手持動力工具(チェーンソーを除く。)の工具振動レベル測定方法について
(平成21年7月10日基発0710第3号により廃止) |
改正履歴
手持動力工具の工具振動レベル測定方法(以下「測定方法」という。)については、昭和57年3月29日
付け基発第207号をもって通達したところであるが、その後、同通達の付録1に示している等価工具振動
レベルによる測定方法について、昭和61年2月、日本工業規格JIS B4900−1986(以下「JIS規格」
という。)が制定されたところである。
しかしながら、手持動力工具の工具振動レベルの測定をJIS規格に定める測定方法により行う場合に
おいても、その測定条件により測定値が変動するため、手持動力工具の主要機種ごとに、上記JIS規格
の測定方法による測定を行う際の標準作動等を設定することが必要であり、専門家による検討を行ってき
てところであるが、今般、その検討結果に基づき、JIS規格に定める測定方法による測定実施要領(以
下「実施要領」という。)を別添のとおり定めた。
ついては、本省において、手持動力工具製造者の団体を通じ、実施要領の周知を図ることとするので、
各局においても、下記の事項に留意のうえ、管内の手持動力工具製造者に対し、その周知に努められたい。
なお、昭和57年3月29日付け基発第207号通達は廃止する。
おって、チェーンソー及び刈払機の振動測定については、「チェーンソーの規格」(昭和52年労働省告
示第85号)の別表第一における振動加速度の測定方法によって行うことが定着しているので、今後とも従
前どおりする。
記
1 実施要領は、手持動力工具製造者が、手持動力工具の低振動化において、その振動レベルの測定及び
評価を行うときにこれによるべきものとして定めたものであるが、手持動力工具を使用する事業場にお
いて、その選定、保守管理上の判断材料を得るため振動レベルを測定する際にこれによって行うことと
しても差し支えないものであること。
2 本省においては、今後、手持動力工具製造者に対し、その団体を通じ、実施要領による振動レベルの
適切な測定及び評価の下に、低振動工具等の開発改良を進めるよう要請することとしているので、各局
においては、管内の手持動力工具製造者の把握に努めること。
3 実施要領で対象としている主要手持動力工具は、事業場における保有台数が比較的多い工具及び振動
レベルが大きい工具を選定しているので、それ以外の手持動力工具の測定については、主要手持動力工
具のうちの類似の工具に係る実施要領に準じて行うものとすること。
別添
手持動力工具の工具振動レベル測定に関する実施要領
昭和63年1月8日付け基発第11号「手持動力工具(チェーンソーを除く。)の工具振動動レベル測
定方法について」通達 別添
目 次
1.用語の意義
2.測定の基本事項
3.主要手持動力工具別の振動レベル測定方法に関する細目
(1) ピストンによる打撃機構を有する工具
イ さく岩機
ロ チッピングハンマー
ハ リベッティングハンマー
ニ コーキングハンマー
ホ ベビーハンマー
ヘ スケーリングハンマー
ト コンクリートブレーカー
チ 電気ハンマー
リ コールピックハンマー
ヌ サンドランマー
ル 多針タガネ
ヲ ケレン
(2) 内燃機関を内蔵する工具
エンジンカッター
(3) 振動体内蔵工具
イ タイタンパー
ロ タンパー
ハ 棒状コンクリート振動機
(4) 回転工具
イ 電気ディスクグラインダー
ロ 空気グラインダー
ハ 電気サンダー
ニ スイング研削盤
(5) その他の工具
イ インパクトレンチ
ロ バイブレーションドリル
この要領は、手持動力工具の工具振動レベルを、日本工業規格JIS B4900−1986の測定方法による
適正に測定するために必要とされる技術上の細目を定めたものである。
1 用語の意義
(1) 手持動力工具:可搬型の動力工具で、動作時に把持部を通じて手掌に著しい振動が伝わるもの。
(2) 工具振動レベル:JIS B4900−1986の測定方法の2の(1)の定義に同じ。
(3) 等価工具振動レベル:JIS B4900−1986の測定方法の2の(2)の定義及び同解説の2の1の
定義に同じ。
(4) 標準作動:対象工具について、振動レベル値を計測する場合の決められた作業をいい、工具の作
動条件、対象、用具及び時間などを包括する。
2 測定の基本事項
(1) 測定方法:工具振動レベルの測定は、JIS B4900「手持動力工具の工具振動レベル測定方法」
による。
(2) 測定条件
イ 測定台数:同一機種2台以上について測定を行うものとする。
ロ 測定回数:同一条件において、測定に十分な時間で複数回行う。
ハ 測定時の条件:主要手持動力工具の種類ごとに定めた標準作動の状態とする。
ニ 測定時の注意事項:ピックアップのリード線は、機械本体にテープで固定し、破損、断線などを
起こさないようにする。
ホ 機械の操作者:振動測定時の操作者は十分に習熟した経験を有する者とする。
(3) 測定値の出し方:標準作動時に得た工具振動レベルの測定値から、JIS B4900−1986の解説
の2の(1)の(b)に定める方法により等価工具振動レベルを算出する。
3 主要手持動力工具別の振動レベル測定方法に関する細目
(1) ピストンによる打撃機構を有する工具
イ さく岩機
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とする手持式さく岩機であって、次に掲げる機種とする。
a ハンドハンマー
b レッグドリル
c ストーパ
(ロ) 測定手順
a 測定値の出し方
さく岩機の振動測定は2台以上の同一型式のさく岩機について工具振動レベルの測定を行
う。
各さく岩機は、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振動レ
ベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるものとす
る。
b 標準作動
さく岩機の振動測定はJIS M2001(さく岩機の性能試験方法)定める標準さく孔試験
