安全衛生情報センター
A 試験方法と提出書類に分けて回答します。 1 具体的な試験方法について 次の(1)の試験を実施して「自然発火性物質」又は「禁水性物質」と判断された場合に、(2)の試験を 実施してください。 (1) 新規化学物質の発火性に関する試験 次のア又はイのいずれかの方法により実施すること。 なお、ア及びイの試験は、変異原性試験の前に新規化学物質の物性を調べる予備的な試験であるこ とから、GLP対応で実施する必要はありません。 ア 空気中での発火性については、「危険物の規制に関する政令」(昭和34年政令第306号。以下「危 険物政令」という。抜粋を【参考】に示す。)第1条の5第1項の「自然発火性試験」を同条第2項の規 定に基づき実施するとともに、発火によって生じる化学物質の組成を明らかにすること。 なお、同条第3項に規定する性質を有する場合に、「自然発火性物質」に該当すると判断されます。 イ 水との接触による発火性については、危険物政令第1条の5第4項の「水との反応性試験」を同条第 5項の規定に基づき実施するとともに、発火によって生じる化学物質又は水との接触により発生する 可燃性ガスの組成を明らかにすること。 なお、同条第6項に規定する性質を有する場合に、「禁水性物質」に該当すると判断されます。 (2) 新規化学物質の発火等によって生じる化学物質の変異原性試験 厚生労働大臣の定める基準に従って実施すること。 なお、発火等によって生じる化学物質が複数の化学物質の混合物として得られる場合には、成分ご とに分離して試験を行っても、混合状態のまま試験を行っても差し支えありません。 2 届出時に「有害性の調査の結果を示す書面」として提出すべき書類について 上記1の(1)及び(2)により試験を実施した場合、下記の(1)の書面に加えて、(2)及び(3)の書面を参考 資料として提出してください。 (1) 新規化学物質の発火等によって生じる化学物質の変異原性試験の結果報告書 ただし、発火等によって生じる化学物質について、厚生労働大臣が定める基準に従って有害性の調 査が行われ、その内容が文献等としてまとめられている場合には、当該文献等の写しに代えることが できます。 (2) 新規化学物質の発火性に関する試験(新規化学物質の発火等によって生じる化学物質の組成を確認す る試験を含む。)の結果報告書 なお、これに記載すべき事項は次のとおりです。 @標題 A試験施設等の名称及び所在地 B試験の責任者の職名及び氏名 C試験の開始日及び終了日 D被験物質の名称、純度、組成及び物理化学的性質 E試験の方法(観察、測定、検査及び分析の方法を含む。) F試験の結果及び考察 (3) 新規化学物質の発火又は新規化学物質と水との接触による可燃性ガス発生に関する化学反応式を示 した書面 【参考 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)(抜粋) 第一条の五 法別表第一備考第八号の空気中での発火の危険性を判断するための政令で定める試験は、自 然発火性試験とする。 2 前項の自然発火性試験とは、固体の試験物品にあつてはろ紙の上で発火するか否かを観察する試験(粉 末の試験物品を落下させ、発火するか否かを観察する試験を含む。)をいい、液体の試験物品にあつては 磁器の中で発火するか否かを観察する試験(試験物品がろ紙の上で発火するか否か、又はろ紙を焦がすか 否かを観察する試験を含む。)をいう。 3 法別表第一備考第八号の空気中での発火の危険性に係る政令で定める性状は、前項の自然発火性試験 において試験物品が発火すること又はろ紙を焦がすこととする。 4 法別表第一備考第八号の水と接触して発火し、又は可燃性ガスを発生する危険性を判断するための政 令で定める試験は、水との反応性試験とする。 5 前項の水との反応性試験とは、純水に浮かべたろ紙の上で試験物品が純水と反応して発生するガスが 発火するか否か、若しくは発生するガスに火炎を近づけた場合に着火するか否かを観察し、又は試験物 品に純水を加え、発生するガスの量を測定するとともに発生するガスの成分を分析する試験をいう。 6 法別表第一備考第八号の水と接触して発火し、又は可燃性ガスを発生する危険性に係る政令で定める 性状は、前項の水との反応性試験において発生するガスが発火し、若しくは着火すること又は発生する ガスの量が試験物品一キログラムにつき一時間当たり二百リットル以上であり、かつ、発生するガスが 可燃性の成分を含有することとする。