し、他の物質に変化する場合について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

A 試験方法と提出書類に分けて回答します。

1 具体的な試験方法について
  次の(1)の試験を実施して「常温常圧で試験溶媒のいずれとも容易に反応し、他の物質に変化する場合」
 に該当する場合、(2)の試験を実施してください。
  ただし、新規化学物質が、(1)に掲げる13種類の溶媒以外の溶媒(変異原性試験に使用可能なものに限
 る。)中で安定に存在することがわかっている場合には、新規化学物質について当該溶媒を用いて厚生労
 働大臣の定める基準に従って試験を実施してください。この場合、当該溶媒が試験菌株及びS9に影響を
 与えないことを、文献又はデータにより示す必要があります。
 (1) 新規化学物質の試験溶媒との反応性に関する試験
   常温常圧下で、次に掲げる13種類の溶媒に溶解させ(その際の濃度は、試験に使用する最高濃度(例:
  水、ジメチルスルホキシドの場合には50mg/ml、アセトンの場合には100mg/ml。)とする。)、溶解さ
  せた際及び1時間経過後の溶液の性状を、目視又は機器分析により確認することにより実施すること。
  また、1時間経過後の溶液中の新規化学物質の濃度を確認すること。
   また、13種類のいずれの試験溶媒に対しても、1時間経過後において、溶液中の新規化学物質の濃度
  が、溶解させた際の80%未満になっている場合に、「常温常圧で試験溶媒のいずれとも容易に反応し、
  他の物質に変化する場合」に該当すると判断されます。
   なお、この試験は、変異原性試験の前に新規化学物質の物性を調べる予備的な試験であることから、
  GLP対応で実施する必要はありません。
    @水
    Aジメチルスルホキシド(別名:DMSO)
    Bアセトン
    C1,3-ジオキサン-5-オール(別名:グリセロールホルマール)
    Dジメチルホルムアミド
    Eホルムアミド
    Fアセトニトリル
    Gエタノール
    Hエチレングリコールジメチルエーテル
    I1-メチル-2-ピロリドン
    J1,4-ジオキサン
    Kテトラヒドロフルフリルアルコール
    Lテトラヒドロフラン
 (2) 新規化学物質が水と反応して生じる化学物質について行う変異原性試験
    水と反応して生じる化学物質について水への溶解性を確認した上で、水溶性の場合には水を試験
   溶媒とし、非水溶性の場合にはDMSOを試験溶媒として実施すること。
    また、この変異原性試験は、厚生労働大臣の定める基準に従って実施すること。
    なお、水と反応して生じる化学物質が複数の化学物質の混合物として得られる場合には、成分ご
   とに分離して試験を行っても、混合状態のまま試験を行っても差し支えありません。

2 届出時に「有害性の調査の結果を示す書面」として提出すべき書類について
  上記1の(1)及び(2)により試験を実施した場合、下記の(1)の書面に加えて、(2)及び(3)の書面を参考
 資料として提出してください。
 (1) 新規化学物質が水と反応して生じる化学物質について行う変異原性試験の結果報告書
   ただし、水と反応して生じる化学物質について、厚生労働大臣が定める基準に従って有害性の調査
  が行われ、その内容が文献等としてまとめられている場合には、当該文献等の写しに代えることがで
  きます。
 (2) 新規化学物質について行う試験溶媒との反応性に関する試験(1時間経過後の溶液中の新規化学物質
  の濃度を確認する試験を含む。)の結果報告書
   なお、これに記載すべき事項は次のとおりです。
    @標題
    A試験施設等の名称及び所在地
    B試験の責任者の職名及び氏名
    B試験の開始日及び終了日
    C被験物質の名称、純度、組成及び物理化学的性質
    D試験の方法(観察、測定、検査及び分析の方法を含む。)
    E試験の結果及び考察
 (3) 新規化学物質と水との反応に関する化学反応式を示した書面



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