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改正履歴
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第28条第1項の規定に基づき、コンベヤの安全基準に関す
る技術上の指針を次のとおり公表する。
コンベヤの安全基準に関する技術上の指針
1 総則
1−1 趣旨
この指針は、コンベヤ又はその附属装置への接触、荷の落下等による災害を防止するため、コンベ
ヤ及びその附属装置の設計、製造、設置及び使用に関する留意事項について規定したものである。
1−2 設計及び製造
(1) コンベヤの設計に当たっては、次の事項について留意すること。
イ 十分な強度及び安定度を有すること。
ロ 荷が滑り落ちるおそれがないこと。
ハ 荷積み、荷卸し、運搬等を行う箇所で、荷が脱落するおそれがないこと。
(2) 傾斜コンベヤ又は垂直コンベヤには、停電、電圧降下等による荷又は搬器の過走又は逆走を防止
するための装置を設けること。
(3) 電動又は手動により作動する起伏装置、伸縮装置、旋回装置又は昇降装置を有するコンベヤには、
それらの装置の作動を固定するための装置を設けること。
(4) コンベヤの動力伝導部分には、覆い又は囲いを設けること。
(5) コンベヤのベルト、プーリー、ローラー、チェーン、チェーンレール、スクリュー等労働者がは
さまれ、又は巻き込まれるおそれのある部分には、覆い又は囲いを設けること。
(6) コンベヤの起動又は停止のためのスイッチは、明確に表示され、容易に操作ができるものであり、
かつ、接触、振動等により、不意に起動するおそれのないものとすること。
(7) コンベヤには、給油者が危険な可動部分に接近しないで給油することができる給油装置を設ける
こと。
(8) 荷積み又は荷卸しを人力で行うコンベヤにあっては、荷積み又は荷卸しの箇所におけるコンベヤ
の高さ、幅、速度等は、労働者がこれらの作業を行うのに適したものとすること。
(9) 手動操作による装置の操作に要する力量は、20kg以下とすること。
1−3 設置
(1) コンベヤは、可動部分と静止部分又は他の物との間に労働者に危険を及ぼすおそれのある透き間
を生じないようにすえ付けること。
(2) コンベヤに取り付けるプラットホーム及び運転室の床面は、水平にすること。
(3) (2)のプラットホームの歩道は、その幅を60cm以上とし、高さが90cm以上で中さん付きの手すり
を設けること。ただし、当該歩道のうち建設物の柱に接する部分については、その幅を40cm以上と
することができること。
(4) 傾斜路、階段等の代わりにはしごを使用しないこと。
ただし、作業場上やむを得ない場合は、次に定めるところにより、はしごを使用することができ
ること。
イ はしごの踏さんは、25cm以上35cm以下の間隔で、かつ、等間隔に設けられていること。
ロ はしごの表側に障害物がある場合は、はしごの踏さんと当該障害物との透き間は、60cm以上と
すること。ただし、当該障害物が部分的なものであるときは、踏さんとの透き間は40cm以上とす
ることができること。
ハ はしごの裏側に障害物がある場合は、踏さんと当該障害物との透き間は、20cm以上とすること。
ニ はしごの傾斜角が70度以上で、かつ、垂直高さが5m以上である場合は、当該はしごの垂直高
さが2.5mを超える部分に、背バンド、囲い等を設けること。
ホ はしごの長さが15mを超える場合は、10m以内ごとに踏だなを設けること。
(5) 制御装置操作室であって、地上又は外部の床面からの高さが15mを超える位置に設けられたもの
には、階段、固定はしご等を設けること。
(6) (2)のプラットホーム及びその歩道の床面は、つまずき、滑り等の危険のないものとすること。
(7) 労働者が作業中接触するおそれがある建設物及びコンベヤの鋭い角、突起物等は、これを取り除
き、又は防護する等の危険防止のための措置を講ずること。
