安全衛生情報センター
1 1,2−ジクロロプロパンを取り扱う業務について (1) 対象業務 委託に係る業務として、1,2−ジクロロプロパンを取り扱う業務 (2) 譲渡又は提供の抑制 委託者は、委託に係る業務に関し、可能な限り、家内労働者に1,2−ジクロロプロパン又は1,2− ジクロロプロパンの含有量が重量の1%を超える物(以下「1,2−ジクロロプロパン等」という。)を 譲渡し、又は提供しないこと。 (3) 委託者が講ずべき措置 ア 委託者は、委託に係る業務に関し、やむを得ず1,2−ジクロロプロパン等を家内労働者に譲渡し、 又は提供する場合は、家内労働法施行規則(昭和45年労働省令第23号。以下「家内則」という。)第 14条第1項の規定に準じて、家内則別表第1の有機溶剤等の項の下欄に掲げる事項を書面に記載し、 家内労働者に交付すること。なお、当該事項のうち「有機溶剤の人体に及ぼす作用」については、1, 2−ジクロロプロパンが長期間にわたる高濃度ばく露により、胆管がんを発症するおそれがある物質 である旨を記載すること。また、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第57条の2の規定に基づき、 家内労働者に対して安全データシート(以下「SDS」という。)を交付すること。 イ 委託者は、家内則第21条の規定に基づき、家内労働者又は補助者が危害防止のためにする1,2− ジクロロプロパンの蒸気の発散源を密閉する設備又は局所排気装置の設置について必要な援助を行う ように努めること。 (4) 家内労働者又は補助者が講ずべき措置 ア 家内労働者は、(3)のアにより委託者から交付された書面を作業場の見やすい箇所に掲示すること。 イ 家内労働者又は補助者は、(3)のアにより委託者から交付された書面に記載された注意事項を守る こと。 ウ 家内労働者は、家内則第18条の規定に準じて、1,2−ジクロロプロパンの蒸気の発散源を密閉す る設備又は局所排気装置を設けること。 エ 家内労働者又は補助者は、家内則第19条の規定に基づき、不浸透性の作業衣又は不浸透性の手袋を 使用すること。 2 屋内作業場において液体の化学物質及びその含有物を用いて行う印刷機又は金属類の洗浄(脱脂を含む。) 又は払拭の業務について (1) 対象業務 委託に係る業務のうち、屋内作業場において液体の化学物質及びその含有物を用いて行う印刷機又は 金属類の洗浄(脱脂を含む。)又は払拭の業務。ただし、有機化合物の含有量が重量の5%以下の化学物 質のみを用いるものを除く。 (2) 危害防止のための書面の交付等 ア 委託者は、(1)の業務に関し、液体の化学物質及びその含有物を家内労働者に譲渡し、又は提供す る場合には、有機溶剤等に該当しない場合を含め、家内則別表第1の有機溶剤等の項の下欄に掲げる 事項を書面に記載し、家内労働者に交付すること。また、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第31 8号)別表第9に掲げる化学物質はもちろんのこと、その他の化学物質についても労働安全衛生規則(昭 和47年労働省令第32号)第24条の15の規定に基づき、家内労働者に対してSDSを交付すること。 イ 家内労働者は、アの書面を作業場の見やすい箇所に掲示すること。 ウ 家内労働者又は補助者は、アの書面に記載された注意事項を守ること。 (3) 設備等の設置 ア 家内労働者は、取り扱う化学物質が有機溶剤等に該当しない場合を含め、化学物質の蒸気の発散源 を密閉する設備、局所排気装置、全体換気装置又は排気筒を設けるよう努めること。 イ 委託者は、家内労働者又は補助者が危害防止のためにする化学物質の蒸気の発散源を密閉する設備、 局所排気装置、全体換気装置又は排気筒の設置について必要な援助を行うよう努めること。 (4) 保護具等の使用 ア 家内労働者又は補助者は、取り扱う化学物質が有機溶剤等に該当しない場合を含め、防毒マスクを 使用すること。ただし、化学物質の蒸気の発散源を密閉する設備局所排気装置又は全体換気装置が設 置されている場所における業務については、この限りでない。 イ 家内労働者又は補助者は、液体の化学物質及びその含有物であって、皮膚に障害を与える物質又は 皮膚から吸収されて中毒を起こすおそれのある物質を取り扱う業務に従事する場合には、当該物品が 有機溶剤等に該当しない場合を含め、不浸透性の作業衣又は不浸透性の手袋を使用すること。 (5) 引火等の防止 家内労働者又は補助者は、家内則第20条に規定する引火性の物品を取り扱う場合には、火気その他着 火源となるおそれのあるものに接近させない等火災を防止するための措置を講ずること。家内労働における洗浄又は払拭の業務等における化学物質のばく露防止対策の概要(PDF:90KB)