深礎工法による基礎建設工事における労働災害防止対策の徹底について |
改正履歴
基発第405号の2
平成11年6月22日
都道府県労働基準局長 殿
労働省労働基準局長
深礎工法による基礎建設工事における労働災害防止対策の徹底について
建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところであるが、去る
6月15日、別添1のとおり鳥取県において深礎工法による橋脚の基礎杭築造工事中に、たて坑内に二重に組
み立てられた鉄筋かごのうち上部にあった内側の主筋が崩落し、たて坑内で作業中の3名が死亡するとい
う重大災害が発生したことは、誠に遺憾に堪えないところである。
本災害の原因については現在調査中であるが、深礎工法については全国的にも広く採用されている工法
であり、同種災害の発生が懸念されるところである。このため、別添2により関係業界団体に対し標記に
ついて要請を行ったところである。
ついては、各局においても、計画届の審査、実地調査の実施等の際に、適切な指導を行い、同種災害の
再発防止の徹底を図られたい。
別添1
深礎工法による基礎建設工事における鉄筋崩落災害
1 発生日時平成11年6月15日(火) 午前10時10分頃
2 発生場所鳥取県東伯郡泊村園地先
3 工事名青谷羽合道路園高架橋第3下部工事
4 発生状況国道9号線バイパスエ事の橋脚基礎建設工事において、深礎杭築造のためのたて坑(直径3メー
トル、深さ25メートル)の中で、排水ポンプの点検作業等のため坑内に降りた作業員3名の上に、同坑内の
内部に二重の円筒状に組み立てられていた鉄筋かごのうち、底から約13メートルのところより上部に設置
されていた内側の主筋及びフープ筋が崩落し、3名が死亡した。
5 被災状況死亡3名
(注) 上記の災害概要等については、現在調査中であり、確定したものではない。
災害発生前の状況(概念図)
別添2
基発第405号
平成11年6月22日
(社)日本建設業団体連合会会長 殿
(社)日本土木工業協会会長 殿
(社)全国建設業協会会長 殿
(社)建築業協会会長 殿
(社)日本基礎建設協会会長建設業労働災害防止協会会長 殿
労働省労働基準局長
深礎工法による基礎建設工事における労働災害防止対策の徹底について
建設工事における労働災害の防止については、かねてからその徹底を図ってきたところでありますが、
去る6月15日、別添のとおり鳥取県において深礎工法による橋脚の基礎杭築造工事中に、たて坑内に二重
に組み立てられた鉄筋かごのうち上部のみにあった内側の主筋等が崩落し、たて坑内で作業中の3名が死
亡するという重大災害が発生したことは、誠に遺憾に堪えないところであります。本災害の原因について
は現在調査中でありますが、深礎工法による基礎建設工事にっいては全国的にも広く採用されている工事
であり、同種災害の発生が懸念されるところであります。つきましては、貴団体におかれましては、深礎
工法による基礎建設工事を施工される場合において、下記に留意の上、労働災害の防止について万全を期
するよう、会員事業揚に対し周知徹底されたく要請いたします。
記
1 工事の計画段階において、鉄筋かごの崩落をはじめ、物体の落下、墜落、土砂崩壊、酸素欠乏等の深
礎工法に特有な危険性を把握し、これに応じた安全衛生対策を講じておくこと。
2 鉄筋かごについては、あらかじめ鉄筋加工図を作成し、これに基づき組立を行うとともに、各部材の
固定、結束を確実に行うこと。
3 たて坑内における鉄筋かごの組立作業をはじめ、たて坑内で作業を行う場合は、安全な作業手順を定
め、それに基づいて作業を実施すること。
別添(略)