安全衛生情報センター
東日本大震災により発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により生じた放射性物質による汚染 に関し、別添1のとおり、平成23年8月26日に、原子力災害対策本部から、「除染に関する緊急実施基本方 針」及び「市町村による除染実施ガイドライン」(以下、「ガイドライン」 という。)が示されたところ である。 ガイドラインは、追加被ばく線量がおおむね年間1から20ミリシーベルトまでの間の地域における除染 について、市町村が実施すべき事項をとりまとめたものであり、作業の危険性が高い、建設機械等が必要 となる、線量率が高い場合等においては、専門事業者に依頼して除染を実施すべきとされている。 ついては、当該除染作業に労働者を就かせる場合の措置について、当面の間、下記のとおりとするので、 関係事業場に対する指導等に遺漏なきを期されたい。 なお、別添2により、岩手県知事、宮城県知事、福島県知事、茨城県知事、栃木県知事、群馬県知事、 埼玉県知事、千葉県知事及び神奈川県知事に対して通知していることを申し添える。
1 事業者は、除染作業を行う場合、ガイドラインの4の(2)「事業として除染を行う方の線量管理方法」 に定める事項を適切に実施すること。 2 事業者は、除染作業を行う場合、上記1の措置に加え、次に掲げる措置を実施すること。 (1) 個人線量計により測定した外部被ばく線量を1日ごとに記録し、これを30年間保存すること。また、 日々の被ばく線量は1日ごとに、累計の被ばく線量は1月ごとに労働者に文書で通知すること。 (2) (1)の測定結果により、男性労働者及び妊娠の可能性のない女性労働者については年間20ミリシーベ ルト、妊娠の可能性のある女性労働者については、3月で5ミリシーベルトを超えないよう管理すること。 (3) 作業に従事する労働者に、性能の区分がRL3又はRS3の防塵マスク(取り替え式防じんマスクで粒子捕 集効率が99.9%のもの。空気中の蒸気が多い場合などにはRL3を用いること。)など、作業に応じて有 効な呼吸用保護具(注1)を着用させること。また、呼吸用保護具の顔面への密着性の良否を確認すること。 (4) 作業に従事する労働者に、作業場所で喫煙・飲食させないこと。 (5) 除染作業による汚染の程度に応じて、汚染防止のために有効な保護衣類、手袋、履物を備え、作業 に従事する労働者に使用させること。 (6) 作業に従事する労働者に対し、あらかじめ、[1]放射性物質又はこれらによって汚染された物に関す る知識、[2]除染の作業方法に関する知識、[3]除染で使用する機器、器具等の構造及び取扱方法に関 する知識、[4]電離放射線の生体に与える影響、[5]関係法令の知識、[6]除染の作業の方法及び使用す る機器、器具の取扱についての教育を実施すること。 (7) 除染作業に常時従事する者に対しては、電離放射線特殊健康診断(注2) と同等以上の健康診断を6月 以内ごとに1回、定期に実施すること。 (注1)「防じんマスクの選択、使用等について」(平成17年2月7日付け、基発第0207006号) (注2) 電離放射線障害防止規則(昭和47年9月30日労働省令第41号)第56条に定める健康診断別添1(PDF:546KB)