による。
(a) 標準さく孔試験における試験岩石は花崗岩〔圧縮強さ147〜225MPa(1500〜2300kgf
/cm2)〕を標準岩石とし、その寸法は1000mm×1000mm×1000mm以上とする。
(b) さく岩機の給気口における作動圧490±10KPa(5±0.1kgf/cm2)試験を行い、この
際用いるロッド・ビットは下表による。(表)
(c) 標準さく孔試験における推力は、最大さく孔速度を示す押し付け力で行う。
(d) 100〜200mmの口切りを行った後、レッグドリルは、さく孔高さ1000±100mm及びレッ
グ角度30°±1°の範囲で据え付けて水平さく孔し、ハンドハンマー及びストーパは
鉛直さく孔する。
【解説】
1.対象機種
対象となる機種は、圧縮空気を原動力として打撃と回転によりさく孔を行う手持式さく岩機のみに限
定した。
したがって、電気さく岩機、油圧さく岩機などこの対象から除いた。
2.測定条件
標準さく孔試験における適正推力(最大さく孔速度を示す押し付け力)とは、岩石、作動圧力、ビッ
ト、ロッド、レッグ角度、注水量などの諸条件が定められた場合における最大のさく孔速度を示す押し
付け力をいう。
ロ チッピングハンマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするチッピングハンマーであって、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a 測定値の出し方
チッピングハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式のチッピングハンマーについて工
具振動レベルの測定を行う。
各チッピングハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価
工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベルについて等価工具振動レベルを求める
ものとする。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ40mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、チッピングハンマーを垂直に立て、(e)に規定する押し付け力で押しなが
ら作動させる。はつり作業は行わない。
(c) チッピングハンマーの作動圧は588±10KPaとする。
(d) 標準のとがり先のチゼルを使用し、ある程度鋼塊に食い込ませ振動が安定した状態と
する。
(e) 工具の押し付け力は、約100N(約10kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.鋼塊は作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
2.はつり作業を行うと振動が不安定となるので、はつり作業は行わないこととした。
3.標準のとがり先のチゼルとは、メーカーが推奨するチゼルである。
チゼルには、いろいろな先端のものがあるが、一般に「デモルーションポイント」と呼ばれる先端の
とがったものを用いるのが望ましい。
4.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約100
N(約10kgf)とした。
ハ リベッティングハンマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするリベッティングハンマーであって、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a リベッティングハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式のリベッティングハンマーに
ついて工具振動レベルの測定を行う。
各リベッティングハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各国の指示値に係る
等価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベルについて等価工具振動レベルを求
めるものとする。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ40mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、リベッティングハンマーを垂直に立て、(e)に規定する押し付け力で押し
ながら作動させる。かしめ作業は行わない。
(c) リベッティングハンマーの作動圧は、588±10KPaとする。
(d) 標準のフラットヘッドスナップを使用し、振動が安定した状態とする。
(e) 工具の押し付け力は、約140N(約14kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.鋼塊は、作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
2.かしめ作業を行うと振動が不安定となるので、かしめは作業は行わないこととした。
3.標準リベットスナップとは、メーカーが推奨するものである。
リベットスナップは、いろいろな先端のものもあるが、一般に「フラットヘッド」と呼ばれる先端の
平らなものを用いるのが望ましい。
4.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約140
N(約14kgf)としたが、その能力が小さいものについては、適宜変えても差し支えない。
ニ コーキングハンマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするコーキングハンマーであって、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a コーキングハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式のコーキングハンマーについて工
