法令 安全衛生情報センター:ホームへ
ホーム > 法令・通達(検索) > 法令・通達


                                   附属書2 設計の基準
1 容器等の設計
容器等の設計においては、成形方式ごとに次に定める方法を参考として板厚等を算定すること。この場合において、容器等の使用条件、耐用年数に応じて、適切な腐食対策及び劣化対策を考慮すること。

(1) A方式により成形する場合
胴部
内面に圧力を受ける胴の最小厚さ又は最高使用圧力等は、次の算式により算定すること。
t PRm

σtx

P σTxt

Rm
この式において、tPRm、σtx はそれぞれ次の値を示す。
t :板の最小厚さ(mm)
P :最高使用圧力等(MPa)
Rm :胴の平均半径(mm)
σt :附属書1のA方式による、胴材料の周方向の引張強度(N/mm2)
x :安全率の逆数で、6分の1とすること。

鏡板部
(イ) 皿形鏡板は次に掲げる要件を満足するようにすること。
r≧3tr≧0.06DR≦1.5D
この式において、rtDRはそれぞれ次の値を示す。
r :鏡板のすみの丸みの内半径(mm)
t :鏡板の厚さ(mm)
D:鏡板の外径(mm)
R :鏡板中央部における内面の半径(mm)

(ロ) 中低面に圧力を受ける皿形鏡板又は全半球形鏡板の最小厚さ又は最高使用圧力等は、次の算式により算定すること。
t PRW

tx

P Txt

RW
 この式において、W、σtPxはそれぞれ次の値を示す。
W  :皿形の形状に関する係数で次の算式により算定するものとし、全半球形鏡板にあっては、その値は1とすること。
式
σt :附属書1のA方式による、鏡板材料の周方向の引張強度(N/mm2)
P :最高使用圧力等(MPa)
x :安全率の逆数であって、6分の1とすること。

胴と胴又は胴と鏡板との接合部
胴と胴又は胴と鏡板との接合は、次に定めるところによること。
(イ) オーバーレイ接着接合法
a 次図に示すオーバーレイ接着接合長さは、次の算式により算定すること。なお、テーパ突合せ接合法の場合は、突合せ接合法と同じ方法によって算定すること。
A Nx

T・x
この式において、ANxTxは、それぞれ次の値を示す。
A :オ−バ−レイ接着接合長さ(mm)
Nx :容器等に作用する単位幅当たりの軸方向荷重(N/mm)で次の算式により算定すること。
Nx 1 PRm

2
この式において、PRmは、それぞれ次の値を示す。
P :最高使用圧力等(MPa)
Rm :胴の平均半径(mm)
T :附属書1の2(1)ロにおける接着接合部のせん断強度(N/mm2)
x :安全率の逆数であって、6分の1とすること。

b オーバーレイ接着接合長さと接合部のせん断強度の積が、次の式を満足するようにすること。
ATtσL
この式において、t、σLは、それぞれ次の値を示す。
t :胴又は鏡板の最小厚さ(mm)
σL :附属書1のA方式により成形する場合の引張強度試験による胴又は鏡板の軸方向の引張強度(N/mm2)。
なお、B方式により成形する場合の胴部については、この値をFLcos2α とするものとする。ただし、FL、αは次の値を表す。
FL :附属書1のB方式により成形する場合の胴部の引張強度試験による繊維方向の引張強度(N/mm2)
α :胴部の巻き角度

(ロ) フランジ接合部
a 全面形非金属ガスケットを用いる全面座フランジ
全面形非金属ガスケットを用いる全面座フランジにおいては、ボルトの総有効断面積及びフランジ寸法について次により算定すること。ただし、フランジ各部の寸法は、次図に掲げるものとする。
(a) ボルトの総有効断面積
実際に使用するボルトの総有効断面積Ab は、次のAm1Am2のうち大きい方の値より大きいものとすること。
Am1 Wm1

σb

Am2 Wm2

σa
 
ただし、Wm1Wm2の算定は、次によること。
Wm1 H'H'pHR π (Cdh)2P+2πb"G'mP HDhDH'Th'TH'Ph'P


4 hR
(使用状態でのボルト荷重)
式
(ガスケット締付時のボルト荷重)

(b) フランジの計算厚さ
フランジの厚さは、次の算式により算定すること。
式

(c) ボルト間隔
ボルト間隔は、次による値を超えないことが望ましいこと。
式
上記の式において、各記号はそれぞれ次の値を示す。
Ab :実際に使用するボルトの総有効断面積(mm2)
   (Abn π db2である。)

