別添1 | |||
ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験による調査の基準 |
|||
1 | 染色体異常試験の種類 | ||
(1) | ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験は、短時間処理法による試験及び連続処理法による試験とする。 | ||
(2) | 短時間処理法による試験及び連続処理法による試験は、染色体異常物質を検索するために行う試験とする。 | ||
(3) | 細胞増殖抑制試験は、短時間処理法による試験及び連続処理法による試験における被験物質の最高用量を決定する試験とする。 |
||
2 | 染色体異常試験の方法 | ||
(1) | 細胞増殖抑制試験及び短時間処理法による試験は、代謝活性化系(薬物代謝酵素系を誘導する処理を行った動物の肝臓のホモジネート上清画分に捕酵素等を添加したものをいう。)を用いて、及び用いないで行わなければならない。 | ||
(2) | 短時間処理法による試験において、陰性と判定された場合は、連続処理法による試験を行わなければならない。 | ||
(3) | 連続処理法による試験は、代謝活性化系を用いないで行わなければならない。 |
||
3 | 染色体異常試験に用いる細胞 短時間処理法による試験及び連続処理法による試験に用いる細胞は、チャイニーズ・ハムスター線維芽細胞株、ヒト末梢リンパ球又はその他のほ乳類培養細胞の初代、継代若しくは株細胞とする。 |
||
4 | 被験物質の用量 被験物質最高用量は、次に定めるところによらなければならない。 |
||
(1) | 細胞増殖抑制試験の最高用量を5mg/ml又は10mMのいずれか低い用量とすること。 | ||
(2) | 短時問処理法による試験及び連続処理法による試験の最高用量を次のとおりとすること。 | ||
イ | 細胞増殖抑制試験において50%以上の細胞増殖抑制が認められる場合明らかに50%以上の細胞増殖抑制が認められる用量 | ||
ロ | 細胞増殖抑制試験において50%以上の細胞増殖抑制が認められない場合(ハに掲げる場合を除く。)5mg/ml又は10mMのいずれか低い用量 | ||
ハ | 細胞増殖抑制試験において明らかな細胞増殖抑制が認められず、かつ、処理終了時に被験物質の沈殿が認められる場合沈殿が認められる用量 | ||
(3) | 適切な間隔で3段階以上の染色体分析ができる用量を設定すること。 | ||
5 | 対照物質 短時間処理法による試験及び連続処理法による試験における対照物質は、陰性対照においては、被験物質を溶解するために用いた溶媒、陽性対照においては、適切な既知の染色体異常誘発物質としなければならない |
||
6 | 使用プレートの数 短時間処理法による試験及び連続処理法による試験に用いるプレートの数は、被験物質を各用量ごとに並びに、陰性対照及び陽性対照において、原則としてそれぞれ2枚以上としなければならない。 |
||
7 | 観察及び記録 | ||
(1) | 短時間処理法による試験及び連続処理法による試験においては、スライド標本をコード化し、処理条件が判らない状況で、観察しなければならない。 | ||
(2) | 染色体構造異常については、染色体数がモード±2の分裂中期細胞を各用量ごとに、200個以上について観察し、染色体構造異常を持つ細胞の数及び異常の種類別に細胞数を記録しなければならない。 | ||
(3) | 染色体の数的異常については、分裂中期細胞200個以上について観察し、倍数体の出現数を記録しなければならない。 |
||
8 | 結果の判定 | ||
(1) | 染色体構造異常又は数的異常を持つ細胞の出現頻度が陰性対照と比較して明らかに上昇し、かつ、その作用に用量依存性又は再現性が認められる場合には、陽性と判断しなければならない。 | ||
(2) | 明確に陽性又は陰性が判定できない場合には、適切な実験条件で確認試険を実施しなければならない。 |
||
9 | 適用 本基準は、平成10年4月1日より適用する。 |