具振動レベルの測定を行う。
各コーキングハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価
工具レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるも
のとする。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ40mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、コーキングハンマーを垂直に立て、(e)に規定する押し付け力で押しなが
ら作動させる。コーキング作業は行わない。
(c) コーキングハンマーの作動圧は588±10KPaとする。
(d) チゼルはチッピングハンマーに用いる標準のとがり先のチゼルを使用し、ある程度鋼
塊に食い込ませ、振動が安定した状態とする。
(e) 工具の押し付け力は、約100N(約10kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.鋼塊は作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
2.コーキング作業を行うと振動が不安定となるので、コーキング作業は行わないこととした。
3.チッピングハンマーに用いる標準のとがり先のチゼルとは、メーカーが推奨するチゼルである。チゼ
ルらは、いろいろな先端のものがあるが、一般に「デモルションポイント」と呼ばれる先端のとがった
ものを用いるのが望ましい。
4.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約100
N(約10kgf)とした。
ホ ベビーハンマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするベビーハンマーであって、手持式の小型ハンマーのうち、重量2kg
以下のものとする。
(ロ) 測定手順
a ベビーハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式のベビーハンマーについて工具振動レ
ベルの測定を行う。
各ベビーハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具
振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるも
のとする。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ40mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、ベビーハンマーを垂直に立て、(c)に規定する押し付け力で押しながら
作動させる。リベットかしめ作業は行わない。
(c) ベビーハンマーの作動圧は、588±10KPaとする。
(d) 標準のとがり先のチゼルを使用し、ある程度鋼塊に食い込ませ、振動が安定した状態
とする。
(e) 工具の押し付け力は、約50N(約5kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.鋼塊は、作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
2.はつり、リベットかしめ作業を行うと振動が不安定となるので、それらの作業は行わないこととした。
3.標準のとがり先のチゼルとは、、メーカーが推奨するチゼルである。チゼルには、いろいろな先端の
ものがあるが、一般に「デモルーションポイント」と呼ばれる先端のとがったものを用いるのが望まし
い。
4.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約50
N(約5kgf)とした。
ヘ スケーリングハンマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするスケーリングハンマーであって、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a スケーリングハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式のスケーリングハンマーについ
て工具振動レベルの測定を行う。
各スケーリングハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等
価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求
めるものとする。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ40mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、スケーリングハンマーを水平に保持し通常使用される押し付け力とする。
(c) スケーリングハンマーの作動圧は、588±10KPaとする。
【標準作動に関する解説】
鋼塊は、作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
ト コンクリートブレーカー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とする手持式コンクリートブレーカーであって、重量42kg以下のものとす
る。
(ロ) 測定手順
a コンクリートブレーカーの振動測定は、2台以上の同一型式のコンクリートブレーカーに
ついて工具振動レベルの測定を行う。
各コンクリートブレーカーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る