(8) 労働者がコンベヤを横断する箇所には、高さが90cm以上で中さん付きの手すりを有する踏切橋を
設けること。
(9) 通路は、通路であることを明示し、かつ、危険な箇所を防護すること等により安全なものとする
こと。
(10)コンベヤがピット、床等の開口部を通っている場合は、ピット、床等の開口部に囲い又は手すり
を設けること。
(11)作業床又は通路の上方を通るコンベヤには、荷の落下を防止するための設備を設けること。
(12)コンベヤには、運転を停止し、又は満杯になっている他のコンベヤへの荷の供給を停止させるイ
ンターロック回路を設けること。
(13)爆発の危険がある可燃性の粉じん等を運搬するコンベヤ又は爆発の危険のある場所において使用
されるコンベヤに用いられる電気機械器具は、防爆構造とすること。
(14)コンベヤには、連続した非常停止スイッチを設け、又は要所ごとに非常停止スイッチを設けるこ
と。
(15)コンベヤには、その起動を予告する警報装置を設けること。
(16)歩道、手すり、階段、はしご等は、コンベヤの稼(か)働開始前に設けること。
(17)コンベヤの設置場所には、その取扱い説明書等を備え付けること。
1−4 使用
(1) コンベヤは、設計時の使用目的以外の目的に使用しないこと。また、その取扱説明書等に記載さ
れた条件以外の条件で使用しないこと。
(2) 作業場及び通路は、整とんし、かつ、清掃しておくこと。
(3) 停止スイッチの周囲には、障害物を置かないこと。
(4) コンベヤの運転は、事業者から指名された者が行うこと。
(5) 荷の供給に当たっては、コンベヤが過負荷にならないようにすること。
(6) 人力による荷積み作業及び荷卸し作業は、荷の寸法、重量等を考慮して行い、必要がある場合は、
機械装置を用いて行うこと。
(7) 非常停止中又は事故停止中のコンベヤを再起動する場合は、あらかじめ、その停止の原因及び故
障箇所の補修状況等を確認すること。
(8) コンベヤは、正常な状態で使用されるよう、定期的に点検及び整備をすること。
(9) コンベヤの掃除、給油、検査、修理等の保全の作業(以下「保全作業」という。)を行う場合に
おいて、労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、コンベヤの運転を停止し、かつ、コンベヤが
作動しないような措置を講ずること。
(10)防護覆い、点検覆い等は、やむを得ない場合を除きコンベヤの運転中は開放しないこと。
(11)労働者は、作業の必要上やむを得ない場合であって、かつ、事業者が安全上必要な措置を講じた
場合を除き、コンベヤに乗らないこと。
(12)労働者は、1−3(8)の踏切橋及び1−3(11)の通路を除いては、コンベヤの上又は下を横断し
ないこと。
(13)事業者は、労働者、保全作業を行う者及び監督者に対して、あらかじめ、コンベヤによる災害を
防止するために必要な作業標準、取扱要領、保全方法等について教育をすること。
2 各種コンベヤ
2−1 ベルトコンベヤ等
2−1−1 ベルトコンベヤ
2−1−1−1 設計及び製造
(1) ベルトの幅は、荷の種類及び運搬量に適合する十分なものとし、必要な場合には、荷をベル
トの中央に載せるための装置を設けること。
(2) 運転停止、不規則な荷の積載等により荷が脱落し、又は滑るおそれのあるベルトコンベヤ
(荷がばら物であるときは、傾斜コンベヤに限る。)には、荷の脱落又は滑りによる危険を防止
するための装置を設けること。
(3) ベルトコンベヤの傾斜部における荷の全積載量が500kg以下で、かつ、1個の荷の重量が30
kgを超えない場合その他荷又は搬器の過走又は逆走のおそれがない場合は、1−2(2)の装置
を設けないことができること。
(4) ベルト又はプーリーに付着しやすい荷を運搬するベルトコンベヤには、ベルトクリーナー、
プーリースクレーパー等を設けること。
2−1−1−2 設置
