電離放射線障害防止規則第56条に規定する健康診断の項目の省略の可否について
(平成13年3月30日基発第253号により廃止) |
改正履歴
昭和64年1月1日付け基発第1号「電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令の施行について」に
おける記の第2のIIIの11の(2)により別途示すこととしていた電離放射線障害防止規則第56条に規定す
る健康診断の項目の省略の可否の判断については下記に示す事項を参考とし、その適切な運用が図られる
よう関係者に周知されたい。なお、定期に行う健康診断については、別添にフローチャート(図)を示し
てあるので、それを参考とされたい。
記
1 第2項に規定する健康診断の項目の省略の可否について
第2項に規定する健康診断の項目の省略の可否の判断は、次に示すところによるものであること。た
だし、次のいずれにも該当しない者であっても、雇入れ又は配置換えの際の健康診断では、第2項に規
定する健康診断の項目の省略を行うことは望ましくないこと。
(1) 次のいずれかに該当する者は、白血球百分率の検査を省略することは適当でないこと。
[1] 白血球数が生理的範囲外である者
[2] 業務上1年間に年限度の5倍(250ミリシーベルト)以上の実効線量当量を受けたことのある者
[3] 赤血球数の検査及び血色素量またはヘマトクリット値の検査において、検査結果が生理的範囲
外である者
(2) 次のいずれかに該当する者は、白内障に関する眼の検査を省略することは適当でないこと。
[1] 白内障を疑わせる自他覚症状のある者
[2] 業務上、眼に大量に放射線を受けたことがある者
(3) 次のいずれかに該当する者は、皮膚に関する検査を省略することは適当でないこと。
[1] 皮膚疾患を疑わせる自他覚症状のある者
[2] 業務上、皮膚に大量に放射線を受けたことがある者
[3] 前回の健康診断において、皮膚に外傷、熱傷、かいよう等、放射性物質が体内に浸透しやすく、
又は放射性物質により汚染されやすい疾患があると認められた者
2 第3項に規定する健康診断の項目の省略の可否について
健康診断を実施しようとする日前1年間に受けた線量当量が年限度の10分の3を超えず、かつ健康診
断を実施しようとする日以後1年間に受ける線量当量が年限度の10分の3を超えるおそれのない者であ
っても、次のいずれかに該当する者は、当該健康診断の項目について第3項に規定する省略を行うこと
は適当でないこと。
(1) 前回の健康診断において異常所見が認められた者
(2) 自他覚症状から血液学的検査で何らかの所見が認められることが疑われる者
(3) 白内障を疑わせる自他覚症状が前回の健康診断後初めて発生した者
(4) 皮膚疾患を疑わせる自他覚症状のある者又は前回の健康診断において、皮膚に外傷、熱傷、かい
よう等放射性物質が体内に浸透しやすい疾患、若しくは放射性物質により汚染されやすい疾患があ
ると認められた者
(5) 業務上1年間に年限度の5倍(250ミリシーベルト)以上の実効線量当量を受けたことのある者又
は業務上1年間に年限度の2倍(100ミリシーベルト)以上の実効線量当量を受けて5年間程度の
期間を経過していない者
(図)