(平成25年7月1日 自主検査指針公示第19号により廃止) 1.3 上部旋回体
検査項目 |
検査方法 |
判定基準 |
||
1.3.1 原動機 |
ディーゼルエンジン | 共通事項1.1.1 ディーゼルエンジンの検査方法及び判定基準を適用すること。 | ||
1.3.2 動力伝達装置 |
(1) 主クラッチ [機械式] |
[1]
アイドリング状態でクラッチを切り、異音の有無を調べるとともにトランスミッションを変速し、クラッチの切れ具合を調べる。 [2] クラッチを徐々に接続し、発進の具合を調べる。 |
[1]
異音がなく、クラッチが完全に切れること。 [2] 滑りがなく、接続が円滑であること。 |
|
(2)
クラッチペダル及びレバー [機械式] |
[1]
ペダル及びレバーを反復操作し、重さ及び戻り具合を調べる。 [2] ペダル及びレバーを操作して遊びを調べ、次に、クラッチが完全に切れたときのペダルと床板とのすき間を調べる。 |
[1]
重さ及び戻り具合が適正であること。 [2] メーカーの指定する基準値内であること。 |
||
(3)
クラッチケース [機械式] |
[1]
ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 [2] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [2] 油漏れがないこと。 |
||
(4)
トランスミッション [機械式] |
[1]
前進及び後進状態で駆動させて作動状態並びにレバーの抜け、異音及び異常発熱の有無を調べる。 [2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 [3] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
正常に作動し、レバーの抜け、異音及び異常発熱がないこと。 [2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [3] 油漏れがないこと。 |
||
(5) 流体継手及びトルクコンバーター | [1]
負荷をかけ、異音及び異常発熱の有無を調べる。 [2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 [3] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
異音又は異常発熱がないこと。 [2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [3] 油漏れがないこと。 |
||
(6)
チェーン及びスプロケット (チェーンケースを含む。) [機械式] |
[1]
回転状態における異常振動及び異音の有無を調べる。 [2] チェーンのたるみ及び伸びを調べる。 ただし、[1]項の検査で異常が認められない場合は、この検査を省略してもよい。 [3] ケース内の油量及び汚れの有無を調べる。 [4] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
異常振動又は異音がないこと。 [2] たるみが適正であり、伸びがメーカーの指定する基準値内であること。 [3] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [4] 油漏れがないこと。 |
||
(7)
ギヤ及びピニオン [機械式] |
回転状態における異音及び歯当たりの異常の有無を調べる。 ただし、回転時に異音が認められない場合は、歯当たりの検査を省略してもよい。 |
異音がなく、歯当たりが適正であること。 | ||
(8)
ギヤボックス、ギヤケース及びギヤカバー [機械式] |
[1]
き裂及び変形の有無を調べる。 [2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 [3] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
き裂又は著しい変形がないこと。 [2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [3] 油漏れがないこと。 |
||
(9) 軸及び軸受 [機械式] |
負荷をかけた回転状態における異常振動、異音及び異常発熱の有無を調べる。 | 異常振動、異音又は異常発熱がないこと。 | ||