等価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを
求めるものとする。
b 標準作動
(a) コンクリート上に、コンクリートブレーカーを垂直に立て、(e)に規定する押し付
け力で押しながら作動させる。
(b) 被加工物は、乾燥したコンクリート〔圧縮強度23.5MPa(240kgf/cm2)以上〕と
し、寸法1000mm×1000mm×500mm以上とする。
(c) コンクリートブレーカーの作動圧は、コンクリートブレーカーの給気口において588
±10KPaとする。
(d) 標準の良く仕上げたチゼルを使用し、約5分間作業を行って振動が安定した状態とす
る。
(e) 工具の押し付け力は、約100N(約10kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.はつり作業を行うと振動が不安定となるので、はつり作業は行わないこととした。
2.コンクリートが水でぬれていると、乾いた状態と振動が変わることがあるので、水でぬれていないコ
ンクリートを使うこととした。
コンクリートの強度は、圧縮強度で代表することができるといわれる。
圧縮強度は、JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法によるものとし、供試体の材令は標準
として28日とする。
コンクリートは、JIS A 5308 レデーミクストコンクリートに規定される標準品とし、下表の条件
に適合したコンクリートとする。(表)
3.標準のチゼルとは、メーカーが推奨するチゼルである。チゼルの先端が非常に鋭利で良く切れると振
動は少ないが、仕上げられたばかりのものは初期磨耗のため振動が変化しやすいので、5分間位作業を
行って振動が安定した状態で振動測定を行うこととする。
4.工具の押し付け力が小さければ本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約100N
(約10kgf)とした。
チ 電気ハンマー
(イ) 対象機種
電気ハンマーのうち、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a 電気ハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式の電気ハンマーについて工具振動レベル
の測定を行う。
各電気ハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振
動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるもの
とする。
b 標準作動
(a) コンクリート上に、ハンマーを垂直に立て、一定の押し付け力で押しながら電気ハン
マーを作動させる。
(b) 被加工物は、乾燥したコンクリート〔圧縮強度23.5MPa(240kgf/cm2)以上〕とし、
寸法600mm×600mm×200mm以上とする。
(c) 標準の良く仕上げたブルポイント(ビット)を使用し、約5分間作業を行って振動が
安定した状態とする。
(d) 負荷状態で定格電圧となるようにする。
(e) 工具の押し付け力は、約200N(約20kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の場所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.はつり作業を行うと振動が不安定となるので、はつり作業は行わないこととした。
2.コンクリートが水でぬれていると、乾いた状態と振動が変わることがあるので、コンクリートが水で
ぬれていないこととした。
コンクリートの強度は、圧縮強度で代表することができるといわれる。
圧縮強度は、JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法によるものとし、供試体の材令は標準
として28日とする。
コンクリートは、JIS A 5308 レデーミクストコンクリートに規定される標準品とし下表の条件に
適合するコンクリートとする。(表)
コンクリートの寸法は、600mm×600mm×200mm以上としたが、大形の電気ハンマー(重量20kg以上)
の場合には大きくすること(例えば、1000mm×1000mm×500mm以上とする。)。
3.標準のブルポイントとは、メーカーが推奨するブルポイントである。ブルポイント(ビット)の先端
が非常に鋭利で良く切れると振動は少ないが、仕上げられたばかりのものは初期磨耗のため振動が変化
しやすいので、5分間位作業を行って振動が安定した状態で振動測定を行う。
4.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約200
N(約20kgf)とした。
リ コールピックハンマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするコールピックハンマーのうち、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a コールピックハンマーの振動測定は、2台以上の同一型式のコールピックハンマーについ
て工具振動レベルの測定を行う。
各コールピックハンマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等
価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求
めるものとする。
b 標準作動
(a) コンクリート上に、コールピックハンマーを垂直に立て、(e)に規定する押し付け力
で押しながら作動させる。
(b) 被加工物は、乾燥したコンクリート〔圧縮強度23.5MPa(240kgf/cm2)以上〕であ
って、寸法1000mm×1000mm×500mm以上のものとする。
(c) コールピックハンマーの作動圧は、コールピックハンマーの給気口において588±