(1) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるホッパー及びシュートの開口部には、覆い又は囲いを設
けること。
(2) 大型のホッパー及びシュートには、点検口を設けることが望ましいこと。
(3) 帰り側ベルトに付着した物の落下により労働者に危険を及ぼすおそれのある場合は、当該物
の落下による危険を防止するための設備を設けること。
(4) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるテークアップには、覆い又は囲いを設けること。この場
合において、重り式テークアップにあっては、重りの直下に労働者が立ち入ることを防止する
ための覆い若しくは囲いを設け、又は重りの落下を防止するための装置を設けること。
2−1−1−3 使用
(1) ベルトコンベヤへの荷の供給は、適当なフィーダー、シュート等により行うことが望ましい
こと。
(2) ベルトクリーナー、プーリースクレーパー等については、特に調整及び整備を励行して、ベ
ルトコンベヤの運転状態を最良に保持するようにすること。
2−1−2 シャットルコンベヤ等
2−1−2−1 設計及び製造
(1) シャットルコンベヤ等(シャットルコンベヤ及びスクレーパー、ホッパー、フィーダー等ベ
ルトコンベヤに附属する装置であって、走行することができるものをいう。以下同じ。)は、
突出部をできるかぎり少なくすること。
(2) シャットルコンベヤ等に設けられる運転台は、運転者が当該シャットルコンベヤ等以外の設
備等と接触するおそれのない構造とすること。
(3) シャットルコンベヤ等には、走行範囲を制限するための装置を設けること。
(4) 走行速度が毎秒0.1mを超えるシャットルコンベヤ等には、走行開始を予告するための警報
装置を設けること。
(5) スクレーパー、ホッパー、フィダー等ベルトコンベヤに附属する装置であって、走行するこ
とができるものには、固定装置を設けること。
2−1−2−2 設置
労働者に接触するおそれのあるシャットルコンベヤ等の車輪には、覆いを設けること。
2−1−3 モビルベルトコンベヤ
2−1−3−1 設計及び製造
(1) モビルベルトコンベヤの車輪間の距離は、転倒の危険を最も小さくするような距離とするこ
と。
(2) 起伏装置には、ブームの不意の起伏を防止するための装置及びクランクのはね返りを防止す
るための装置を設けること。
(3) 起伏装置は、モビルベルトコンベヤの側方でのみ操作できるようにすること。
(4) ブームの位置が支持わくにより調節されるモビルベルトコンベヤには、調節できる範囲を制
限する装置を設けること。
2−1−3−2 使用
(1) モビルベルトコンベヤを使用する場合は、車輪を固定すること。
(2) モビルベルトコンベヤの充電部分には、絶縁覆いを設けること。また、外部電線は、ビニル
キャプタイヤケーブル又はこれと同等以上の絶縁効力を有するものとすること。
(3) 電動式のモビルベルトコンベヤが接続される電路には、感電防止漏電しゃ断装置を接続する
こと。
(4) モビルベルトコンベヤを移動する場合は、あらかじめ、コンベヤを最低の位置に下ろし、電
動式のものにあっては電源を切ること。
(5) モビルベルトコンベヤを移動する場合は、製造者により表示された最大けん引速度を超えな
いこと。
2−1−3−3 その他
モビルベルトコンベヤの設計及び製造、設置並びに使用については、2−1−3−1及び2−
1−3−2によるほか、それぞれ2−1−1−1、2−1−1−2及び2−1−1−3によるこ
と。
2−1−4 ピッギングテーブルコンベヤ
2−1−4−1 設計及び製造
(1) 1個の荷の重量が5kgを超える場合は、ベルト速度は毎秒0.3m以下となるように設計する
こと。
(2) 選別作業を行う側のキャリアローラー及びリタンローラーには、連続した側面覆いを設ける
こと。
2−1−4−2 設置
(1) 地上又は床面から選別作業面までの高さは、原則として80cmとすること。
