産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上の指針 |
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労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第28条第1項の規定に基づき、産業用ロボットの使用等の安全
基準に関する技術上の指針を次のとおり公表する。
産業用ロボットの使用等の安全基準に関する技術上の指針
1 総則
1−1 趣旨
この指針は、産業用ロボットの使用時における産業用ロボットとの接触等による災害を防止するた
め、産業用ロボットの選定、設置、使用等に関する留意事項について定めたものである。
1−2 定義
この指針において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 産業用ロボット 労働安全衛生規則第36条第31号に規定する産業用ロボットをいう。
(2) マニプレータ 人間の上肢に類似した機能を有し、次のいずれかの作業を行うことができるもの
をいう。
イ その先端部に当たるメカニカルハンド(人間の手に相当する部分)、吸着器等により物体を把
持し、空間的に移動させる作業
ロ その先端部に取り付けられた塗装用スプレーガン、溶接用トーチ等の工具による塗装、溶接等
の作業
(3) 可動範囲 記憶装置の情報に基づきマニプレータその他の産業用ロボットの各部(マニプレータ
の先端部に取り付けられた工具を含む。)が構造上動きうる最大の範囲をいう。ただし、この構造
上動きうる最大の範囲内に電気的又は機械的ストッパーがある場合は、当該ストッパーによりマニ
プレータその他の産業用ロボットの各部が作動できない範囲を除く。
(4) 教示等 産業用ロボットのマニプレータの動作の順序、位置又は速度の設定、変更又は確認をい
う。
(5) 検査等 産業用ロボットの検査、修理、調整(教示等に該当するものを除く。)、掃除若しくは
給油又はこれらの結果の確認をいう。
1−3 適用除外
固定シーケンス型ロボットについては、この指針中2−1−2の(1)のイ及びロ並びに2−1−4
の(2)のイ及びロの規定は、適用しない。
2 選定
事業者は、産業用ロボットの選定に当たっては、次の事項について留意すること。
2−1 構造
産業用ロボットの構造は、次の事項に適合するものであるとともに、設計及び計画段階において、
日本工業規格B8433(産業用ロボットの安全通則)の4に定める安全防護の措置が施されているもの
であること。
2−1−1 非常停止装置
異常時に直ちに運転を停止することができる装置(以下「非常停止装置」という。)が備えられ
ていること。
2−1−2 安全機能
(1) 産業用ロボットとの接触による危険を防止するため、次の機能を有すること。
イ 運転状態を教示の状態に切り替えた場合に、マニプレータの作動速度が自動的に低下するこ
と。
ロ マニプレータの出力を調整できるものにあっては、運転状態を教示の状態に切り替えた場合
に、当該出力が自動的に低下すること。
ハ 次の場合に、労働者に危険が生ずるおそれのない状態で自動的に運転を停止すること。
(イ) 油圧、空圧又は電圧の変動により誤作動のおそれが生じた場合
(ロ) 停電等により駆動源が遮断された場合
(ハ) 関連機器に故障が発生した場合
(ニ) 制御装置に異常が発生した場合
ニ 非常停止装置又はハの機能の作動により運転を停止した場合に、人が再起動操作をしなけれ
ば運転を開始しないこと。
(2) 労働者等が接触することによりマニプレータに衝撃力が加わった場合に、自動的に運転を停止
する機能を有することが望ましいこと。
2−1−3 把持部
把持部は、非常停止装置又は2−1−2の(1)のハの機能の作動により運転を停止する場合にお
いて、把持した物の落下又は放出により労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、当該把持した
物を安定して把持し続けるものであること。
2−1−4 操作盤
(1) 共通事項
イ 操作盤上の次の機能を有するスイッチには、当該スイッチの機能がわかりやすく表示されて