10KPaとする。
(d) 標準の良く仕上げたチゼルを使用し、約5分間作業を行って振動が安定した状態とす
る。
(e) 工具の押し付け力は、約100N(約10kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.はつり作業を行うと振動が不安定となるので、はつり作業は行わないこととした。
2.コンクリートが水でぬれていると、乾いた状態と振動が変わることがあるので、水でぬれていないコ
ンクリートを使うこととした。
コンクリートの強度は、圧縮強度で代表することができるといわれる。
圧縮強度は、JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法によるものとし、供試体の材令は標準
として28日とする。
コンクリートは、JIS A 5308 レデーミクストコンクリートに規定される標準品とし下表の条件に
適合するコンクリートとする。(表)
3.標準のチゼルとは、メーカーが推奨するチゼルである。チゼルの先端が非常に鋭利で良く切れると振
動は少ないが、仕上げられたばかりのものは初期磨耗のため振動が変化しやすいので、5分間位作業を
行って振動が安定した状態で振動測定を行う。
4.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具の押し付け力は約100
N(約10kgf)とした。
ヌ サンドランマー
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするサンドランマーのうち、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a サンドランマーの振動測定は、2台以上の同一型式のサンドランマーについて工具振動レベ
ルの測定を行う。
各サンドランマーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振
動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるものと
する。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、鋳物砂とし、金枠又は十分な強度を有する容器(600mm×600mm以上)に300
mm以上の深さまで鋳物砂を入れ、これを突き固めたものとする。
(b) 標準作動は、サンドランマーを垂直に立て通常使用される押し付け力とする。
(c) サンドランマーの作動圧は、588±10KPaとする。
(d) 標準ゴム製バットを使用し、鋳物砂をある程度固めて振動が安定した状態とする。
(e) 測定ごとに、鋳物砂を掘り返し行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.鋳物砂は、JIS G 5901 鋳型用けい砂とし、種類は2〜3種で、粒度は35〜65号を用い、ベントナ
イトを5〜7%添加し水分を3〜5%含ませたものとする。
2.標準のバットとは、メーカーが推奨するバットである。メーカーが推奨するバットが鉄製であれば、
それを使用しても差し支えない。
ル 多針タガネ
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とする多針タガネのうち、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a 多針タガネの振動測定は、2台以上の同一型式の多針タガネについて工具振動レベルの測
定を行う。
各多針タガネは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振動
レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるものと
する。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ10mm以上、重量10kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、多針タガネを垂直に立て、通常使用される押し付け力で作動させる。
(c) 多針タガネの作動圧は、588±10KPaとする。
(d) 標準の針を使用し、鋼塊上で作動させ、振動が安定した状態とする。
【標準作動に関する解説】
1.実際に使用される面は凹凸が多いが、これでは振動が不安定となるので、平滑な鋼塊とした。また、
鋼塊は作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
2.多針タガネの操作は、熟練者が行うのが望ましいが、そうでない場合にはあらかじめ10分間以上の
訓練を受けた者が行う。
3.標準の針とは、メーカーが推奨する針である。
ヲ ケレン
(イ) 対象機種
圧縮空気を原動力とするケレンのうち、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a ケレンの振動測定は、2台以上の同一型式のケレンについて工具振動レベルの測定を行う。
各ケレンは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振動レベ
ルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるものとする。
b 標準作動
(a) 被打撃物は、厚さ40mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 鋼塊上に、ケレンを垂直に立て、eに規定する押し付け力で押しながら作動させる。
(c) ケレンの作動圧は、588±10KPaとする。
(d) 標準のチゼルを使用し、ある程度鋼塊に食い込ませ振動が安定した状態とする。
(e) 工具の押し付け力は、約60N(約6kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.鋼塊は、作動時に安定させるため、フェルト又は砂等の上に設置することが望ましい。