(2) 選別作業場の床面積は、労働者が安全に作業を行うことができるように十分な広さとするこ
と。
2−1−4−3 使用
選別作業は、ピッキングテーブルコンベヤのベルト幅が60cmを超える場合は、その両側で行
うこと。
2−1−4−4 その他
ピッキングテーブルコンベヤの設計及び製造、設置並びに使用については、2−1−4−1、
2−1−4−2及び2−1−4−3によるほか、それぞれ2−1−1−1、2−1−1−2及び
2−1−1−3によること。
2−2 エプロンコンベヤ
2−2−1 設計及び製造
(1) 荷を供給する箇所には、必要に応じ、荷をエプロンの中央に載せるための装置を設けること。
(2) 運転停止、不規則な荷の積載等により荷が滑るおそれのある傾斜コンベヤには、エプロンに滑
り止め又は案内板を設けること。
(3) 傾斜コンベヤには、ラチェットホイール式、フリーホイール式、バンドブレーキ式等の逆転防
止装置を設けること。
2−2−2 設置
(1) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるシュートの開口部には、覆い又は囲いを設けること。
(2) 大型のシュートには、点検口を設けることが望ましいこと。
(3) 帰り側エプロンに付着した物の落下による労働者に危険を及ぼすおそれのある場合は、当該物
の落下による危険を防止するための設備を設けること。
2−2−3 使用
エプロンコンベヤに荷を供給する場合は、適当なフィーダー、シュート等により行うこと。
2−3 フライトコンベヤ及びフローコンベヤ
2−3−1 設計及び製造
(1) 点検口は、労働者が容易に点検できる位置に設けること。
(2) 爆発の危険のある可燃性の粉じん等の運搬に用いるフローコンベヤには、爆発戸等を設けるこ
とにより安全な構造とすること。
2−3−2 設置
(1) ゲートの制御装置は、労働者が容易に操作でき、かつ、荷の流れを看視できる位置に設けるこ
と。
(2) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるホッパー又はシュートの開口部には、覆い又は囲いを設け
ること。
(3) 大型のホッパー及びシュートには、点検口を設けることが望ましいこと。
(4) フローコンベヤのケーシングは、荷の種類に応じて効果的な方法により密閉されるように設置
すること
2−3−3 使用
(1) 作業終了後は、フローコンベヤのケーシングの内部に残留した物をできる限り排出しておくこ
と。
(2) フローコンベヤの保全作業のため、そのケーシングの内部に立ち入る場合は、あらかじめ、1
−4(9)によるほか、爆発又は酸素欠乏の危険のないことを確認すること。
2−4 トウコンベヤ
2−4−1 設計及び製造
(1) 主ライン及び分岐ラインの駆動装置には、過荷重防止装置を設けること。また、マルチプル駆
動のトウコンベヤにあっては、一つの駆動装置の過荷重防止装置が作動したときには、他のすべ
ての駆動装置の作動が停止する構造とすること。
(2) 運転中に台車が外れるおそれのある傾斜部には、台車が外れることを防止するための装置を設
けること。
2−4−2 設置
(1) 運転中の台車の上の荷を取り扱う作業を行う場合は、労働者が台車の車輪に接触することによ
る危険を防止するため、作業床につま先板を設けること。台車にスカートを設けること等の措置
を講ずること。
(2) トウコンベヤには、台車が人又は物と衝突するおそれのあるときにけん引チェーンから台車を
切り離すための装置を設けること。
(3) レール及び台車は、安全色彩により明確に塗装すること。
(4) 台車の通路は、安全色彩により積荷の幅を超える適当な幅で床に表示すること。
(5) チェーンレールの覆いは、継目に段がないようにすること。
(6) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるトウコンベヤの覆いのみぞ幅は、3cmを超えないこと。