4
Ab= である。)
Am1:使用状態でのボルトの所要総有効断面積(mm2)
Am2:ガスケット締付時のボルトの所要総有効断面積(mm2)
B :フランジの内径(mm)
b'0:ガスケット締付時におけるガスケット座の基本幅(mm)
   (b'0G0Cである。)
b' :ガスケット締付時におけるガスケット座の有効幅(mm)
   (式 である。)
2b":使用状態におけるガスケット座の有効幅(mm)
   (2b"=5mmとする。)
C :ボルト穴の中心円の直径(mm)
dh:ボルト穴の直径(mm)
db :ボルトのねじ部の谷径と軸部の径の最小部の小さい方の径(mm)
Ea :常温におけるフランジ材料の引張弾性率(N/mm2)
E0:最高使用温度におけるフランジ材料の引張弾性率(N/mm2)
   (附属書1A方式により成形する場合の引張弾性率を参照。)
G
' :ガスケット圧縮力H'P の位置の直径(mm)
   (G'=C−(dh+2b")である。)
G0
:ガスケット外径とフランジ外径の小さい方の値(mm)
HD :内圧力によってフランジの内径面に加わる荷重(N)
   (HD π B2P である。)

4
H' :内圧力によってフランジに加わる全荷重(N)
   (H' π (C−dh)2P である。)

4
H'P :密を十分に保つためのガスケット圧縮力(N)
   (H'P=2πb"G'mP である。)
H'T :内圧力によってフランジに加わる全荷重とフランジの内径面に加わる荷重との差(N)
   (H'T H' HDである。)
HR :平衡反力(N)
   HDhDH'Th'TH'Ph'P

hR
hD:ボルト穴の中心円からHD 作用点までの半径方向の距離(mm)
   (hDR +0.5g1である。)
h'P :ボルト穴の中心円からH'P 作用点までの半径方向の距離(mm)
   (h'P dh+2b" である。)

2
h'T :ボルトの中心円からH'T 作用点までの半径方向の距離(mm)
   (h'T (Cdh+2b")−B である。)

4
hR :ボルトの中心円からHR 作用点までの半径方向の距離(mm)
   (hR  (G0+(Cdh) dh である。)


4 2
g1 :フランジ背面のハブの厚さ(mm)
g0 :ハブ先端の厚さ(mm)
Mo :使用状態でフランジに作用する全モーメント(N・mm)
   (MoHRhR である。)
m :ガスケット係数で、次表によること。
n : ボルトの本数
P :最高使用圧力等(MPa)
t :フランジの厚さ(mm)
Wm1:使用状態における必要な最小ボルト荷重(N)
Wm2:ガスケット締付けに必要な最小ボルト荷重(N)
y :ガスケットの最小設計締付圧力(N/mm2)で、次表によること。
σa :常温におけるボルト材料の許容引張応力(N/mm2)
σb :最高使用温度におけるボルト材料の許容引張応力(N/mm2)
σL :フランジ材料の、附属書1のA方式の引張強度試験による、最高使用温度における軸方向引張強度(N/mm2)
x :安全率の逆数で、6分の1とすること。

b aに掲げる以外のフランジ
全面形非金属ガスケットを用いた全面座フランジ以外のボルト締めフランジは、JIS B8265(圧力容器の構造−一般事項)附属書3に定めるところによるものであること。

ノズル等開口部
(イ) ノズル等の接合部の補強及びオーバーレイ
ノズル等の接合部の補強、オーバーレイ積層長さ及び積層厚さは、次により算定すること。ただし、ノズル等の各部の寸法は、次図に掲げるものとする。

ノズル等の形状
d :ノズル等の内径(mm)
dr :補強積層部の外径(mm)
tr :補強積層部の厚さ(mm)
hi :内部積層長さ(mm)
ho :外部積層長さ(mm)
ti :内部積層部の厚さ(腐食代を除く)(mm)
to :外部積層厚さ(mm)
tn :ノズル等の厚さ(mm)
t :容器等の本体の板厚(mm)
rf :すみの丸みの内半径(mm)

a 補強積層部の最小厚さ
補強積層部の最小厚さ は、次の算式により算定すること。
tr KPRm

σLx
この式において、PRm、σLxKは、それぞれ次の値を示す。
P:最高使用圧力等(MPa)
Rm:胴の平均半径(mm)
σL :補強積層部の引張強度(附属書1のA方式の軸方向引張強度)(N/mm2)
x :全率の逆数で、6分の1とすること。
K :定数で次の算式による。
ノズルの内径150mm以上 K =1
ノズルの内径150mm未満 K d