(10)
巻上げ減速機 [油圧式] |
[1]
負荷をかけた状態における異常振動、異音及び異常発熱の有無を調べる。 [2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 [3] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
異常振動、異音又は異常発熱がないこと。 [2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [3] 油漏れがないこと。 |
||
(11)
旋回減速機 [油圧式] |
[1]
旋回中の異音及び異常発熱の有無を調べる。 [2] ケース内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 [3] ケースからの油漏れの有無を調べる。 |
[1]
異音又は異常発熱がないこと。 [2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 [3] 油漏れがないこと。 |
||
(12) ドラム本体 | [1]
き裂、変形及び摩耗の有無を調べる。 [2] ドラムロック用のラチェット部の欠損及び摩耗の有無を調べる。 |
[1]
き裂、著しい変形又は摩耗がないこと。 [2] 欠損又は著しい摩耗がないこと。 |
||
(13) ドラム軸及び軸受 | ドラムに負荷をかけ、異音、異常発熱及び振れの有無を調べる。 | 異音、異常発熱又は振れがないこと。 | ||
(14)
カムクラッチ [機械式] |
作動させてスリップの有無及び作動状態を調べる。 | スリップがなく、正常に作動すること。 | ||
(15)
ジブ降ろし装置 [機械式] |
[1]
ジブを起伏させ、パウルの作動状態を調べる。 [2] カバーを取り外し、パウルのき裂、変形及び摩耗の有無を調べる。 ただし、[1]項の検査で作動異常が認められない場合は、この検査を省略してもよい。 |
[1]
円滑に作動すること。 [2] き裂、著しい変形又は摩耗がないこと。 |
||
(16)
旋回及び走行切換えクラッチ [機械式] |
[1]
クラッチの作動具合及び負荷をかけたときの抜け出しの有無を調べる。 [2] クラッチのつめ部の摩耗の有無を調べる。 ただし、[1]項の作動に異常が認められない場合は、この検査を省略してもよい。 |
[1]
入り、切りが円滑で、抜け出しがないこと。 [2] 著しい摩耗がないこと。 |
||
(17) クラッチ及びブレーキバンド、シュー、ライニング及びドライバー | [1]
クラッチ及びブレーキの作動状態を調べる。 [2] バンド、シュー及びドライバーのき裂、変形及び摩耗の有無を調べる。 [3] ライニングの摩耗量を調べる。 [4] ライニングとドラムの当たりの異常の有無を調べる。 [5] ライニングの当たり面の油脂の付着等の汚れの有無を調べる。 [6] リベットの緩みの有無を調べる。 |
[1]
円滑に作動すること。 [2] き裂、著しい変形又は摩耗がないこと。 [3] 摩耗量はメーカーの指定する基準値内であること。 [4] クラッチ又はブレーキを解放したとき、ライニングがドラムに接触しないこと。 ライニングの当たりが均一で、条こんがないこと。 [5] 汚れがないこと。 [6] 緩みがないこと。 |
||
(18) マスターシリンダー | [1]
ペダル又はレバーを反復操作し、油漏れの有無を調べる。 [2] リザーバータンク内の油量及び油の汚れの有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 [2] 油量が適正で、著しい汚れがないこと。 |
||
(19) ホイールシリンダー | 圧力をかけた状態をしばらく保持し、油漏れの有無を調べる。 | 油漏れがないこと。 | ||
(20) ロッド、リンク及びケーブル類 | [1]
損傷並びにクランプの緩みの有無を調べる。 [2] クラッチ及びブレーキを反復作動させ、連結部の緩み及びがた並びに割りピンの欠損の有無を調べる。 |
[1]
損傷又は緩みがないこと。 [2] 緩み又はがたがなく、割りピンの欠損がないこと。 |
||
(21) ホース及びパイプ | [1]