2−4−3 使用
(1) 傾斜部及びその隣接部においては、台車の逸走による危険を防止するため、台車をトウピンか
ら外して移動させ、又は台車を停止させないこと。
(2) トウコンベヤの覆いが床面である場合は、その上を重車両が通行することを禁止すること。た
だし、当該覆いが重車両の通行に耐えるように設計され、かつ、当該覆いを重車両が通行する場
合に許容される重量、速度等が表示されている場合は、この限りでないこと。
(3) 必要がある場合は、台車ごとに、最大積載荷重、荷の最大寸法及び積載方法を見やすい箇所に
表示し、かつ、これらを労働者に周知させること。また、積荷ゲージを用いて積荷が最大寸法を
超えていないことを確認することが望ましいこと。
2−5 トロリコンベヤ
2−5−1 設計及び製造
(1) 主ライン及び分岐ラインの駆動装置には、過荷重防止装置を設けること。また、マルチプル駆
動のトロリコンベヤにあっては、一つの駆動装置の過荷重防止装置が作動したときには、他のす
べての駆動装置の作動が停止する構造とすること。
(2) チェーン、ハンガー及びトロリは、用意に外れないよう、相互に確実に接続しておくこと。
(3) 傾斜部は、荷又はハンガーの過走又は逆走を防止するための装置を設けること。
(4) ツインレール式のトロリコンベヤにあっては、プッシャードッグ及びトロリが、傾斜部におい
ても確実に移動できるように設計すること。
(5) ツインレール式のトロリコンベヤにあっては、分岐装置、合流装置、ドロップリフト等のレー
ルの切目には、トロリの落下を防止するためストッパーその他の装置を設けること。
2−5−2 設置
労働者が荷又はハンガーと衝突するおそれのある通路には、1−3(9)によるほか、注意標識を
設けること。
2−5−3 使用
(1) チェーン及びチェーンレールには、保全作業を行う場合を除き、はしご、板等を立て掛け、又
は置かないこと。
(2) 必要がある場合は、荷姿、つり下げ方法等についての注意書を見やすい箇所に表示し、かつ、
これを労働者に周知させること。
2−6 ローラーコンベヤ及びホイールコンベヤ
2−6−1 設計及び製造
(1) 地上又は床面からローラー又はホイールの上面までの高さが1.8mを超える場合又は荷の落下
により労働者に危険を及ぼすおそれのある場合は、荷の落下を防止するための設備をもうけるこ
と。ただし、荷積み場所及び荷卸し場所については、この限りでないこと。
(2) 振り分けローラー又ははね上げローラーは、その振り分け又ははね上げの際に、荷が当該ロー
ラーの直前で停止する構造とすること。
2−6−2 使用
振り分けローラー及びはね上げローラーには、使用後それらを使用前の状態にもどさなければな
らない旨を見やすい箇所に表示し、かつ、これを労働者に周知させること。
2−7 スクリューコンベヤ
2−7−1 設計及び製造
(1) 横型スクリューコンベヤにあっては、スクリューを内蔵するトラフの上面は、荷の供給口及び
排出口を除き、すべて覆うこと。
(2) 荷の供給口及び排出口は、労働者がスクリューに接触するおそれのない構造とし、又は当該荷
の供給口及び排出口に囲い等を設けること。
(3) スクリュー支持軸の中間軸受けの給油装置は、トラフの外側から給油することができる構造と
すること。
(4) 爆発の危険のある可燃性の粉じん等の運搬に用いるスクリューコンベヤは、爆発炉等を設ける
ことにより安全な構造とすること。
2−7−2 設置
スクリューを内蔵するトラフの上面の覆いであって、労働者がその上を横断することとなるもの
は、150kg以上の荷重を支えることができるものとすること。
2−8 振動コンベヤ
2−8−1 設計及び製造
(1) 振動コンベヤは、動応力を十分考慮して設計すること。特に支持部及びつり下げ部の設計に当
たっては、当該振動コンベヤから発生する動荷重の影響を十分考慮すること。
(2) 荷の供給箇所には、必要に応じ、荷をトラフの中央に載せるための装置を設けること。