いること。
(イ) 電源の入・切
(ロ) 油圧又は空圧源の入・切
(ハ) 起動・停止
(ニ) 運転状態(自動、手動、教示、確認等)の切替え
(ホ) マニプレータの作動速度の設定
(ヘ) マニプレータの作動
(ト) 非常停止装置の作動
ロ 操作しやすい位置に、赤色で、かつ、操作しやすい構造の非常停止装置用のスイッチが備え
られていること。
ハ 非常停止装置用のスイッチの周囲には、誤操作による危険が生じるおそれのある他のスイッ
チが備えられていないこと。
(2) 固定型操作盤
イ 自動・手動の運転状態の切替えスイッチが備えられていること。
ロ 教示又は確認の運転状態(手動運転状態に限る。)へ切り替えるためのスイッチを有する固
定型操作盤にあっては、当該運転状態であることを示すことができるランプ等が備えられてい
ること。
ハ 自動運転状態であることを示すことができるランプ等が備えられていること。
ニ 接地用端子が設けられていること。
ホ 非常停止装置用のスイッチ以外のスイッチは、作業者の意図しない接触等による産業用ロボ
ットの不意の作動を防止するため、覆い等を備え、又は埋頭型であること。
(3) 可搬型操作盤
イ 可搬型操作盤により産業用ロボットを操作している間は、当該操作盤以外の機器により当該
作業用ロボットの操作(非常停止装置の操作を除く。)を行うことができない構造のものであ
ること。
ロ 教示運転の状態において使用するマニプレータを作動させるためのスイッチは、当該スイッ
チから手を離した場合に、自動的に当該産業用ロボットが運転を停止する構造のものであるこ
と。
ハ 可搬型操作盤に接続する移動電線は、その損傷による危険を防止するために必要な強度及び
耐摩耗性を有すること。
2−1−5 入出力端子
次の端子が設けられているものであること。
(1) 産業用ロボットが非常停止装置又は2−1−2の(1)のハの機能の作動により運転を停止した
場合に、停止状態であることを表示させるための信号及び関連機器の運転を停止させるための信
号を出力することができる端子
(2) 関連機器が故障した場合に、産業用ロボットの運転を停止させるための信号を入力することが
できる端子
(3) 3−1の(5)のスイッチからの非常停止装置を作動させるための信号を入力することができる
端子
2−1−6 教示等の作業性
教示等及び検査等の作業が容易に、かつ、安全に行えるものであること。
2−1−7 外面の突起部等
産業用ロボットの外面には、使用上必要な部分を除き、突起部、鋭い角、歯車の露出部等危険な
部分がないこと。
2−1−8 駆動用シリンダーの残圧の開放
空気によって駆動される産業用ロボットにあっては、駆動用シリンダー内の残圧を容易に、かつ、
安全に開放できる構造のものであること。
2−1−9 マニプレータの作動方向の表示
マニプレータの関節部等に当該マニプレータの作動方向を表示することができる産業用ロボット
にあっては、その作動方向が、操作盤上の当該マニプレータを作動させるためのスイッチの表示と
対応して、当該関節部等に表示されているものであること。
2−2 設置場所の環境条件への適合
(1) 産業用ロボットの誤作動を防止するため、設置場所の温度、湿度、粉じん濃度、振動の程度等の
環境条件に適合する性能を有すること。
(2) 引火性の物の蒸気、可燃性ガス又は可燃性の粉じんが爆発の危険のある濃度に達するおそれのあ
る場所において使用する場合にあっては、当該蒸気、ガス又は粉じんに対しその種類に応じた防爆
性能を有すること。
2−3 表示
産業用ロボットの見やすい箇所に次の事項が表示されていること。
イ 製造者名
ロ 製造年月
ハ 型 式
ニ 駆動用原動機の定格出力
2−4 取扱説明書等
次の事項を取扱説明書等により確認すること。
イ 型 式
ロ 構造(主要な部品名を含む。)及び作動原理(制御方式、駆動方式等)
ハ 駆動用原動機の定格出力
ニ 定格可搬重量
ホ 自動運転中のマニプレータの先端部の最大作動速度及び教示運転中のマニプレータの先端部の作
動速度
ヘ マニプレータの最大の力又は力のモーメント及び教示運転中のマニプレータの力又は力のモーメ
ント
ト 可動範囲
