(令和2年4月6日 基安化発0406第5号により廃止)

Q2  新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化(分解、重合等)する場合について、変異原性試験の具体的な方法及び届出時の提出書類を教えてください。

A 試験方法と提出書類に分けて回答します。

1 具体的な試験方法について
  次の(1)の試験を実施して「常温常圧で容易に他の物質に変化する場合」に該当する場合、(2)の試験
 を実施してください。
  ただし、新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化する場合であっても、窒素雰囲気下では安
 定であることがわかっている場合には、被験物質の保存、秤量及び被験物質溶液の調製を窒素雰囲気下
 で行った上で、厚生労働大臣の定める基準に基づいて変異原性試験を実施してください。
  また、新規化学物質が常温常圧で容易に他の物質に変化する場合であっても、特定の溶媒(変異原性試
 験に使用可能なものが望ましい。)の中では安定であることがわかっている場合には、最初に当該溶媒を
 用いて適当な濃度の溶液を調製してこれを試料とし、厚生労働大臣の定める基準に基づいて変異原性試
 験を実施してください。なお、この場合には、試料中の新規化学物質の濃度を基に純度換算をした上で、
 被験物質溶液を調製する必要があります。
 (1) 新規化学物質の常温常圧下の変化に関する試験
   当該物質を常温常圧下に置いた際及びその後1時間経過後の性状を、目視又は機器分析により確認す
  ることにより実施すること。また、1時間経過後の新規化学物質の純度を確認すること。
   この試験により、1時間経過後において、新規化学物質の純度が当初の80%未満になっている場合に
  「常温常圧で容易に他の物質に変化する場合」に該当すると判断されます。
   なお、この試験は、変異原性試験の前に新規化学物質の物性を調べる予備的な試験であることから、
  GLP対応で実施する必要はありません。
 (2) 新規化学物質の常温常圧下の変化によって生じる化学物質等について行う変異原性試験
   (1)の試験結果に応じて次のとおり試験対象物質を決定し、厚生労働大臣の定める基準に従って実
  施すること。
  ア 1時間経過後の新規化学物質の純度が50%以上80%未満の場合
    1時間経過後のもの(新規化学物質とその変化後の物質の混合物)を試料とする。
  イ 1時間経過後の新規化学物質の純度が50%未満の場合
    十分に時間を経過したもの(新規化学物質の変化後の物質)を試料とする。
  なお、ア、イのいずれにおいても、変化によって生じる化学物質が複数の化学物質の混合物として得
 られる場合には、成分ごとに分離して行う試験、混合状態のまま行う試験のいずれでも差し支えありま
 せん。

2 届出時に「有害性の調査の結果を示す書面」として提出すべき書類について
  上記1の(1)及び(2)により試験を実施した場合、下記の(1)の書面に加えて、(2)及び(3)の書面を参考
 資料として提出してください。
 (1) 新規化学物質の常温常圧下の変化によって生じる化学物質等について行う変異原性試験の結果報告
  書
   ただし、常温常圧下の変化によって生じる化学物質について、厚生労働大臣が定める基準に従って
  有害性の調査が行われ、その内容が文献等としてまとめられている場合には、当該文献等の写しに代
  えることができます。
 (2) 新規化学物質の常温常圧下の変化に関する試験(1時間経過後の新規化学物質の純度を確認する試験
  を含む。)の結果報告書
   なお、これに記載すべき事項は次のとおりです。
    @標題
    A試験施設等の名称及び所在地
    B試験の責任者の職名及び氏名
    C試験の開始日及び終了日
    D被験物質の名称、純度、組成及び物理化学的性質
    E試験の方法(観察、測定、検査及び分析の方法を含む。)
    F試験の結果及び考察
 (3) 新規化学物質の常温常圧下の変化に関する化学反応式を示した書面



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