(3) 荷の供給箇所であって、荷が脱落するおそれのあるものには、荷の脱落を防止するための装置
を設けること。
(4) 密閉式の振動コンベヤには、点検口を設けること。
2−8−2 設置
(1) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるホッパー及びシュートの開口部には、覆い又は囲いを設け
ること。
(2) 大型のホッパー及びシュートには、点検口を設けることが望ましいこと。
2−8−3 シャットルコンベヤ等
振動コンベヤのシャットルコンベヤ等については、2−1−2によること。
2−9 水コンベヤ
2−9−1 設計及び製造
(1) 荷を搬送するための配管には、運転中に配管内の圧力が、過度に上昇し、又は過度に低下する
ことを防止するための装置を設けること。
(2) (1)の装置は、その作動に伴って排出される荷及び水により労働者に危険を及ぼすおそれのな
い構造とすること。
2−9−2 設置
(1) 投入ホッパーから連続的に荷が投入される水コンベヤであって、オーバーフローした荷及び水
を受ける装置を設けているものの排出口は、労働者に危険を及ぼすおそれのない位置に設けるこ
と。
(2) 排水装置の排出口及び排出パルプには、原則として囲いを設けること。
2−9−3 使用
(1) 制御装置及び調整装置は、常に有効な状態に保持すること。
(2) 水コンベヤの運転中に保全作業を行う必要がある場合は、あらかじめ、保全作業を行う労働者
に対し危険な箇所を明確に周知させておくこと。
(3) 排出バルブには、運転中に監督者の指示なく操作することを禁止する旨を見やすい箇所に表示
し、かつ、その旨を労働者に周知させること。
(4) 配管については、荷の特性に応じ、摩耗、き裂等の有無について点検すること。
2−10 バケットエレベーター
2−10−1 設計及び製造
(1) エレベーターブーツには、清掃用のとびらを設けること。また、当該とびらは、内部の清掃が
容易であり、かつ、不用意に開放されないような配置及び構造とすること。
(2) 有害な荷を運搬する場合は、バケットエレベーターのエレベーターケーシングは密閉構造とす
ること。また、必要がある場合はバケットエレベーターに収じん装置を設けること。
(3) 荷の全積載量が300kg以下で、かつ、スプロケット又はプーリーの垂直軸心距離が5m以下で
ある場合その他バケットの過走又は逆走のおそれがない場合は、1−2(2)の装置を設けないこ
とができること。
2−10−2 設置
(1) 開放型バケットエレベーターの可動部分のうち接触により労働者に危険を及ぼすおそれのある
部分には、覆い又は囲いを設けること。また、開放型バケットエレベーターから荷が落下するお
それのある場所には、荷の落下による危険を防止するための設備を設けること。
(2) 労働者に危険を及ぼすおそれのあるテークアップには、覆い又は囲いを設けること。この場合
において、重り式テークアップにあっては、重りの直下に労働者が立ち入ることを防止するため
の覆い若しくは囲いを設け、又は重りの落下を防止するための装置を設けること。
2−10−3 使用
(1) バケットエレベーターへの荷の供給は、適当なフィーダー、シュート等により行うこと。
(2) テークアップ装置については、ブーツの底とバケットの最下停止位置との間隔が常に適正であ
るように定期的に調整すること。
(3) バケットエレベーターの保全作業を行う場合で、労働者がブーツ等に立ち入る必要があるとき
は、1−4(9)に定める事項のほか、監視者により当該作業を監視させること等の措置を講ずる
こと。
3 雑則
コンベヤには、見やすい箇所に次の事項が表示されていること。
(1) 製造者名
(2) 製造年月
(3) 最大積載荷重又は単位時間当たりの運搬量
(4) 運搬速度
(5) 最大けん引速度(モビルベルトコンベヤに限る。)
(6) 重量(モビルベルトコンベヤに限る。)
(7) 荷の種類