チ 油圧、空圧及び電圧の許容変動範囲
リ 騒音レベル
ヌ 安全機能の種類及び性能
ル 設置の方法及び設置時における安全上の留意事項
ヲ 運搬の方法及び運搬時における安全上の留意事項
ワ 自動運転時(起動時及び異常発生時を含む。)における安全上の留意事項
カ 教示等の作業の方法及び当該作業を行う場合の安全上の留意事項
ヨ 検査、補修、調整、掃除及び給油並びにこれらの結果の確認の作業の方法並びにこれらの作業を
行う場合の安全上の留意事項(当該作業を行うために必要な作業空間の確保を含む。)
タ 作業開始前点検及び定期検査の項目、方法、判定基準及び実施時期
3 設置
事業者は、産業用ロボットの設置に当たっては、次の事項について留意すること。
3−1 配置等
(1) 産業用ロボットに係る作業を安全に行うために必要な作業空間が確保できるように配置すること。
(2) 固定型操作盤は、可動範囲外であって、かつ、操作者が産業用ロボットの作動を見渡せる位置に
設置すること。
(3) 圧力計、油圧計その他の計器は、見やすい箇所に設けること。
(4) 電気配線及び油・空圧配管は、マニプレータ、工具等による損傷を受けるおそれのないようにす
ること。
(5) 非常の際に非常停止装置を有効に作動させることができるようにするため、非常停止装置用のス
イッチを操作盤以外の箇所に必要に応じて設けること。
(6) 産業用ロボットが非常停止装置及び2−1−2の(1)のハの機能の作動により運転を停止したこ
とを示すことができるランプ等を、見やすい位置に設けること。
3−2 ストッパー
ストッパーを設ける場合は、次の事項に適合するものとすること。
(1) 機械的ストッパーは、十分な強度を有すること。
(2) 電気的ストッパーの作動回路は、産業用ロボットのプログラムによる制御回路とは独立したもの
であること。
3−3 作動の確認
産業用ロボットを設置した場合は、当該産業用ロボットの作動、関連機器との連動状況及びストッ
パーの機能について異常がないことを確認すること。
4 使用
事業者は、産業用ロボットの使用に当たっては、次の措置を講ずること。
4−1 接触防止装置
運転中の産業用ロボットに労働者が接触することによる危険を防止するため、作業現場の状況、作
業形態等を勘案して次のいずれかの措置又はこれらと同等以上の措置を講ずること。ただし、4−2
の作業を行う場合であって、4−2の措置を講ずるときは、この限りでないこと。
4−1−1 さく又は囲い
次に定めるところにより、さく又は囲いを可動範囲の外側に設けること。
(1) 出入口以外の箇所から労働者が可動範囲内に容易に侵入できない構造とすること。
(2) 出入口を設ける場合にあっては、次のいずれかの措置を講ずること。
イ 出入口に扉等を設け、又はロープ、鎖等を張り、かつ、これらを開け、又は外した場合に非
常停止装置が自動的に作動する機能(インターロック機能)を有する安全プラグ等を設置する
こと。
ロ 出入口に4−1−2の光線式安全装置又は安全マットを設けること。
ハ 出入口に運転中立入禁止の旨の表示を行い、かつ、労働者にその趣旨の徹底を図ること。
4−1−2 光線式安全装置
次の事項に適合する光線式安全装置を設けること。
(1) 可動範囲に労働者が接近したことを検知した場合に、非常停止装置を直ちに作動させることが
できること。
(2) 光軸は、労働者の可動範囲内への立入りを検知するために必要な数を有すること。
(3) 投光器から照射される光線以外の光線に受光器が感応しないようにするための措置を講ずるこ
と。
4−1−3 ロープ又は鎖
次に定めるところにより、ロープ又は鎖を可動範囲の外側に張ること。
(1) 支柱は、容易に動かないものとすること。
(2) 周囲から容易に識別できるものとすること。
(3) 見やすい位置に運転中立入禁止の旨の表示を行い、かつ、労働者にその趣旨の徹底を図ること。
(4) 出入口を定め、4−1−1の(2)のイからハまでのいずれかの措置を講ずること。
4−1−4 監視人
(1) 監視人を配置し、運転中に産業用ロボットの可動範囲内に労働者を立ち入らせないようにさせ
ること。
(2) 監視人を可動範囲外であって、かつ、産業用ロボットの作動を見渡せる位置に配置すること。
