安全衛生情報センター
1 趣旨目的 近年、生産工程等の多様化・複雑化が進展し、事業場内の危険や有害性が多様化していることから、 事業者は労働安全衛生法令に規定されている危害防止基準の遵守は勿論のこと、事業場内の危険・有害 要因等について自ら予防的にリスクアセスメントを実施することが、労働災害の減少に効果的である。 また、新成長戦略の工程表においては、「労働災害防止のため、事業者による労働災害の低減の取組 を強化」と記載されているところであるが、災害発生率の高い50人未満の中小零細規模事業場に対する リスクアセスメントの普及のための指導の強化が労使双方からも求められており、中小零細規模事業場 に対する支援が喫緊の課題となっている。 しかしながら、中小零細規模事業場においては、リスクアセスメントを適切に実施できるノウハウや これを担う人材が十分ではない。 このため、できるだけ多くの中小零細規模事業場においてリスクアセスメントが円滑に導入・実施さ れるよう、労働災害多発業種の中小零細規模事業場の集団を選定して、リスクアセスメントに関する実 践的な研修を実施することにより、中小零細規模事業場における労働安全衛生水準の向上を図ることと する。 2 事業の概要 災害多発業種の中小零細規模事業場が多数を占める工業団地や協議会組織等から各労働局により選定 された全国90事業場集団に対してリスクアセスメントの導入に関する基礎的な座学研修(1集団30人程度) を行うとともに、各集団を10人程度の小グループに分け、計270小集団に対して、演習形式の実践的な研 修を実施し、事業場におけるリスクアセスメントを実施できる人材を育成する。また、研修実施により 事業場から入手した好事例を含む報告書を作成し、中小零細規模事業場へのリスクアセスメントの普及 促進に役立てる。 (事業の流れは別紙1参照) 注) 災害多発業種とは、災害発生率が高い、災害発生件数が多い、又は災害増加率が高い業種である。 3 対象事業場集団選定の手順 (1) 事業場集団の各県の配分数 本省より各都道府県労働局に対して、最低1集団を割り当てた上で、災害発生件数、災害減少率等を 勘案の上、合計90集団となるよう、集団数を配分する(別紙2)。 (2) 対象事業場集団の選定 各労働局は、災害多発業種の50人未満規模模事業場が多数を占める工業団地、業種別協議会組織な どから、各局に対する割当数に応じて、本事業の対象事業場集団を選定する(6月中旬までに選定する よう労働局に対して指示する予定)。 4 研修の対象者 本事業の研修の対象者は、選定された事業場集団内の中小零細規模事業場における安全担当者とする。 5 実施事項 本事業については、本項に掲げる事項一切を本事業費により支出し、研修会への受講費を無料として 実施するものであること。 (1) 研修の実施場所 ア 研修の実施場所は、事業場集団内の会議室又は付近の公共施設の会議室とする。 イ 会議室の大きさは、参加者全員が着席・収容できる大きさとする(1集団につき30人程度)。 (2) 研修の実施回数 研修については、座学による研修を90集団に対して行った後、各集団の研修参加者を10人程度の小 グループに分け、演習を主体とした実践研修を計270小集団に対して行う。 (3) 研修の講師 研修の講師は、本事業の趣旨目的を遂行できる者(下記ア、イに掲げる者)を選定する。 ア 労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントの資格を有し、リスクアセスメントに関す る研修実務の経験を有する者であること。 イ 上記資格者の確保が困難な場合、これと同等以上の能力を有する者として、当該業種における産 業安全又は労働衛生に関する実務経験を10年以上有することに加え、リスクアセスメントに関する 研修実務の経験を有する者であること。 (4) 研修のカリキュラム 研修のカリキュラムは、次のとおり、座学と演習の2回に分けて行う(別紙3)。 [1] リスクアセスメントの進め方の基本を習得する座学研修(3時間30分) (講義1時間30分、簡単な演習2時間) [2] 発表、演習を中心としたリスクアセスメントの実践研修(4時間) (5) 研修の実施時期(8月〜翌年1月) 8月から1月にかけて、上記(2)のとおり、座学研修と演習主体の研修を実施する。 両研修の間隔は、事業場で課題を実施する必要があることから、1回目と2回目との間は、適度な期間 をおくものとする(1ヶ月以上2ヶ月以内)。 (6) 研修会のテキストの準備(6〜7月) 研修会において使用するテキストは、23年度本委託事業により作成した受講者用「リスクアセスメ ントのすすめ方」及び講師用「リスクアセスメント担当者養成のための研修」を基として、各業種共 通にみられる汎用性のある作業に関する演習課題を2題ほど追加したものを作成、準備する。テキスト の作成に当たっては、3名ほどの有識者による委員会を1回開催し、既存のマニュアルその他リーフレ ット(別紙4)を活用する。 また、厚生労働省から交付したテキストの著作権等の権利は厚生労働省に帰属することから、本事 業の目的以外に当該テキストを印刷製本、使用しないこと。 (7) 研修会のスケジュール調整、参加勧奨等研修会準備(6、7月) 各労働局により対象集団として選定された事業場集団の代表者と連絡調整の上、研修スケジュール を調整する(別紙5)。その上で、事業場集団と連携の上、集団内の事業場(最大30事業場×90集団)に対 して、研修の趣旨・目的、内容及びスケジュールを示した案内を通知し、30人の参加を目途に参加勧 奨を図る(別紙6)。 (8) 研修の受講者数の目安 [1] 集団ごとに実施する座学研修について、1回当たりの受講者は30人以内(1事業場につき原則として 参加者は1人とする)とする。 [2] 小集団に分けて実施する実践研修について、1回当たりの受講者は10人以内とする。 小集団の分け方については、同業種、同程度の規模など、事業場の類似性を考慮する。 (9) 取組状況の把握 研修会場において、事業場におけるリスクアセスメントの取組状況又は今後の取組予定等を把握す るため、アンケート調査(別紙7)を行うこと。 また、研修修了者に対しては、研修受講修了証(別紙8)を交付、提供する。 (10) 好事例の報告書の作成(1,2月) 業種毎にリスクアセスメントへの取組の具体的好事例を掲載した形の報告書(1事例1ページで30ペ ージ程度)を2月末までに作成し、参加事業場に配布する。 本報告書は、各労働局における集団指導や個別指導にも活用できるものとし、その様式、内容につ いては厚生労働省と協議すること。 なお、前年度事業で作成した好事例の報告書を参考として別途提示する。 (11) 事業場名簿の作成・整理 本研修事業に参加した事業場について、集団毎に名簿として整理した上で2月末までに各労働局に 提出すること。 6 報告書 受託者は、業務結果を取りまとめ、以下に定めるとおり報告書を提出すること。 (1) 紙媒体 A4版 2部 (本文30〜50頁、添付資料として、研修会で使用したテキスト、資料、対象集団 毎の受講事業場名簿、上記5(10)好事例報告書、受講事業場から提出のあったリスクアセスメント実施 事例)。 (2) 報告書の電子データを収納した電子媒体(CD-ROM) 1式(仕様は※参照) (3) 報告書の記載事項及び報告書の様式は厚生労働省と協議すること。 (4) 平成25年3月29日までに厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課あて提出のこと。 ※ 電子データの仕様 (1) Microsoft社WindowsXP SP2上で表示可能なものとする。 (2) 使用するアプリケーションソフトについては、以下のとおりとする。 ・文章;ワープロソフトJustsystem社一太郎(2007以下)、又はMicrosoft社Word(ファイル形式はWord 2007以下) ・計算表;表計算ソフトMicrosoft社Excel(ファイル形式はExcel2003以下) 7 個人情報の保護等 本事業を通じ入手した個人情報については、個人情報保護に関する法律及びその他の法令を遵守する とともに、締結した本事業の契約書の個人情報の取扱い条項等に基づき取り扱うこと。 また、個人情報を含めて本事業に関する情報についても、本事業の実施及び厚生労働省への報告以外 の目的に使用しないこと。 8 契約期間 契約締結日から平成25年3月29日まで 9 留意事項 (1) 進捗状況等の報告 上記7に定める報告とは別に、事業実施の進捗状況等について四半期毎にとりまとめ、厚生労働省労働 基準局安全衛生部安全課に提出するとともに、必要に応じ委託者から要請があった場合にも提出すること。 (2) その他 以上に示すものの他、事業の実施に当たって必要な事項は、厚生労働省と協議して決定するものとする。 (別紙3以降は省略)別紙1(PDF:308KB)