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表5 防じんマスク 
検定項目
検定の方法
判定基準
1 設計審査  構造、機能等について、申請書、構造図、説明書及びあらかじめ行った試験の結果を記載した書面により確認すること。 ・防じんマスクの規格(以下この表において「規格」という。)第1条から第7条までに適合していること。
2 外観検査
(1)  設計審査により確認した構造図と現品を照合すること。
(2)  防じんマスクの形状に応じた種類について、規格の区分に適合していることを目視及び書類の記載事項により確認すること。
(3)  次の点に留意して、書類の記載事項、現品の目視及び装着により、構造を確認すること。
 
[1] 死積(V)が著しく大きいものでないことを、書類の記載事項及び二酸化炭素濃度上昇値(C,%)から次式で換算した値で確認すること。
   V(cc)=(2000×C)/5(%)
[2] 全面形の面体を有するものであって、アイピースが曇らないことを確認する際には、アイピースに直接呼気がかかると曇りやすいので呼気を止めて装着すること。
[3] 取替え式防じんマスクの密着の確認については、陽圧法又は陰圧法があること。密塞具を使用する場合は、図面に密塞具を記載させ、サンプルを提出させること。掌で覆う方式は手の大きさに依存するので、開口面積が大きいものは不適当であること。
[4] 使い捨て式防じんマスクについては、装着して頭部運動や口周り運動を試みること。
[5] 吸気弁及び排気弁については、装着して呼吸したとき、吸気弁と排気弁が作動することを知覚できることを確認すること。また、吸気弁及び排気弁が作動したときに弁座、カバー等に引っかからないことを確認すること。
[6] 連結管については、180度に曲げても通気があることを確認すること。
・構造図と現品に差異がないこと。
・規格第1条、第4条及び第5条に適合していること。
3 材料検査
(1)  人体の皮膚に障害を与えるおそれのない材料を使用していること及び障害が生じた時の注意事項が書かれていることを書面により確認すること。
(2)  人がろ過材を通じて空気を吸入しても障害を与える可能性がないことを確認すること。
(3)  書類の記載事項及び装着、目視等により異常がないことを確認すること(サンプル数1)。
・規格第2条に適合していること。
4 強度試験  規格第3条の試験方法及び以下の試験方法により、強度試験を行うこと。
(1)  しめひも取付部分及びしめひもについては、以下の[1]から[3]までのいずれかの試験により、面体としめひもの取付部、しめひも、ひも調整部及びその他部品としめひもの連結部において破断又は離脱がないことを確認すること(サンプル数3)。
 
[1] 引張試験器により一定の速度(200mm/min)で装着時と同じ方向に引っ張る。
[2] バネばかり等のはかりをしめひもの一端に掛け、他端を手で引いて所定の強度まで引く。引っ張り速度は一定ではない。
[3] 一定質量の錘(おもり)(ブロック、ダンベル等)に鈎(かぎ)を付け、固定した面体のしめひもの一端に鉤(かぎ)で錘(おもり)を吊って荷重をかける。
(2)  隔離式防じんマスクの連結管取付部分及び連結管については、以下の[1]から[3]までのいずれかの試験により、連結管(途中で接続する構造のものはその接続部を含む)とその両端部の連結管取付部分において破断又は離脱がないことを確認すること(サンプル数3)。
 
[1] 引張試験器により一定の速度(200mm/min)で装着時と同じ方向に引っ張る。
[2] バネばかり等のはかりを連結管の一端に掛け、他端を手で引いて所定の強度まで引く。引っ張り速度は一定ではない。
[3] 一定質量の錘(おもり)(ブロック、ダンベル等)に鈎(かぎ)を付け、固定した連結管の一端に鉤(かぎ)で錘(おもり)をつって荷重をかける。
・規格第3条の条件に適合していること。
5 構造検査  吸気補助具付き防じんマスクの使用が想定され得る環境において、吸気補助具の作動に支障が出ない程度の防水・防じん構造を有していることを書面により確認すること。
(粒子捕集効率試験)
(1)  試験粒子が塩化ナトリウムの場合
 
[1] 粒子捕集効率測定器で測定すること(サンプル数8)。
[2] 塩化ナトリウム粒子発生は、2%塩化ナトリウム水溶液のネブライザーによる空気中噴霧方式を使用すること。噴霧空気圧及び希釈空気流量を試験時に調整して、試験空気流中の塩化ナトリウムの濃度を30〜35mg/m3に設定すること。
[3] 粒子捕集効率試験の試験粒子の粒径分布が規格どおりであることをスキャンニングモビリティーパーティクルサイザー(SMPS)で事前に確認すること。
[4] 粒子濃度測定は、白色光による散乱光強度を測定すること。
[5] K値(粒子の質量濃度及び散乱光強度の間の変換係数)を用いて散乱光強度から質量濃度を算出すること。
[6] 使い捨て式及び取替式マスク現品の装置への装着状態は以下のとおりとすること。
    
    平面トレー 呼吸器部ダミー
   (使い捨て式) (取替式)
[7] 現品のろ過材上に塩化ナトリウムを含む空気を供給し、塩化ナトリウム粒子の累積供給量が100mgになるまでの経過において約1分毎に粒子捕集効率を測定し、その間の最低粒子捕集効率が基準値以上であること。
[8] サンプル8個のすべてにおいて上記の捕集効率が観察されること。
(2)  試験粒子がフタル酸ジオクチル(DOP)の場合
[1] 粒子捕集効率測定器で測定すること(サンプル数8)。
[2] DOP粒子発生は、DOPのネブライザーによる空気中噴霧方式を使用すること。噴霧空気圧及び希釈空気流量を試験時に調整して、試験空気流中のDOPの濃度を50〜80mg/m3に設定すること。
[3] 粒子捕集効率試験の試験粒子の粒径分布が規格どおりであることをスキャンニングモビリティーパーティクルサイザー(SMPS)で事前に確認すること。
[4] 粒子濃度測定は、白色光による散乱光強度を測定すること。
[5] K値(粒子の質量濃度及び散乱光強度の間の変換係数)を用いて散乱光強度から質量濃度を算出すること。
[6] 現品の装置への装着状態は、(1)の[6]と同様とすること。
[7] 現品のろ過材上にDOPを含む空気を供給し、その中のDOP粒子の累積供給量が200mgになるまでの経過において約1分毎に粒子捕集効率を測定し、その間の最低粒子捕集効率が基準値以上であること。
[8] サンプル8個のすべてにおいて上記の捕集効率が観察されること。
  (吸気抵抗試験)
 通気抵抗試験器に現品を取り付ける方向は、実際に装着する方向と同じ方向とすること(サンプル数3)。
(排気抵抗試験)
 通気抵抗試験器に現品を取り付ける方向は、実際に装着する方向と同じ方向とすること(サンプル数3)。
(排気弁の作動気密試験)
 排気弁の気密試験器に現品を取り付け測定すること(サンプル数3)。
(二酸化炭素濃度上昇値試験)
 二酸化炭素濃度測定器に装着した現品に風速0.5m/sの風を当て、排気弁より排出される二酸化炭素が空気取入れ口周辺に滞留しないようにすること(サンプル数1)。
・規格第5条の条件に適合していること。
6 性能試験  表示及び書類の記載事項を確認すること。 ・規格第7条に適合していること。
 備 考  規格第8条の規定による適用除外を受けた防じんマスクについては、適用しないこととされた規定に関する検定の実施に代えて、適用除外を受けた際の条件に適合していることを確認すること。