労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第五章 雑則(第四十七条の十一─第五十七条)

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律 目次

  (事業主団体等の責務)
第四十七条の十一 派遣元事業主を直接又は間接の構成員(以下この項において「構成員」という。)とする
 団体(次項において「事業主団体」という。)は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の
 保護等が図られるよう、構成員に対し、必要な助言、協力その他の援助を行うように努めなければなら
 ない。
2 国は、事業主団体に対し、派遣元事業主の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護
 等に関し必要な助言及び協力を行うように努めるものとする。

  (指針)
第四十七条の十二 厚生労働大臣は、第二十四条の三及び第三章第一節から第三節までの規定により派遣
 元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表す
 るものとする。

  (指導及び助言等)
第四十八条 厚生労働大臣は、この法律(第三章第四節の規定を除く。第四十九条の三第一項、第五十条及
 び第五十一条第一項において同じ。)の施行に関し必要があると認めるときは、労働者派遣をする事業
 主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、労働者派遣事業の適正な運営又は適正な派遣就業を
 確保するために必要な指導及び助言をすることができる。
2 厚生労働大臣は、労働力需給の適正な調整を図るため、労働者派遣事業が専ら労働者派遣の役務を特
 定の者に提供することを目的として行われている場合(第七条第一項第一号の厚生労働省令で定める場
 合を除く。)において必要があると認めるときは、当該派遣元事業主に対し、当該労働者派遣事業の目
 的及び内容を変更するように勧告することができる。
3 厚生労働大臣は、第二十三条第三項、第二十三条の二又は第三十条第二項の規定により読み替えて適
 用する同条第一項の規定に違反した派遣元事業主に対し、第一項の規定による指導又は助言をした場合
 において、当該派遣元事業主がなお第二十三条第三項又は第二十三条の二の規定に違反したときは、当
 該派遣元事業主に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。

  (改善命令等)
第四十九条 厚生労働大臣は、派遣元事業主が当該労働者派遣事業に関しこの法律(第二十三条第三項、
 第二十三条の二及び第三十条第二項の規定により読み替えて適用する同条第一項の規定を除く。)その
 他労働に関する法律の規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。)に違反した場合において、適正
 な派遣就業を確保するため必要があると認めるときは、当該派遣元事業主に対し、派遣労働者に係る雇
 用管理の方法の改善その他当該労働者派遣事業の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命
 ずることができる。
2 厚生労働大臣は、派遣先が第四条第三項の規定に違反している場合において、同項の規定に違反して
 いる派遣就業を継続させることが著しく不適当であると認めるときは、当該派遣先に労働者派遣をする
 派遣元事業主に対し、当該派遣就業に係る労働者派遣契約による労働者派遣の停止を命ずることができ
 る。

  (公表等)
第四十九条の二 厚生労働大臣は、労働者派遣の役務の提供を受ける者が、第四条第三項、第二十四条
 の二、第二十六条第七項若しくは第十項、第四十条第二項若しくは第三項、第四十条の二第一項、第四
 項若しくは第五項、第四十条の三若しくは第四十条の九第一項の規定に違反しているとき、又はこれら
 の規定に違反して第四十八条第一項の規定による指導若しくは助言を受けたにもかかわらずなおこれら
 の規定に違反するおそれがあると認めるときは、当該労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、第四
 条第三項、第二十四条の二、第二十六条第七項若しくは第十項、第四十条第二項若しくは第三項、第四
 十条の二第一項、第四項若しくは第五項、第四十条の三若しくは第四十条の六第一項の規定に違反する
 派遣就業を是正するために必要な措置又は当該派遣就業が行われることを防止するために必要な措置を
 とるべきことを勧告することができる。
2 厚生労働大臣は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなか
 つたときは、その旨を公表することができる。 

  (厚生労働大臣に対する申告)
第四十九条の三 労働者派遣をする事業主又は労働者派遣の役務の提供を受ける者がこの法律又はこれ
 に基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、派遣労働者は、その事実を厚生労働大臣に
 申告することができる。
2 労働者派遣をする事業主及び労働者派遣の役務の提供を受ける者は、前項の申告をしたことを理由と
 して、派遣労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

  (報告)
第五十条 厚生労働大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、厚生労働省令で定めるとこ
 ろにより、労働者派遣事業を行う事業主及び当該事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者に対し、
 必要な事項を報告させることができる。

  (立入検査)
第五十一条 厚生労働大臣は、この法律を施行するために必要な限度において、所属の職員に、労働者派
 遣事業を行う事業主及び当該事業主から労働者派遣の役務の提供を受ける者の事業所その他の施設に立
 ち入り、関係者に質問させ、又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければ
 ならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

  (相談及び援助)
第五十二条 公共職業安定所は、派遣就業に関する事項について、労働者等の相談に応じ、及び必要な助
 言その他の援助を行うことができる。

  (労働者派遣事業適正運営協力員)
第五十三条 厚生労働大臣は、社会的信望があり、かつ、労働者派遣事業の運営及び派遣就業について専
 門的な知識経験を有する者のうちから、労働者派遣事業適正運営協力員を委嘱することができる。
2 労働者派遣事業適正運営協力員は、労働者派遣事業の適正な運営及び適正な派遣就業の確保に関する
 施策に協力して、労働者派遣をする事業主、労働者派遣の役務の提供を受ける者、労働者等の相談に応
 じ、及びこれらの者に対する専門的な助言を行う。
3 労働者派遣事業適正運営協力員は、正当な理由がある場合でなければ、その職務に関して知り得た秘
 密を他に漏らしてはならない。労働者派遣事業適正運営協力員でなくなつた後においても、同様とする。
4 労働者派遣事業適正運営協力員は、その職務に関して、国から報酬を受けない。
5 労働者派遣事業適正運営協力員は、予算の範囲内において、その職務を遂行するために要する費用の
 支給を受けることができる。

  (手数料)
第五十四条 次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。
 一 第五条第一項の許可を受けようとする者
 二 第八条第三項の規定による許可証の再交付を受けようとする者
 三 第十条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けようとする者
 四 第十一条第四項の規定による許可証の書換えを受けようとする者

  (経過措置の命令への委任)
第五十五条 この法律の規定に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、そ
 れぞれ政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、
 所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

  (権限の委任)
第五十六条 この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を
 都道府県労働局長に委任することができる。
2 前項の規定により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共
 職業安定所長に委任することができる。

  (厚生労働省令への委任)
第五十七条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項は、厚生労
 働省令で定める。




このページのトップへ戻ります