2.標準のチゼルとは、メーカーが推奨するチゼルである。
3.工具の押し付け力が小さければ、本体が跳ねて振動が不安定となるので、工具押し付け力は約60N
(約6kgf)とした。
(2) 内燃機関を内蔵する工具
イ エンジンカッター
(イ) 対象機種
金属、石材の切断できるエンジンカッターのうち、手持式のものとする。
(ロ) 測定手順
a エンジンカッターの振動測定は、2台以上の同一型式のエンジンカッターについて工具振
動レベルの測定を行う。
各エンジンカッターは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工
具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求め
るものとする。
b 標準作動
(a) 被削材は、機械構造用炭素鋼鋼材S15Cφ40mmで支持物に固定されたものを用いる。
(b) エンジンカッターは次の状態のものであること。
・標準装備のもの。
・カッター又はといしは、付属品としてメーカーが指定した金属の切れるもので、かつ、
十分に切れる状態のもの。
・燃料及び潤滑油の量は、タンク容量の4分の3以上のもの。
・気化器及び点火せんは、適切に調整されているもの。
・十分にならし運転されたもの。
(c) 切断作業は次により行うこと。
・一端を固定して水平とした被削材を長手方向と直角に切断すること。
・被削材の切断の間隔は15mm以上とすること。
・内燃機関の回転数を、当該エンジンカッターの定格回転数の98.5%以上101.5%以下
とすること。
【標準作動に関する解説】
1.切断作業については、「チェンソーの規格」(昭和52年労働省告示第85号)を参考とした。
2.被削材は、入手しやすく材質の均一なものであることが必要なので、機械構造用炭素鋼鋼材S15Cと
した。
3.切断は、エンジンカッターの自重で切断を行い、スロットルを調整して常用回転数とする。
回転数の範囲は、「チェンソーの規格」(昭和52年労働省告示第85号)の数値によっている。
なお、回転数の測定には、次の回転計を用いること。
(1) 指示の誤差は、回転数の0.3パーセント以下であること。
(2) 時定数は0.5秒以下であること。
(3) 非接触型のものであること。
(3) 振動体内蔵工具
イ タイタンパー
(イ) 対象機種
鉄道の道床の突き固めに用いられるタイタンパーのうち、電動式のものとする。
(ロ) 測定手順
a タイタンパーの振動測定は、2台以上の同一型式のタイタンパーについて工具振動レベル
の測定を行う。
各タイタンパーは、一本の枕木につき、10秒ごとに6回の突き固めを行う作業を5回くり
返し、各回の指示値に係る等価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値につ
いて等価工具振動レベルを求めるものとする。
b 標準作動
(a) 下表に示す標準道床を使用する。(表)
(b) 作動条件は、メーカーの指定の条件とする。
(c) 作動用具は、タイタンパー付属のビータとする。
【解 説】
1.タイタンパーの機種は、鉄道道床に使用するタイタンパーとし、道路工事に用いられるタンピングツ
ールは含まない。
2.タイタンパーの作業は、負荷のかかり方によって大きく不規則に振動が変化するので、総作業時間5
分間の等価工具振動レベル(Lveq)を測定することにした。
3.標準道床は、日本鉄道(株)における道床に関する規定のうち、一級線に相当するものとした。
なお、岩種については現在の道床の岩種のうち、50%を占める安山岩とした。
ロ タンパー
(イ) 対象機種
タンパーのうち、次に掲げる機種とする。
a エンジン式タンパー
b 電動式タンパー
(ロ) 測定手順
a 測定値の出し方
タンパーの振動測定は、2台以上の同一型式のタンパーについて工具振動レベルの測定を
行う。
各タンパーは30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振動レベ
ルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるものとする。
b 標準作動
(a) K値が10以上のよく固まった土の上へJIS A 5001に定める道路用砕石4号を幅約1.5
m、長さ10m及び厚さ約20cm(3m2)にまいたコース上を自走させる。
(b) タンパーが転倒しないよう軽くハンドルを把持して、メーカーの指定する定格仕様の
運転条件で測定する。
ハ 棒状コンクリート振動機
(イ) 対象機種
棒状コンクリート振動機のうち、次に掲げる機種とする。
a 内蔵コンクリート振動機
b フレキ式コンクリート振動機
c 直結式コンクリート振動機
(ロ) 測定手順
a 測定値の出し方
コンクリート振動機の振動測定は、2台以上同一型式のコンクリート振動機について工具
振動レベルの測定を行う。
各コンクリート振動機は30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工
具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求める
ものとする。
b 標準作動
(a) 約0.4m3以上の容量をもつ容器に水を充満させ、その水中で行う。
(b) コンクリート振動機は垂直にし、コンクリート振動機の先端部は容器の底面から約10
cm以上離し、かつ、他端部はおおよそ水面の高さになるよう把持する。
・内蔵形及びフレキ形の各コンクリート振動機は、他端部からホース長さ1mの箇所を握持
する。
・直結形コンクリート振動機は、振動筒の長さの2/3を水中に入れて、ハンドル部を握
持する。
(c) 負荷状態は、メーカーの指定する定格仕様の運転条件によるものとする。
(4) 回転工具
イ 電気ディスクグラインダー
(イ) 対象機種
電気ディスクグラインダーのうち、次に掲げる機種とする。