圧力をかけ、油漏れの有無を調べる。 [2] 損傷、ひび割れ及び老化の有無を調べる。 [3] ホースクランプ及びパイプ支持部の取付けボルト及びナットの緩み及び脱落並びにホース及びパイプと車体その他の部分との干渉の有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 [2] 著しい損傷、ひび割れ又は老化がないこと。 [3] 緩み又は脱落がなく、干渉がないこと。 |
||
1.3.3 操縦装置 |
(1) ハンドル [ホイール式] |
[1]
走行状態で、ハンドルの振れ及び取られの有無並びに戻り具合及び重さを調べる。 [2] 遊びを調べる。 [3] 上下左右及び前後に動かして緩み及びがたの有無を調べる。 |
[1]
振れ又は取られがなく、戻り具合及び重さが正常である。 [2] メーカーの指定する基準値内であること。 [3] 緩み及びがたがないこと。 |
|
(2)
パワーステアリング装置 [ホイール式] |
[1]
油圧ポンプを作動させ、ポンプ、ホース、パイプ等からの油漏れの有無を調べる。 [2] ホース及びパイプの損傷、ひび割れ及び老化の有無を調べる。 [3] ポンプ、バルブ、ホース、パイプ等の取付けボルト及びナットの緩み及び脱落並びにホース及びパイプと車体その他の部分との干渉の有無を調べる。 |
[1] 油漏れがないこと。 [2] 著しい損傷、ひび割れ又は老化がないこと。 [3] 緩み又は脱落がなく、干渉がないこと。 |
||
1.3.4 油圧装置 |
(1) 作動油タンク | 共通事項1.2 油圧装置の検査方法及び判定基準を適用する。 | ||
(2) フィルター | 〃 |
|||
(3) 配管 (ホース類、高圧パイプ) |
〃 |
|||
(4)
油圧ポンプ (駆動装置を含む。) |
〃 |
|||
(5) 油圧モーター | 共通事項1.2 油圧装置の検査方法及び判定基準を適用する。 | |||
(6) 油圧シリンダー | 〃 |
|||
(7) 方向制御弁 | 〃 |
|||
(8) 電磁弁 | 〃 |
|||
(9) 圧力制御弁 | 〃 |
|||
(10) 流量制御弁 | 〃 |
|||
(11) 逆止め弁 | 〃 |
|||
(12) オイルクーラー | 〃 |
|||
(13) アキュムレーター | 〃 |
|||
(14) 回転継手 | 〃 |
|||
1.3.5 操作装置 |
レバー、ペダル及びスイッチ | レバー等を操作し、ストロークの適否及びがたの有無を調べる。 | ストロークが適正で、著しいがたがないこと。 | |
1.3.6 安全装置 |
(1)旋回ロック及び旋回制御装置 |
a 旋回ロック | [1]
ロックの効き具合を調べる。 [2] ロック部のき裂及び損傷の有無を調べる。 [3] 油圧によって作動する型式のものは、油漏れの有無並びに油圧ホースの損傷、ひび割れ及び老化の有無を調べる。 |
[1] 正常であること。 [2] き裂、損傷がないこと。 [3] 油漏れがなく、油圧ホースの損傷、ひび割れ又は老化がないこと。 |
b ブレーキ式旋回制動装置 | [1]
ブレーキの作動状態を調べる。 [2] バンド、シュー、ディスク及びレバー等のき裂及び変形の有無を調べる。 [3] ライニング、ディスク及びパッドの摩耗の有無を調べる。 [4] 油圧によって作動する型式のものは、油漏れの有無並びに油圧ホースの損傷、ひび割れ及び老化の有無を調べる。 |
[1] 確実に作動する。 [2] き裂又は著しい変形がないこと。 [3] 著しい摩耗がないこと。 [4] 油漏れがなく、油圧ホースの損傷、ひび割れ又は老化がないこと。 |
||
(2)ドラムロック装置 | a つめ及びドラム | [1]
掛かり及び外れの操作を繰り返し、操作レバー及びつめの作動状態を調べる。 [2] き裂、変形及び摩耗の有無を調べる。 |
[1]
正常に作動すること。 [2] き裂、著しい変形又は摩耗がないこと。 |
|
b 操作機構 | [1]
レバーを操作し、作動状態を調べる。 [2] 損傷及び腐食の有無を調べる。 [3] 油圧によって作動する型式のものは、油漏れの有無並びに油圧ホースの損傷、ひび割れ及び老化の有無を調べる。 |
[1]
円滑に作動すること。 [2] 損傷又は腐食がないこと [3] 油漏れがなく、油圧ホースの損傷、ひび割れ又は老化がないこと。 |
||
c パウルコントロール | [1]
ばねのへたりの有無を調べる。 [2] フリクションシューの摩耗量を調べる。 |
[1] へたりがないこと。 [2] メーカーの指定する基準値内であること。 |
