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グルタルアルデヒドに関する情報
1 名称
グルタルアルデヒド
(別名:1,5-ペンタンジオン、グルタラール)
2 構造式
CHO-(CH2)3-CHO
3 用途
医学的消毒(滅菌)、皮膚組織標本、なめし剤、紙・プラスチック等への定着剤として使用される。
なお、医学用消毒(内視鏡の殺菌消毒、医療器具の化学的滅菌又は殺菌消毒)としては、グルタルアルデヒ
ドを2〜20%含有する「グルタラール製剤」として販売、使用されている。
4 物理化学的性質
分子量:100.13
融点:-14℃
沸点:187〜189℃(分解)
引火点:71℃
発火点:225℃
比重:0.72(20/4℃)
蒸気圧:2.3kPa(17mmHg)(20℃)
蒸気密度:3.45(空気=1)
無色の液体。水と混和し、アルコール、エーテル、ベンゼンに溶解する。
タンパク質変性作用を有する。
特異な刺激臭を有する。
5 有害性
眼、皮膚、呼吸器に対する激しい刺激性を有する。眼は発赤し痛みを感じ、皮膚も発赤し、吸入により咳、
頭痛、息苦しさ、吐き気を催す。
反復又は長期接触すると皮膚感作され、長期吸入により喘息を起こす。
がん原性については、ラット及びマウスを用いた吸入によるがん原性試験では否定されているが、人に対
するがん原性に関する評価は定まっていない。
微生物等に対する変異原性が認められている。(平成10年10月30日付け基発第625号通達により「変異原性
が認められた化学物質」とされている。)
6 ばく露限界濃度
米国労働衛生専門家会議(ACGIH):TLV-Ceiling(天井値)0.05ppm
英国安全衛生庁(HSE):TLV 0.05ppm
7 応急措置
眼に入った場合には、多量の水で洗い流すこと。
皮膚に付着した場合には、汚染された衣服を脱がせ、水と石けんで皮膚を洗浄すること。
吸入した場合には、新鮮な空気を吸わせ、安静にすること。また、必要な場合には人工呼吸を行うこと。
飲み込んだ場合には、口をすすぎ、また、水や牛乳を飲ませて、胃の内容を希釈した後、すみやかに医療
機関を受診すること。
8 こぼれた場合の措置
グルタルアルデヒドがこぼれた場合には、十分な換気を行い、モップ等で速やかにふき取り、ふき取った
モップ等は直ちに大量の水ですすぐか、又はふた付きの容器に納めておくこと。また、多量にこぼれた場合
は、亜硫酸水素ナトリウムで中和した後、同様の手順でふき取ること。
なお、こぼれたグルタルアルデヒドのふき取り等を行う場合には、労働者に有効な呼吸用保護具、保護眼
鏡、不浸透性の保護衣、保護手袋等を使用させること
9 廃棄する場合の措置
グルタルアルデヒド又はこれに汚染されたものを廃棄する場合には、排水処理又は燃焼処理をすること。
10 名称、取扱いの注意等の通知
グルタルアルデヒドは、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第57条の2の規定に基づき名称、取扱いの注
意等を文書で通知すべき物であるが、殺菌消毒剤としてのグルタルアルデヒドは医薬品であるため、薬事法
(昭和35年法律第145号)第52条に基づき添付文書等に用法、用量その他使用及び取扱い上の必要な注意等を記
載することが義務づけられており、労働安全衛生法第57条の2の適用除外となる。
参考文献
(1)国際化学物質安全カード(ICSC)
(2)化学物質評価研究機構「化学物質安全性(ハザード)評価シート」
(3)中央労働災害防止協会「化学物質の危険・有害便覧」
(4)化学工業日報社「14504の化学商品」