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基安発第1022001号
平成16年10月22日
建設業労働災害防止協会会長 殿
厚生労働省労働基準局
安全衛生部長
災害復旧工事等における労働災害防止対策の徹底について
建設業における労働災害防止につきましては、平素から格段の御理解、御協力を頂き御礼申し上げます。
さて、本年は現在までに史上最多の10個の台風が上陸し、これまで各地に多大な被害がもたらされま
したが、今後、これらの被害に関連して災害復旧工事が開始され、工事量が増大することが予想されま
す。このため、労働災害の発生が懸念され、特に土砂崩壊及び土石流による災害の発生が危惧されると
ころです。
つきましては、災害復旧工事等における労働災害防止対策のより一層の徹底を図られるとともに、特
に土砂崩壊及び土石流による災害を防止するため、下記の事項にも十分留意した施工が行われるよう貴
協会会員各位に対し、徹底を図られたくお願いいたします。
記
1 土砂崩壊災害防止措置
(1) 工事の施工に当たって、作業箇所及びその周辺の地山について、形状、地質及び地層の状態、亀
裂、含水及び湧水の状態等をあらかじめ十分に調査すること。また、台風による大雨の降雨前か
ら着工している工事にあっても、必要に応じ、改めて同様の調査を行うこと。
(2) 上記(1)の調査結果を踏まえ、作業計画を定め又は作業計画を変更し、これに基づき作業を行う
こと。
(3) 点検者を指名して、作業箇所及びその周辺の地山について、通常の場合よりも頻度を高めて点検
を行うことにより、地山の異常をできるだけ早期に発見するよう努めること。また、必要に応じ、
地山の状況を監視する者を配置すること。
(4) 土砂崩壊のおそれがある場合には、あらかじめ堅固な構造の土止め支保工を設ける等土砂崩壊に
よる災害を防止するための措置を講じること。なお、上下水道等工事に関しては土止め先行工法
を採用すること。
また、上下水道等工事以外の工事に関しては、土止め支保工を設ける等の作業中における災害
の防止にも留意すること。
(5) 急迫した危険が生じた場合における緊急連絡体制を確立するとともに、避難の方法等について労
働者に十分周知すること。
2 土石流災害防止措置
(1) 土石流危険河川における工事の施工に当たっては、作業場所から上流の河川の形状、その周辺に
おける崩壊地の状況等についてあらかじめ十分に調査すること。また、台風による大雨の降雨前
から着工している工事にあっても、必要に応じ、改めて同様の調査を行うこと。
(2) 土石流の早期把握等の措置を講ずるための警戒降雨量基準、作業を中止して労働者を退避させる
ための作業中止降雨量基準等を、必要に応じ見直すこと。また、降雨量が警戒降雨量基準に達し
ていなくても、危険が予想される場合には、作業場所から上流の状況を監視する等の措置を講じ
ること。
(3) 警報用設備及び避難用設備の点検を実施するとともに、警報及び避難の方法等について労働者に
十分周知すること。
(4) 急迫した危険が生じた場合における緊急連絡体制を確立するとともに、避難訓練を臨時に実施し、
労働者の安全に対する意識を高揚すること。また、これらの際には必要に応じ、近接して作業を
行う異なる元方事業者と連携すること。