日本バイオアッセイ研究センターにおけるエピクロロヒドリンのラットを
用いた吸入による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験結果の概要
1 方法
(1) 対象動物
Crj:CD(SD)IGSラット(8週令)の雄雌各群10匹
(2) 投与方法
被験物質投与群4群及び対照群の5群構成とした。投与濃度は12.5ppm、25ppm、50ppm、100ppmとし、
エピクロロヒドリンの全身ばく露を行った。
(3) 投与期間
投与はエピクロロヒドリンを含む空気を各濃度で1日6時間、雄には交配前2週間、交配期間2週間及
び交配期間終了後2週間の計6週間(42日間)、雌には交配前2週間、交配期間(最長2週間)及び妊娠19日
まで(交尾不成立雌は妊娠25日相当日まで)の計41〜53日間連続して全身ばく露することにより行った。
なお、試験法はOECDテストガイドライン(422)に準拠した。
2 結果の概要
(1) 反復投与毒性については、雌雄ともに50ppm以上で体重増加の抑制、摂餌量の減少が認められ、25
ppm以上で上部気道から肺の炎症性変化が認められた。
なお、雄雌とも死亡例はなく、一般状態に影響は認められず、全投与群で血液・生化学検査、尿検
査において影響は認められなかった。
(2) 生殖発生毒性については、雌では、100ppmで交配前投与期間中に発情周期の乱れ、交尾率の低下が
認められ、25ppm以上で妊娠率の低下が認められ、12.5ppmで出生児数の減少(着床数の減少)が認めら
れた。また、雄では、全投与群で精子運動能の低下が認められた。