安全衛生情報センター
建設業における労働災害防止につきましては、平素から格段の御理解、御協力をいただきお礼申し上げ ます。 さて、平成23年3月11日に平成23年東北地方太平洋沖地震が発生し、建設物、交通機関、電話、電気、 ガス、水道等の施設に大きな被害が発生しました。 政府においては、災害応急活動に総力を挙げて取り組んでいるところでありますが、今後、災害の状況 に応じ、地域によっては被害を受けた建設物の解体・改修工事や交通機関等の災害復旧工事を早急に進め ることが必要となります。 つきましては、災害復旧工事における労働災害防止対策のより一層の徹底を図るため、特に下記の労働 災害防止に十分留意した施工が行われるよう、貴協会会員各位に対し周知を図られたくお願いいたします。
1 余震の発生に留意した安全な施工 引き続き余震が発生する可能性があるので、津波による災害を含め余震による二次災害の防止に留意 した安全な施工の徹底を図ること。 2 土砂崩壊災害の防止 作業箇所等を事前に十分に調査し、調査結果を踏まえた作業計画を策定した上で、これに基づき作業 を行うこと。 点検者を指名して、地山の異常をできるだけ早期に発見するよう努めること。 土砂崩壊のおそれがある場合には、あらかじめ堅固な構造の土止め支保工を設けること。 3 港湾施設、防波堤、道路、鉄道等の復旧工事における災害の防止 港湾施設や防波堤の補修工事、路盤の補修、軌道の付替、橋桁や橋脚の補修工事等が行われることが 予想されるため、移動式クレーン、建設機械等による災害の防止対策のほか、津波による災害の防止等 の徹底を図ること。 4 電気・通信工事における災害の防止 電気・通信施設の復旧のためには、高所作業、高所作業車を用いる作業等が行われるので、墜落防止 措置、高所作業車の転倒防止措置等の徹底を図ること。 5 ガス・水道復旧工事における災害の防止 掘削作業に伴う土砂崩壊災害防止措置のほか、各種の建設機械等による災害の防止対策の徹底を図る こと。 6 建築物等の解体、改修工事、がれきの処理における石綿等ばく露の防止 防じんマスクの使用等の石綿粉じんのばく露防止対策の徹底を図ること。 7 土石流災害の防止 作業場所から上流の河川の形状等を事前に十分に調査すること、土石流の早期把握等の措置を講ずる ための警戒降雨量基準、作業を中止して労働者を退避させるための作業中止降雨量基準等を必要に応じ 見直すこと、警報用設備及び避難用設備の点検を実施するとともに、警報及び避難の方法等について労 働者に十分周知すること等により、土石流災害防止対策の徹底を図ること。