(3) 監視人に必要な権限を与え、かつ、監視の職務に専念させること。
4−2 可動範囲内における作業に係る措置
事業者は、教示等又は検査等の作業を可動範囲内で行う場合(可動範囲外の労働者に可動範囲内の
労働者と共同して当該作業を行わせる場合を含む。)にあっては、次の措置を講ずること。ただし、
駆動源を遮断して行う教示等の作業又は運転を停止して行う検査等の作業については、4−2−1及
び4−2−3の規定は適用しないこと。
4−2−1 作業規程
(1) 次の事項について規程を定め、これにより作業を行わせること。
イ 起動方法、スイッチの取扱い方法等作業において必要となる産業用ロボットの操作の方法及
び手順
ロ 教示等の作業を行う場合にあっては、当該作業中のマニプレータの速度
ハ 複数の労働者に作業を行わせる場合における合図の方法
ニ 異常時に作業者がとるべき異常の内容に応じた措置
ホ 非常停止装置等が作動し産業用ロボットの運転が停止した後、これを再起動させるために必
要な異常事態の解除の確認、安全の確認等の措置
ヘ イからホまでの事項のほか産業用ロボットの不意の作動による危険又は産業用ロボットの誤
操作による危険を防止するために必要な事項であって次に掲げるもの
(イ) 4−2−2及び4−2−3の措置の内容
(ロ) 作業を行う位置、姿勢等
(ハ) ノイズによる誤作動の防止対策
(ニ) 関連機器の操作者との合図の方法
(ホ) 異常の種類及び判別法
(2) 作業規程は、産業用ロボットの種類、設置場所、作業内容等に応じた適切なものとすること。
(3) 作業規程の作成に当たっては、関係労働者、メーカーの技術者、労働安全コンサルタント等
の意見を求めるように努めること。
4−2−2 操作盤への表示
作業中は、当該作業に従事している労働者以外の者が起動スイッチ、切替えスイッチ等を不用意
に操作することを防止するため、当該スイッチ等に作業中である旨のわかりやすい表示をし、又は
操作盤のカバーに施錠する等の措置を講ずること。
4−2−3 可動範囲内で作業を行う者の安全を確保するための措置
可動範囲内で作業を行うときは、異常時に直ちに産業用ロボットの運転を停止することができる
よう次のいずれかの措置又はこれらと同等以上の措置を講ずること。ただし、産業用ロボットの可
動部分全体の作動状態を作業者が把握できない状態で作業を行う場合は、(1)の措置を講ずること
が望ましいこと。
(1) 必要な権限を有する監視人を可動範囲外であって、かつ、産業用ロボットの作動を見渡せる位
置に配置し、監視の職務に専念させ、次の事項を行わせること。
イ 異常の際に直ちに非常停止装置を作動させること。
ロ 作業に従事する労働者以外の者を可動範囲内に立ち入らせないようにすること。
(2) 非常停止装置用のスイッチを可動範囲内で作業を行う者に保持させること。
(3) 2−1−4の(3)のイ及びロの構造を有する可搬型操作盤を用いて作業を行わせること。
4−2−4 教示等の作業開始前の点検
(1) 教示等の作業を開始する前に、次の事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修そ
の他必要な措置を講ずること。
イ 外部電線の被覆又は外装の損傷の有無
ロ マニプレータの作動の異常の有無
ハ 制動装置及び非常停止装置の機能
ニ 配管からの空気又は油漏れの有無
(2) (1)のイの点検は、運転を停止して行うこと。
(3) (1)のロ及びハの点検は、可動範囲外で行うこと。
4−2−5 作業工具の掃除等の措置
溶接ガン、塗装用ノズル等の作業工具を先端部に有する産業用ロボットであって、当該作業工具
の掃除等を行う必要があるものについては、当該掃除等が自動的に行われるようにすることにより、
可動範囲内へ立ち入る機会をできるだけ少なくすることが望ましいこと。
4−2−6 残圧の開放
空圧系統部分の分解、部品交換等の作業を行うときは、あらかじめ駆動用シリンダー内の残圧を
開放すること。
4−2−7 確認運転
確認運転は、できる限り可動範囲外で行うこと。
4−2−8 照度
作業を安全に行うために必要な照度を保持すること。
4−3 自動運転を行うときの措置