a JIS C 9611に規定する電気ディスクグラインダー
b JIS C 9611に含まれない電気ディスクグラインダー
(ロ) 測定手順
a 電気ディスクグラインダーの振動測定は、2台以上の同一型式の電気ディスクグラインダ
ーについて工具振動レベルの測定を行う。
各電気ディスクグラインダーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係
る等価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベル
を求めるものとする。
b 標準作動
(a) 被削材は、厚さ50mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 研削といしは、標準の研削といしとし、外周を磨耗させ、平衡度と面ぶれに注意する。
(c) 全負荷電流(銘板記載の値)となるように押し付けるか、又は通常使用される負荷状
態とする。この場合において、負荷状態の電流値を記録する。
(d) 負荷状態で定格電圧となるようにする。
(e) 被削材と研削といしの角度は、約20°とする。
(f) 研削作業は前後方向に移動させ、その往復は、100mmを1秒以上のゆっくりした周期と
する。
【解 説】
1.JIS C9611 に含まれない電気ディスクグラインダーとは、高周波モータで駆動する機種と直流
で駆動する機種である。
2.標準研削は、変動要因の調査結果に基づいて、変動の少ない範囲に設定した。
3.研削といしの平衡度が不良の場合及び面ぶれが大きい場合には、工具振動レベルが大きくなるので、
平衡度と面ぶれがJISR6213−1980に適合する研削といしを使用する。
標準の研削といしは、メーカーが推奨するといしである。
4.研削作業の往復の周期を速くすると、往復による振動が工具振動レベルに付加されるのでゆっくり研
削する。
振動測定を行う場合、電気ディスクグラインダーの操作は、30分以上の訓練を受けた者が行う。
ロ 空気グラインダー
(イ) 対象機種
空気グラインダーのうち、次に掲げる機種とする。
a JISB4901−1977に規定する空気グラインダー
b JISB4903−1980に規定する高速空気グラインダー
c JISB4904−1980に規定する空気ディスクグラインダー
d 上記a〜cに含まれない手持式空気グラインダー
(ロ) 測定手順
a 空気グラインダーの振動測定は、2台以上の同一型式の空気グラインダーについて工具振
動レベルの測定を行う。
各空気グラインダーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工
具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求める
ものとする。
b 標準作動
(a) 被削材は、厚さ50mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 空気グラインダーの作動圧は、558±10KPaとする。
(c) 研削といしは、標準の研削といしとし、外周を摩耗させ平衡度と面ぶれに注意する。
(d) 標準研削時の押し付け力は、そのグラインダーの最大研削量を示す押し付け力又は通
常使用される押し付け力とする。
(e) JISR6213−1980に規定するレジノイドオフセット研削といしを用いる空気ディス
クグラインダーの被削材と研削といしの角度は、約20°とする。
(f) 研削作業は前後方向に移動させ、その往復は100mmを1秒以上のゆっくりした周期とす
る。
【標準作動に関する解説】
1.標準研削は、変動要因の調査結果に基づいて、変動の少ない範囲に設定した。
2.研削といしの平衡度が不良の場合及び面ぶれが大きい場合には、工具振動レベルが大きくなるので、
平衡度と面ぶれがJISR6213−1980に適合する研削といしを使用する。
標準の研削といしは、メーカーが推奨するといしである。
3.研削作業の往復の周期を速くすると、往復による振動が工具振動レベルに付加されるのでゆっくり研
削する。
振動測定を行う場合、電気ディスクグラインダーの操作は30分以上の訓練を受けた者が行う。
ハ 電気サンダー
(イ) 対象機種
電気サンダーのうち、次に掲げる機種とする。
a 電気ディスクサンダー
b 電気オービタルサンダー
c 電気ベルトサンダー
(ロ) 測定手順
a 電気サンダーの振動測定は、2台以上の同一型式の電気サンダーについて工具振動レベル
の測定を行う。
各電気サンダーは、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具振
動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるもの
とする。
b 標準作動
(a) 被削材は、厚さ50mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 研摩紙は、工具メーカーが一般構造用圧延鋼材(SS41)に推奨する研摩紙で、かつ、
良く研摩できる状態のものとする。
(c) 電源電圧は、負荷状態で定格電圧となるようにする。
(d) 電気ディスクサンダーでは全負荷電流(銘板記載の値)となるように押し付けるか、
又は通常使用される負荷状態とする。この場合、負荷状態の電流値を記録する。
(e) 電気オービタルサンダー及び電気ベルトサンダーでは、本体の重量(Pkg)と同じ数
値の押し付け力(Pkgf)で押しながら研削を行う。
(f) 研削作業は前後方向に移動させ、その往復は、100mmを1秒以上のゆっくりした周期
とする。
【標準作業に関する解説】
1.標準研削は、電気ディスクグラインダーの振動測定方法に準拠して設定したが、電気オービタルサン
ダー及び電気ベルトサンダーの押し付け力についてはIEC745−2−4規格(1984)を参考とした。
2.工具メーカーの推奨する研摩紙としたのは、メーカーや機種によって一般構造用圧延鋼材(SS41)