dr−d
なお、補強積層部は、基本的には外部に設けることとするが、内部又は内・外部に振分けて設けてもよい。

b 積層長さ
取付け部の積層長さは、次の算式により算定すること。
hs=σL× t

T
この式において、hs、σLTはそれぞれ次の値を示す。
hs :取付け部の総積層長さ(mm)
   (hshotoである。)
σL :補強積層部の引張強度
   (附属書1のA方式により積層する場合の軸方向引張強度)(N/mm2)
T :オーバーレイ積層部のせん断強度
   (附属書1の2(1)ロのせん断強度)(N/mm2)

c 積層厚さ
取付け部の積層厚さw は、n の2倍又はr のうち大きい方の値以上とすること。
ただしwi o とする。

(2) B方式により成形する場合
胴部
胴の最小厚さは、次の算式により算定すること。
t PRm

FLxsin2α
この式において、FL、α、tPRmxは、それぞれ次の値を示す。
FL :附属書1のB方式の引張強度試験による、繊維方向引張強度(N/mm2)
α :胴部の巻き角度
t :板の最小厚さ(mm)
P :最高使用圧力等(MPa)
Rm :胴の平均半径(mm)
x :安全率の逆数で、6分の1とすること。

鏡板部
皿型鏡板は、1(1)ロによること。

胴と胴又は胴と鏡板との接合部
胴と胴又は胴と鏡板との接合部は、1(1)ハによること。

ノズル等開口部
ノズル等の開口部は、1(1)ニによること。

(3) C方式により成形する場合
胴部
次に掲げる要件を満足するものであること。
(イ) 胴部のヘリカル巻き角度
次の算式により算定した値とすること。
sinαc=ρ0Ro/Rm
この式において、αc、ρ0RoRmは、それぞれ次の値を示す。
αc :胴部のヘリカル巻き角度
ρ0 :口金具径比で上の算式により算定して得た値
Ro :口金具開口部内半径(mm)で次のによる。
Rm :胴部半径(mm)で次のによる。

(ロ) 胴部の全厚さとフープ巻き層の厚さの比率
胴部の全厚さと、フープ巻き層の厚さの比は、次の算式により算定した値又は次表に示す値とすること。
tc 2−3ρ02


tcth 3(1−ρ02)
この式において、tcthは、それぞれ次の値を示す。
tc :フープ巻き部の板厚(mm)
th :ヘリカル巻き部の板厚(mm)
胴部でのフープ巻き層の全厚に対する最適厚さ比 式
ρ0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
式 0.663 0.653 0.634 0.603 0.556

内面に圧力を受ける胴部の最小厚さ又は最高使用圧力等は、次の算式により算定すること。
t 3PRm

2FLx
P 2FLtx

3Rm
この式において、tPRmFL、 は、x それぞれ次の値を示す。
t :胴部の最小厚さ(mm)
P :最高使用圧力等(MPa)
Rm :胴の平均半径(mm)
FL :附属書1のC方式の引張強度試験による、繊維方向引張強度(N/mm2)
x :安全率の逆数で、5分の1とすること。

鏡板部
(イ) 鏡板部は、次に掲げる要件を満足するものとすること。
式である場合は、次のの実線に示す形状であること。
また、式 の口金具近傍は次のの点線で示すように適当に延長した形状とすること。
このにおいて、ρ、r 及びZ は以下を表す。
ρ:r/Rm
r :鏡板上の点の鏡板の中心軸からの距離
Z :鏡板の中心軸から、 の距離にある鏡板上の点の、鏡板と胴との境界面からの距離

(ロ) 中低面に圧力を受ける皿形鏡板又は全半球形鏡板の最小厚さ又は最高使用圧力等は、次の算式により算定すること。
t 2Rm 1


2FLx 1−ρo2
P 2FLxt(1−ρo2)

Rm
この式において、tPRmFLxは、それぞれ次の値を示す。
t :鏡板の最小厚さ(mm)
P :最高使用圧力等(MPa)
Rm :胴の平均半径(mm)
FL :附属書1のC方式により成形する場合の引張強度試験による、繊維方向の引張
強度(N/mm2)
x :安全率の逆数で、5分の1とすること。