4−3−1 起動時の措置
産業用ロボットを起動させるときは、あらかじめ次の事項を確認するとともに、一定の合図を定
め、関係労働者に対し合図を行うこと。
イ 可動範囲内に人がいないこと。
ロ 可搬型操作盤、工具等が所定の位置にあること。
ハ 産業用ロボット又は関連機器の異常を示すランプ等による表示がないこと。
4−3−2 自動運転時及び異常発生時の措置
(1) 産業用ロボットの起動後、ランプ等による自動運転中であることを示す表示がなされているこ
とを確認すること。
(2) 産業用ロボット又は関連機器に異常が発生した場合において、応急措置等を行うため可動範囲
内に立ち入るときは、当該立入りの前に、非常停止装置を作動させる等により産業用ロボットの
運転を停止させ、かつ、安全プラグを携帯し、起動スイッチに作業中である旨を表示する等当該
応急措置等を行う労働者以外の者が産業用ロボットを操作することを防止するための措置を講ず
ること。
4−4 把持した物の飛来等の防止
把持した物、加工物等が飛来すること、落下すること等により労働者に危険を及ぼすおそれのある
ときは、当該危険を防止するため、飛来するおそれのある物の大きさ、重量、温度、化学的性質等を
勘案し、適切な防護措置を講ずること。
5 定期検査等
事業者は、次に定めるところにより、産業用ロボットについて定期検査等を行うこと。
5−1 作業開始前点検
(1) 産業用ロボットを用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、次の事項について点
検を行うこと。
イ 制動装置の機能
ロ 非常停止装置の機能
ハ 4−1の接触防止のための設備と産業用ロボットとのインターロックの機能
ニ 関連機器と産業用ロボットとのインターロックの機能
ホ 外部電線、配管等の損傷の有無
ヘ 供給電圧、供給油圧及び供給空圧の異常の有無
ト 作動の異常の有無
チ 異常音及び異常振動の有無
リ 4−1の接触防止のための設備の状態
(2) 点検は、可能な限り可動範囲外で行うこと。
5−2 定期検査
次の事項について、産業用ロボットの設置場所、使用頻度、部品の耐久性等を勘案し、検査項目、
検査方法、判定基準、実施時期等の検査基準を定め、これにより検査を行うこと。
イ 主要部品のボルトのゆるみの有無
ロ 可動部分の潤滑状態その他可動部分に係る異常の有無
ハ 動力伝達部分の異常の有無
ニ 油圧及び空圧系統の異常の有無
ホ 電気系統の異常の有無
ヘ 作動の異常を検出する機能の異常の有無
ト エンコーダの異常の有無
チ サーボ系統の異常の有無
リ ストッパーの異常の有無
5−3 補修等
作業開始前点検又は定期検査を行った場合に異常を認めたときは、直ちに補修その他必要な措置を
講ずること。
5−4 記録
定期検査又は補習等を行ったときは、その内容を記録し、3年以上保存すること。
6 教育
事業者は、労働安全衛生法第59条及び関係省令等に定めるところを含め、次に定めるところにより、
産業用ロボットの関係業務に従事させる労働者に対し、必要な教育を実施すること。
6−1 教育の内容
教育は、学科教育及び実技教育によって行うものとし、当該労働者が従事する作業に適した内容及
び時間数とすること。
6−2 教育の担当者
教育の担当者は、産業用ロボットに関する知識及び作業についての経験を有する者とし、必要に応
じてメーカーの技術者、労働安全コンサルタント等専門知識を有する者を活用すること。
6−3 異常時の措置についての教育
実技教育には、産業用ロボットに異常が発生した場合にとるべき措置を含めること。
6−4 記録
教育を行ったときは、受講者、科目等教育内容について記録し、3年以上保存すること。
7 その他
7−1 磁気テープ等の管理
(1) 事業者は、産業用ロボットの作動プログラムが記憶されている磁気テープ、フロッピーディスク、
せん孔テープ等(以下「磁気テープ等」という。)又はその容器に当該プログラムの内容を表示す
ること等により、磁気テープ等に係る選択誤りを防止するための措置を講ずること。
(2) 事業者は、ほこり、湿度、磁力線等の影響を受けることにより誤作動につながらないように磁気
テープ等を管理すること。