||
(3) ペダルロック及びレバーロック | ロックの効き具合並びに損傷及び変形の有無を調べる。 | 効きが正常で、損傷又は変形がないこと。 | ||
1.3.7 車体関係等 |
(1) 旋回フレーム及びブラケット | [1]
き裂及び変形の有無を調べる。 [2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。 |
[1]
き裂又は著しい変形がないこと。 [2] 緩み又は脱落がないこと。 |
|
(2)
ローラーパス、ローラーブラケット、ローラー及びピン [機械式] |
[1]
ローラーパス及びローラーブラケット溶接部のき裂の有無を調べる。 [2] ローラーブラケットの取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。 [3] ローラー及びローラーパス面の汚れ及び偏摩耗の有無を調べる。 [4] 無負荷及び負荷状態で緩旋回させてローラーの回転状態を調べる。 [5] ローラーとローラーバスのすき間を、90度間隔で4箇所について調べる。 |
[1] き裂がないこと。 [2] 緩み又は脱落がないこと。 [3] 汚れ又は偏摩耗がないこと。 [4] 回転が円滑で、上部旋回体の揺れがないこと。 [5] メーカーの指定する基準値内であること。 |
||
(3) 旋回ベアリング及び旋回ギヤ | [1]
緩旋回させて引っ掛かり及び異音の有無を調べる。 [2] 旋回ギヤのき裂及び摩耗の有無を調べる。 ただし、[1]項の検査で異常がない場合は、この検査を省略してもよい。 [3] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。 [4] ベアリングシールの損傷の有無を調べる。 |
[1]
円滑に旋回し、異音がないこと。 [2] き裂又は著しい摩耗がないこと。 [3] 緩み又は脱落がないこと。 [4] 損傷がないこと。 |
||
(4)
スリップリング及びブラシ [油圧式] |
旋回させて各計器及びモニターの作動状態を調べる。 | 正常に作動すること。 | ||
(5) キャブ | [1]
き裂、変形、腐食及び雨漏りの有無を調べる。 [2] ドア及びカバーの開閉状態並びにロック及びキーの異常の有無を調べる。 [3] ガラスのがた及び破損の有無を調べる。 |
[1]
き裂、著しい変形、腐食又は雨漏りがないこと。 [2] 開閉、ロック又はキーに異常がないこと。 [3] がた又は破損がないこと。 |
||
(6) カウンターウェイト | 取付けボルトの緩み及び伸びの有無を調べる。 | 緩み又は伸びがないこと。 | ||
(7) 座席 | [1]
調整・ロック装置の作動の適否を調べる。 [2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。 |
[1]
正常に作動すること。 [2] 緩み又は脱落がないこと。 |
||
(8) シートベルト | [1]
擦り切れ等の損耗の有無を調べる。 [2] ベルトを締め、バックル及び滑り止めの効き具合を調べる。 [3] 取付けボルト及びナットの緩みの有無を調べる。 |
[1] 損耗がないこと。 [2] 正常であること。 [3] 緩みがないこと。 |
||
(9) 昇降設備及び滑り止め | [1]
き裂、損傷及び変形の有無を調べる。 [2] 取付けボルト及びナットの緩み及び脱落の有無を調べる。 |
[1]
き裂、損傷又は著しい変形がないこと。 [2] 緩み又は脱落がないこと。 |
||
(10) 表示板 | 構造規格に規定された表示板その他の注意・指示銘板等の損傷の有無及び取付け状態を調べる。 | 損傷がなく、適正に取付けられていること。 | ||
(11) 灯火装置、警音器、窓拭き器、デフロスター等 | [1]
各スイッチ類を操作し、作動の適否及び取付け状態を調べる。 [2] 各灯火類のレンズの破損及び水等の進入の有無を調べる。 |
[1]
正常に作動し、適正に取付けられていること。 [2] 破損又は水等の侵入がないこと。 |
||
(12) 計器類 ・油圧計 ・空圧計 ・電流計 ・燃料計 ・油温計 ・水温計 ・表示灯 ・多重電送装置等 |
エンジンを始動させ、各計器の作動状態を調べる。 | 正常に作動すること。 | ||
(13) 後写鏡及び反射鏡 | 汚れ及び損傷の有無並びに写影の状態を調べる。 | 汚れ又は損傷がなく、写影が正常であること。 |