別紙1-1

複数の労働者が一酸化炭素(CO)により休業4日以上の労働災害に被災した例

(※ 休業人数は4日以上のみ)

1 調理室内のガスコンロによるCO中毒

平成22年9月(社会福祉施設:休業4名)

調理室で4人の作業者がガスコンロを使用して園児の給食の調理を行っていたところ、2人が息苦しさやめまいを訴え倒れ病院に搬送されCO中毒と診断された。残る2人についても病院で診察を受けたところCO中毒と診断された。

使用していたガスコンロの不完全燃焼が原因と推定される。

2 調理室内の炭火によるCO中毒

平成22年7月(一般飲食店:休業2名)

一般飲食店の店内において、開店準備のためホルモンを焼くための炭に火を起こす作業を行い、炭を燃焼させ続けていたところ発生したCOにより中毒を起こしたもの。

3 食器洗浄室内のLPガスの使用によるCO中毒

厨房の食器洗浄室内において、被災者3名が食器洗浄機(LPガスを用いた給湯器付き)の周囲で食器の洗浄作業を行っていたところ、動悸、目まい等を訴えて救急搬送された。災害発生の原因として、給湯器の不完全燃焼によりCOが発生し、周囲に充満したこと。が推定される。災害発生時に、給湯器の排気筒(ステンレス鋼板を曲げ、溶接加工したもの)の一部が脱落して煙道を塞ぎ、排気不良になっていた。

4 食料品製造場所のLPガスバーナーの不完全燃焼による一酸化炭素中毒

平成22年7月(その他の食料品製造業:休業3名)

LPガスを熱源とする内径64センチ、深さ32センチの練り攪拌機を使用し、玉こんにゃくのたれ製造作業中、練り攪拌機のバーナーの不完全燃焼により、3名の労働者が次々と気分が悪くなり、救急車で病院に搬送され、CO中毒と診断されたもの。

5 ブルーシート養生内の内燃機関の使用による一酸化炭素中毒

平成22年3月(建築設備工事業:休業2名)

中学校の給食用厨房排水設備改修工事現場において、コンクリート床面に排水溝を敷設するため、切削粉が飛散しないよう木材で矢倉を組んでブルーシートで覆って養生し、その内部で内燃機関を動力とする手押し式コンクリートカッターを使用して、敷設予定箇所のコンクリート床面を切削していたところ、 当該カッターを操作していた労働者と手元作業員の2名がCO中毒となったもの。

6 換気扇を停止した厨房内のCO中毒

平成21年7月(その他の接客娯楽業及び派遣業:休業2名)

クッキー等の菓子製造を行う厨房(約4m×約13m×高さ約2.7m)において、換気扇を全て停止した状態でガスオーブンを使用していたところ、労働者2名が体調の不調を訴えたため、病院へ搬送された。その際、血液検査の結果一酸化炭素中毒と診断された。なお、念のため、他の労働者4名も病院で検査を受け、 同様の診断を受けた(休業1日3名、不休1名)。

7 ホテルの地下に設けられた気流が還流したCO中毒

平成21年6月(旅館業、病院業及び印刷業:死亡1名、休業2名)

修学旅行の小学生、教師等80名が宿泊先のホテルに滞在していたところ、同ホテルの地下1階に設けられている給湯用に使用しているボイラの不完全燃焼により発生したと思われるCOが排気管から2、3階に漏れ、3階にいた関係者及び救助の消防隊員らが中毒をおこした。

卒業アルバム用写真撮影のため同行していたカメラマンが死亡。病院に搬送された被災者は計22名

8 吹付け石綿の除去工事での内燃機関の使用によるCO中毒

平成20年3月(その他の建築工事業:休業6名)

吹き付け石綿の除去工事において、1階の養生した部屋の内部で除去作業を行っていたところ、1階の別の部屋に設置してあった発電機(ガソリンエンジン)の排ガスが、クリーンルームを通って、養生した部屋の内部に流れ込み、その部屋で作業を行っていた3人と発電機が設置してある部屋の上方の階にいた3人がCO中毒を発症したもの。