別添2 | ||
基安発第34号 平成13年6月11日 |
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別添1の関係事業団体の長 殿 | ||
厚生労働省労働基準局 安全衛生部長 |
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ヒドロキシルアミンに係る爆発災害等の防止について |
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ヒドロキシルアミンは、平成12年6月10日に群馬県内に所在する日進化工株式会社で発生した爆発事故の原因となった物質であり、これまでの事故原因の調査等から、高濃度のヒドロキシルアミン水溶液については爆ごう性(衝撃波の伝播を伴って破壊的に爆発する性状)がある等、危険性が高い性状を有していることが確認されております。 また、50%濃度のヒドロキシルアミン水溶液は、半導体の洗浄剤、農薬の中間原料等として一般に流通しておりますが、この濃度では爆ごう性は認められないものの、取り扱う諸条件によっては爆発、容器等の破裂などの発生が懸念されるところです。 つきましては、ヒドロキシルアミン水溶液を取り扱う事業場における爆発等による労働災害を防止するため、現時点で必要と考えられる事項を下記のとおりまとめましたので、貴会傘下の会員事業場等のうち、ヒドロキシルアミン水溶液を取り扱う事業場又は譲渡し若しくは提供する事業場に対して、周知を図られるようお願いします。 |
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記 |
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1 | ヒドロキシルアミンについて ヒドロキシルアミンは、別紙1の性状を有する物質であり、50%濃度の水溶液として市販され、主に半導体の洗浄・はく離剤、農薬・医薬品の中間原料等として使用されていること。 市販されている50%濃度のヒドロキシルアミン水溶液は、通常の状態においてはほとんど分解しない安定なものとされているが、ヒドロキシルアミンの性状から、[1]水溶液中の濃度が高いほど、[2]取り扱う温度が高いほど、[3]鉄イオン等の混入物の濃度が高いほど、自己発熱分解が促進されることが明らかになっていること。 そのため、取扱い時における危険を予防するためには、これら3つの因子を適切に管理することが重要であること。 |
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2 | ヒドロキシルアミンの取扱いに当たって留意すべき事項 | |
(1) | ヒドロキシルアミンの濃度管理 ヒドロキシルアミン水溶液はこれまでの試験の結果から、濃度70%では爆ごう 性が認められなかったが、濃度80%では爆ごう性が認められていること。 従って、ヒドロキシルアミン水溶液を70%を超える濃度に濃縮して取り扱うこ とは避ける必要があること。 また、ヒドロキシルアミン水溶液は濃度が70%以下であっても、自己発熱分解の際に発生するガスによって容器の破裂等の危険があるため、みだりに濃度を高めないようにするとともに、できるだけ低濃度で取り扱うよう管理する必要があること。 |
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(2) | ヒドロキシルアミンの温度管理 50%濃度のヒドロキシルアミン水溶液については、ガラス製密封容器を用いた熱分析試験によって自己発熱分解が明確になる温度(発熱開始温度)が約130℃であることが確認されていること。また、ステンレス製密封容器を用いた同試験によれば40℃台前半から除々に自己発熱分解することが、併せて確認されていること。 したがって、ヒドロキシルアミン水溶液については、取り扱う温度によって生じる自己発熱分解の危険に留意する必要があり、特に、同水溶液に鉄等の金属との接触又は金属イオンの混入のおそれがある場合にはできるだけ低温で管理することが望ましいこと。 また、ヒドロキシルアミン水溶液を加熱する場合は、熱源の状態及び水溶液の温度を適宜確認する等により温度管理を行うこと。 |
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(3) | 鉄等の金属との接触防止 ヒドロキシルアミン水溶液を取り扱う場合には、みだりに鉄等の金属と接触させ、又は金属イオンを混入させないこと。 なお、容器、配管、器具等ヒドロキシルアミン水溶液と接触する部分は、ガラス、プラスチック等、ヒドロキシルアミンに対して不活性なものを使用することが望ましいこと。 |
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(4) | 作業手順書等への危険性等の明示 上記(1)から(3)及び製造者等から交付された化学物質等安全データシート等に記述されている事項を踏まえ、ヒドロキシルアミン水溶液を取り扱う作業工程に係る作業手順書等にヒドロキシルアミンの取扱いに係る危険性及び取扱い上の注意事項などを盛り込むこと。 |
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(5) | 安全衛生教育の実施 ヒドロキシルアミンを取り扱う作業工程に従事する労働者に対して、上記(1)から(3)及び製造者等が交付した化学物質等安全データシート等に記述されている事項を踏まえ、ヒドロキシルアミンの取扱いに係る危険性及び取扱い上の注意事項などに関する安全衛生教育を実施すること。 |
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3 | その他 ヒドロキシルアミンを製造者等から譲渡又は提供を受けるに際して、製造者等から 化学物質等安全データシート等の提供を受けていない場合は、当該製造者等に対して 化学物質等安全データシート等の提供を求めること。 |