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別添1 製鉄事業場におけるガスホルダーの爆発災害について 1 災害発生日時 平成15年9月3日(水) 午後7時45分頃 2 災害発生場所 新日本製鐵株式会社名古屋製鐵所 3 被害の概要 (1)人的被害 負傷17名(休業1名、不休16名) (当該事業場の労働者12名、構内請負事業場の労働者5名) (2)物的被害 爆発災害を起こしたガスホルダー(4万m3)が全壊し、隣接する2基のガスホルダー(各10万m3)も著しく 損傷した。 4 災害発生状況等の概要 (1) 爆発したコークスオーブンガス(COG)ホルダーは、高さ50メートル、直径30メートルの円柱形の鋼製タ ンクで、コークス炉にて発生するCOG(水素、一酸化炭素を主成分とする可燃性のガス)を貯留する設備 である。 (2) COGは、コークス炉で石炭を乾留(蒸し焼き)してコークスを製造する過程で発生するガスであり、ボイ ラー、発電所等の燃料として再利用している。COGガスホルダーは、そのCOGの送給量を調整するための 設備である。 (3) 当該ガスホルダーの内部にはピストンが設けられており、COGの発生量及び消費量に応じて自動的に上 下する機構となっている。そのピストンには、バランスを保つために、ピストンの上側と下側の両方に 円周に沿っておもりが配置されている。 (4) 周辺には爆発したガスホルダーを含め3基のガスホルダーが設置されており、運転業務はガスホルダー から200メートル離れた中央操作室で行われていた。 (5) 午後7時40分頃、中央操作室のCOGガスホルダーピストン下下限アラームが反応し、地響きのような音 響を感じ、煙が上がっているのが目撃された。 (6) 午後7時45分頃、激しい爆発音とともにガスホルダーが爆発した。 5 推定される災害発生原因 (1) ガスホルダーのピストン下部のおもりをつり下げている鋼製吊りフレームの一部が著しく腐食し、フ レームが破断したことによりおもりが落下したため、ピストンが傾き、これにより生じた側壁との隙間 からピストン下部の可燃性ガスがガスホルダー上部に漏えいしたこと。 (2) フレームが破断したことにより、フレームやピストン部材等が側壁に衝突したことから、火花が発生 し、これが点火源となって、この衝突の際に生じた側壁の損傷部から漏えいする可燃性ガスに着火し、 最終的には、空気と混合したガスホルダー上部の可燃性ガスに引火し爆発したこと。 6 その他 化学設備であるガスホルダーは、2年以内ごとに1回定期自主検査を行う必要があるが、当該設備の内面 の著しい損傷、変形及び腐食の有無に係る定期自主検査が行われていなかった。![]()