法令 安全衛生情報センター:ホームへ
ホーム > 法令・通達(検索) > 法令・通達

 
                                           (別添)
                                        基安発第0421001号
                                       平成21年4月21日
社団法人日本基礎建設協会会長
全国基礎工事業協同組合連合会会長
社団法人全国建設業協会会長
社団法人日本建設業団体連合会会長
社団法人日本土木工業協会会長
社団法人建築業協会会長
社団法人全国中小建築工事業団体連合会会長
社団法人建設産業専門団体連合会会長
建設業労働災害防止協会会長
社団法人建設荷役車両安全技術協会会長
社団法人日本クレーン協会会長
かっこ あて
                               厚生労働省労働基準局安全衛生部長


       ビル建築に伴う基礎工事に係る労働災害防止対策の徹底について

 ビル建築をはじめとする建設工事における労働災害の防止につきましては、平成19年3月22日付け基発
第0322002号「建設業における総合的労働災害防止対策の推進について」等に基づき、かねてからその徹
底を図っているところであり、貴会におかれても会員事業場に対する指導等の徹底を図っていただいてい
るところですが、本年4月14日、別添のとおり、東京都千代田区のビル建築現場において、基礎工事作業
中に基礎工事用機械(アース・ドリル)が転倒し、当該機械を運転していた労働者1名が被災するととも
に、歩行者2名、路上車両の搭乗者3名が被災するという重大な災害が発生したことは誠に遺憾であります。
 本災害の原因につきましては現在調査中ですが、建設現場で使用する機械の転倒については、労働者の
みならず、歩行者等が被災する重大な災害につながるおそれが高いことから、同種災害の防止に当たって
は、特に下記の事項に留意の上、関係事業者が協議のもと、危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメ
ント)を実施し、その結果を踏まえた作業を行うよう会員事業場に周知、指導していただくよう要請しま
す。

                       記

1 作業計画等について
(1)基礎工事用機械(アース・ドリル)等の車両系建設機械を用いて作業を行う場合には、あらかじめ、
  作業場所の地形、地質の状態等を調査するとともに、これに適応した作業計画を策定し、当該作業計
  画により作業を行うこと。なお、作業計画の策定に当たっては、以下の事項を含むものとすること。
  [1] 使用する機械、設備の配置
  [2] 敷鉄板の敷設等地盤強度の確保方法
  [3] 当該機械、設備を用いて行う作業の方法
  [4] 作業に必要な資材や作業の結果生ずる排土等の置き場所
  [5] 作業用の仮設の建築物の配置
(2)作業に使用する車両系建設機械の選定に当たっては、メーカー等が示した仕様書等に示された内容
  をもとに、[1]仕事を行う場所の地形(周辺状況を含む。)及び地盤の状況、[2]想定される作業内容
  に応じた能力のものとすること。
   特に、基礎工事用機械(アース・ドリル)を用いて行う「場所打ち杭」の設置におけるコンクリー
  ト打設後の表層ケーシング引き抜き作業に当たっては、十分な能力を有する移動式クレーンを使用す
  ること。この際には、上記(1)の作業計画にこれに関して必要な事項を盛り込み、当該作業計画に基
  づき作業を行うこと。
(3)作業内容に変化が生じた場合には、作業計画の見直しを検討すること。

2 作業者の資格等について
(1)車両系建設機械や移動式クレーン等の運転に当たっては、その能力等に応じた資格等(免許、技能
  講習、教育)を有する者を就かせること。
(2)関係労働者に対し、別添資料を活用して説明を行う等により、同種災害防止対策の徹底を図ること。

3 その他
(1)アウトリガー又は拡幅機能付きのクローラを有する機械を用いて作業を行う際は最大に張り出して
  使用すること。
(2)大雨、大雪等の悪天候により、地盤の悪化が予想される場合には作業方法の改善等を検討すること。
(3)強風時における作業中止の基準を明確にしておくこと。