安全衛生情報センター
産業医の選任については、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第13条第1項の 規定において、事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから選任することとされてい るところである。 一方、産業医として選任できる者の事業場等における役職については、法又は労働安全衛生規則(昭和 47年労働省令第32号。以下「規則」という。)で制限は設けられていないため、企業の代表取締役、医療 法人の理事長、病院の院長等が産業医を兼務している事例がみられるところである。 しかしながら、労働者の健康管理は一定の費用を伴うものであるため、事業経営の利益の帰属主体(以 下「事業者」という。)を代表する者や事業場においてその事業の実施を総括管理する者が産業医を兼務 した場合、労働者の健康管理よりも事業経営上の利益を優先する観点から、産業医としての職務が適切 に遂行されないおそれも考えられ、法や規則においても、事業者を代表する者や事業場においてその事業 の実施を総括管理する者が、産業医を兼務することを想定していないところである。 このようなことから、今般、別添の通知により、関係団体等に対して、以下の役職にある者を産業医と して選任することは、そもそも適切でなく、選任している場合は早期に改善する必要がある旨の注意喚起 を行ったので、御了知ありたい。 ①法人の代表者又は事業経営主(事業者の代表者) (例) 代表取締役、医療法人又は社会福祉法人の理事長 ②事業場においてその事業の実施を総括管理する者(事業場代表者) (例) 病院又は診療所の院長、老人福祉施設の施設長 なお、今年度中に、産業医が事業者の代表者又は事業場代表者を兼務している可能性が考えられる業種 の事業場を対象に、産業医の選任状況に関する調査等を行うことを予定しているが、具体的には別途指示 することとしているので、御承知おきいただきたい。別添(PDF:201KB)