用に推奨する研摩紙が異なるためである。
3.研摩作業の往復の周期を速くすると、往復による振動が工具振動レベルに付加されるのでゆっくり研
摩する。
振動測定を行う場合、電気サンダーの操作は30分以上の訓練を受けた者が行う。
ニ スイング研削盤
(イ) 対象機種
スイング研削盤のうち、吊り下げて使用するものとする。
(ロ) 測定手順
a スイング研削盤の振動測定は、2台以上の同一型式のスイング研削盤について工具振動レ
ベルの測定を行う。
各スイング研削盤は、30秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工具
振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求めるも
のとする。
b 標準作動
(a) 被削材は、厚さ50mm以上、重量30kg以上の一般構造用圧延鋼材(SS41)を用いる。
(b) 研削といしは、標準の研削といしとし、外周を摩耗させ、平衡度と面ぶれに注意する。
(c) 標準研削時の押し付け力は、通常使用される押し付け力とする。この場合、負荷状態
の電流値を記録する。
(d) 負荷状態で定格電圧となるようにする。
(e) スイング研削盤は、ほぼ水平状態で安全に固定した被削材を研削する。
(f) 研削作業は、上下方向にゆっくりとスイングさせて研削し、測定ごとに被削材上の箇
所を変えて行う。
(5) その他の工具
イ インパクトレンチ
(イ) 対象機種
インパクトレンチのうち、次に掲げる機種とする。
a エアーインパクトレンチ
b 電動インパクトレンチ
(ロ) 測定手順
a インパクトレンチの振動測定は、2台以上の同一型式のインパクトレンチについて工具振
動レベルの測定を行う。
各インパクトレンチは、10秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る等価工
具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを求める
ものとする。
b 標準作動
(a) 被締付物は、一般構造用圧延鋼材(SS41)に標準ソケットを溶接するか、又はそれ
に代わる方法で固定させる。
(b) 標準ソケットにインパクトレンチを垂直に立てて作動させる。
(c) エアーインパクトレンチの作動圧は、588±10Kpaとする。
(d) 電動インパクトレンチは、負荷状態で定格電圧とする。
(e) 工具の保持は、通常使用される状態とする。
【標準作動に関する解説】
1.鋼塊の大きさ及び質量は、インパクトレンチを標準作動させたとき、回転又は移動しないものとする。
2.標準ソケットとはメーカーの推奨するものである。
ロ バイブレーションドリル
(イ) 対象機種
電気ハンマードリル及び振動ドリルのうち、次に掲げる機種とする。
a ドリルが回転するほかに、ピストンを内蔵して打撃を行う電気ハンマードリル
b ドリルが回転するほかに、ラチェットによる振動で打撃を行う振動ドリル
c 上記a〜bに類似するバイブレーションドリル及び電気インパクトドリル(注)
注: 振動ドリルを外国ではインパクトドリルと言うことがあるが、国内では小型のハンマ
ードリルを電気インパクトドリルと言うこともある。
(ロ) 測定手順
a バイブレーションドリルの振動測定は、2台以上の同一型式のバイブレーションドリルに
ついて工具振動レベルの測定を行う。
各バイブレーションドリルは、10秒間ずつ3回以上標準作動を行い、各回の指示値に係る
等価工具振動レベルを出し、これらの得られた振動レベル値について等価工具振動レベルを
求めるものとする。
b 標準作動
(a) コンクリート上に、電気ハンマードリル又は振動ドリルを垂直にしてドリルビットの
径と同じ深さの孔をあけた状態で、一定の押し付け力で押しながら、電気ハンマードリ
ル又は振動ドリルを作動させる。
(b) 被加工物は、乾燥したコンクリート〔圧縮強度23.5Mpa(240kgf/cm2)以上〕とし、
その寸法は600mm×600mm×200mm以上とする。
(c) その機種に用いられる最大の径で、良く仕上げられたドリルビットを使用する。
(d) 電源電圧は、負荷状態で定格電圧となるようにする。
(e) 工具の押し付け力は、電気ハンマードリルで約100N(約10kgf)とし、振動ドリルで
は約300N(約30kgf)とする。
(f) 測定ごとに、被加工物上の箇所を変えて行うものとする。
【標準作動に関する解説】
1.ピックアップのリード線は、作動したときリード線に慣性力がかかりピックアップとリード線の接触
部の破損又は断線を起こすことがあるので、リード線を本体にテープ等で固定する。
2.コンクリートが水でぬれていると、乾いた状態と振動が変わることがあるので、水でぬれていないコ
ンクリートを使うこととした。
コンクリートの強度は、圧縮強度で代表することができると言われる。
圧縮強度は、JISA1108コンクリートの圧縮強度試験方法によるものとし、供試体の材令は標準と
して28日とする。
コンクリートはJISA5308レデーミクストコンクリートに規定される標準品とし下表の条件に適
合したコンクリートとする。(表)
コンクリートの生産者から、圧縮強度試験についての資料を入手し強度を確認すること。
なお、生産者にレデーミクストコンクリート納入書とレデーミクストコンクリート配合報告書を提出さ
せることが望ましい。
3.その機種に用いられる最大の径で、良く仕上げられたドリルビットとは、その機種にメーカーが指定
している最大径のもので、メーカーが推奨するドリルビットである。
穴あけの初期は振動が変化しやすいので、ドリルビットの径ぐらいの深さに穴をあけて安定した状態
で振動測定を行うこととする。
4.電気ハンマードリルでは、工具の押し付け力が小さすぎると、本体が跳ねて振動が不安定となるので、
工具の押し付け力は約100N(約10kgf)とした。
振動ドリルでは、工具の押し付け力が小さすぎると、穴あけ速さが遅くなるので、工具の押し付け力
は約300N(約30kgf)とした。